アオギリ(青桐、梧桐、学名: Firmiana simplex)は、アオイ科(従来の分類ではアオギリ科アオギリ属落葉高木。公園樹、街路樹に利用される。

アオギリ
Firmiana simplex
Firmiana simplex
(2004年8月12日)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : 真正バラ類II eurosids II
: アオイ目 Malvales
: アオイ科 Malvaceae
亜科 : Sterculioideae
: アオギリ属 Firmiana
: アオギリ F. simplex
学名
Firmiana simplex
(L.) W.F.Wight[1]
シノニム
  • Firmiana platanifolia (L.f.) Marsili
英名
Chinese parasol tree

分布編集

中国南部・東南アジア原産。沖縄奄美大島に分布する[2]日本の暖地に野生化した状態でみられることもあるが、多くは街路樹や庭木として植えられる[2]

形態・生態編集

落葉高木[2]、樹高は15 - 20メートル (m) 。幹や枝の樹皮緑色で、小枝は太い[2]

互生し、長い葉柄がつき、葉身は大きくて薄く、形で掌状に浅く3 - 5裂する[2]。葉身の基部は心臓形で、鋸歯はない。幼時には、葉の表面、葉枝に軟らかい毛がある[2]

は初夏(5 - 6月)に、枝先に大形の円錐花序を出して[3]雄花雌花が混じり、黄白色から黄緑色の5弁の小花を群生する[2]がく片は5個で、花弁はない。

果実蒴果で草質、秋(10月ころ)に熟すが、完熟前に5片に裂開し、1片の長さが7 - 10センチメートル (cm) ほどある舟の形のような裂片(心皮)の縁辺に、まだ緑色のエンドウマメくらいの小球状の種子を1 - 5個ほど付ける[3]種子は球形で径4 - 6ミリメートル (mm)、のちに黄褐色から茶色に変化し、表面に皺があり硬い[2][3]

人間との関わり編集

庭木公園樹街路樹にし[3]、材を建具家具楽器などとする。種子は古くは食用にされ、太平洋戦争中には炒ってコーヒーの代用品にした。

栽培は、主に春に発芽前の若枝を長さ30センチメートル (cm) ほどに切って、挿し木して育成される[2]

種子は梧桐子(ごどうし)と呼ばれる生薬として用いられ、胃痛下痢の薬効作用がある[2]。葉は浮腫高血圧コレステロールの低下などの民間薬として用いられ、初夏に採って洗い、陰干ししたものを10 - 15グラムを水500 ccで煎じ、服用する用法が知られている[2]

中国では鳳凰が住む樹とされた[4]伏羲がはじめて桐の木を削って古琴を作ったという伝説がある(ただしアオギリかキリか不明)[5]

中国人の季節感と深い関係があり、七十二候のひとつに「桐始華」(清明初候)がある。またアオギリの葉が色づくのは秋の代表的な景色であり、王昌齢「長信秋詞・其一」に「金井梧桐秋葉黄」の句がある。また白居易長恨歌」には「秋雨梧桐葉落時」という。

中国の伝説ではアオギリの枝には12枚の葉がつくが、閏月のある年には13枚つくといわれた[6]

アオギリ属編集

アオギリ属(アオギリぞく、学名: Firmiana)は、アオイ科の一つ。

脚注編集

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  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Firmiana simplex (L.) W.F.Wight”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2014年1月26日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 馬場篤 1996, p. 9.
  3. ^ a b c d 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2012, p. 117.
  4. ^ 詩経』大雅・巻阿に「鳳凰鳴矣、于彼高岡。梧桐生矣、于彼朝陽。」とある。また『荘子』秋水篇に鳳凰は梧桐の木にしかとまらないと言う。
  5. ^ 太平御覧』巻579・琴下。「『琴書』曰昔者至人伏羲氏王天下也(中略)削桐為琴。」
  6. ^ 埤雅』巻14・釈木・桐。「旧説、梧桐以知日月正閏。生十二葉、一辺有六葉。従下敷一葉為一月。有閏則生十三葉。視葉小者、則知閏何月。不生、則九州異君。」

参考文献編集

  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『草木の種子と果実』誠文堂新光社〈ネイチャーウォッチングガイドブック〉、2012年9月28日、117頁。ISBN 978-4-416-71219-1
  • 茂木透写真『樹に咲く花 離弁花2』高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、554頁。ISBN 4-635-07004-2
  • 多田多恵子『身近な草木の実とタネハンドブック』文一総合出版、2010年、35頁。ISBN 978-4-8299-1075-7
  • 馬場篤『薬草500種-栽培から効用まで』大貫茂(写真)、誠文堂新光社、1996年9月27日、9頁。ISBN 4-416-49618-4

関連項目編集

外部リンク編集