アウディ・S8
S8は、ドイツの自動車メーカーであるアウディが製造する、A8を基にした高性能セダンである。Fセグメントに属する大型高級車であると同時に、専用グリルやスポーツサスペンション、専用パーツを装着し、高いスポーツ性を強調している。欧州では1997年から製造・販売している。
初代(1997-2003年)D2系
編集アウディ・S8 初代 | |
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概要 | |
販売期間 | 1997年 - 2003年 |
ボディ | |
ボディタイプ | 4ドア セダン |
駆動方式 | 4WD |
パワートレイン | |
変速機 |
6速MT 5速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,882 mm |
全長 | 5,034 mm |
全幅 | 1,880 mm |
全高 | 1,420 mm |
ASF(アウディ・スペース・フレーム)というアルミ製のスペースフレームにアルミパネルを架装するオールアルミボディを持つ。
エンジンは、当初は1気筒あたり4バルブの4.2 L V型8気筒DOHC(335 PS)が搭載され、マイナーチェンジを機に5バルブ4.2 L V型8気筒DOHCに換装された。3ステージ可変管長インテークマニホールド、可変バルブ機構などが採用されるこのユニットは出力360 PS@7,000 rpm、トルク43.9 kgf·m@3,300 rpmを発生する。駆動方式はアウディ伝統のクワトロ(トルセン式フルタイム4WD)。トランスミッションは6速マニュアルトランスミッション(MT)と、ステアリングでも操作が可能な5速オートマチックトランスミッション(AT)(ティプトロニック)が組み合わされる。サスペンションも全アルミニウム製で、フロント/4リンク・リヤ/トラペゾイダル(ダブルウイッシュボーン)式。
インテリアはフラグシップモデルにふさわしくレザー/アルカンターラ表皮の電動シート、エアクオリティ・センサー、フロント/リア・シートヒーターなども装備する。安全機構としてデュアル&サイド&ヘッドレベルエアバッグ、ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)、EBD付きABS(アンチロック・ブレーキ・システム)、テンショニングシステム付きシートベルトなどを標準で装着。盗難防止装置としてイモビライザーを採用する。
日本へは2001年から正規輸入が開始された。左ハンドル、5ATのみ。車両価格は1,150万円。
2代目(2006年-2010年)D3系
編集アウディ・S8 2代目 | |
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前期型 | |
後期型 | |
後期型 | |
概要 | |
販売期間 | 2006年 - 2010年 |
ボディ | |
ボディタイプ | 4ドア セダン |
駆動方式 | 4WD |
パワートレイン | |
変速機 | 6速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,944 mm |
全長 | 5,062 mm |
全幅 | 1,897 mm |
全高 | 1,424 mm |
2002年に初代S8の生産が終了した後、4年後の2006年6月にシングルフレームグリルを与えられ、生まれ変わった。新型アウディS8は東京モーターショーで発表された。
アウディ初となるV型10気筒エンジン搭載車である。FSI(ガソリン直噴エンジン)技術により、この新型5.2 L V型10気筒エンジンは最高出力450 PS@7,000 rpm、最大トルク55.1 kgf·mを発揮。わずか2,300 rpmという低い回転速度ですでに最大トルクの90%を発生する。最新世代のクワトロ・フルタイム4WDシステムと6速AT(ティプトロニック)を組み合わせている。また、初代同様アウディ独自の軽量なASFコンセプトを採用したアルミボディを組み合わせた。
インテリアには、デンマークの最高級音響機器メーカーであるバング&オルフセンが初めて開発した専用「B&Oアドバンスドサウンドシステム」を標準装備する。スポーツアダプティブエアサスペンションに、Sスタイリング20インチアルミホイールを装着する。
車両価格は1,485万円。
3代目(2011年-2019年)D4系
編集アウディ・S8 3代目 | |
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前期型 | |
後期型 | |
後期型 | |
概要 | |
販売期間 | 2012年-2020年(日本) |
ボディ | |
ボディタイプ | 4ドア セダン |
駆動方式 | 4WD |
パワートレイン | |
変速機 | 8速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,995 mm |
全長 | 5,145 mm |
全幅 | 1,950 mm |
全高 | 1,455 mm |
2011年のフランクフルトモーターショーにて発表。当代でアウディでは初となるシリンダーオンデマンドを採用し、高速道路などでの走行中に8気筒のうち4気筒を休止する。さらにアイドリングストップ、エネルギー回生システムも採用し、アウディならではのアルミボディを組み合わせたASFも採用された。
エンジンは最高出力は382 kW(520 PS)、最大トルク650 N·m@1,700-5,500 rpmを発生する4.0 L V型8気筒ツインターボを搭載する。アウディならではのクワトロ・フルタイム4WDと、トランスミッションでは8速AT(ティプトロニック)も採用。全輪駆動の大型セダンにして0-100 km/h加速は4.2秒、最高速度はリミッター搭載で250 km/hである。
インテリアには、ティプトロニックパドルシフト&ステアリングヒーター付本革 巻き3スポーク マルチファンクション ステアリングホイールを標準装備。「Audi drive select」という機能には5つの走行モードに切り替えることが可能である。ホイールには21インチアルミホイールを標準装備している。車両価格は1,580万円。
4代目(2019年-)D5系
編集アウディ・S8 4代目 | |
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フロント | |
概要 | |
販売期間 | 2020年-(日本) |
ボディ | |
ボディタイプ | 4ドア セダン |
駆動方式 | 4WD |
パワートレイン | |
変速機 | 8速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,998 mm |
全長 | 5,172 mm |
全幅 | 1,945 mm |
全高 | 1,485 mm |
2019年に発表。初めてショートホイールベースバージョンとロングホイールベースバージョンが提供され、北米仕様はロングホイールベースのS8Lのみとなる。名目上ハイエンドのA8L W12は、先代モデル以降提供されなくなった。そのため、S8が現在のフラッグシップモデルとなっている。