アサバスカ滝(Athabasca Falls)とは、北アメリカ大陸北部を流れるアサバスカ川に存在する、瀑布である。なお、アサバスカ滝も含めた周辺地域は、ジャスパー国立公園に指定されている。

概要 編集

 
アサバスカ滝を少し下流側から見た写真。周辺の岩盤を浸食している様子。

アサバスカ滝は、カナダアルバータ州ジャスパーから、南に約30kmの場所に存在する。なお、この付近でアサバスカ川はおおむね北の方向に流れているため、ジャスパーから見て、アサバスカ川の約30km上流にアサバスカ滝が存在すると換言することもできる。この滝は、落差約24m、幅約18mの大きさである [1] 。 また、水量が豊富であることでも知られ、このため、たとえ寒波が来たとしても、滝の水量こそ減少する傾向にあるものの、滝全体が凍り付いてしまうようなことは起こらない。ところで、この滝よりも下流は固い珪岩でできている一方で、滝は石灰岩でできた場所を流れ落ちている。つまり、滝の上と下とで岩盤の組成が大きく変わっているのである。石灰岩は珪岩と比べると柔らかく、また石灰岩は化学的にも浸食されやすいため、石灰岩の部分は、滝によって徐々に浸食されていっている。

交通・観光 編集

アサバスカ滝へは、カナダのアルバータ州の高速道路93号線のアイスフィールド高速道路英語版に存在する支線である、93A号線を利用すれば来ることができる。93A号線は、ジャスパーの町の近郊から、この滝のすぐ北東に存在している駐車場までつながっている [注釈 1] 。そこからは歩く必要があるものの、滝の周辺はある程度整備されていて、安全に滝を見学したり、滝の写真を撮ったり、滝の周辺を散策したりできるようになっている。ところで、既述のようにアサバスカ滝はアサバスカ川の存在する滝であり、このアサバスカ川はジャスパー近郊へと流れている。これを利用して、この滝の直下からジャスパーまでの約30kmをカヌーなどで降る者もしばしば見られる。

注釈 編集

  1. ^ アイスフィールド高速道路(Icefields Parkway)とは、カナダのアルバータ州の高速道路93号線である。アルバータ州のレイク・ルイーズと、同じくアルバータ州のジャスパーとを結ぶ道路。そして、このアイスフィールド高速道路(93号線)のジャスパー付近には、93A号線という支線が存在している。アサバスカ川の主に北岸を通る本線の93号線と並走する支線として、アサバスカ川の主に南岸に93A号線が存在していて、こちらはジャスパーの南部への通勤や、ジャスパー南部の生活道路として使われている。そして、この93A号線からは、さらに南方に伸びている支線が複数存在していて、アサバスカ滝につながっているのは、こちらの支線の1つである。この93A号線から南へ伸びている支線は、ジャスパー国立公園内の観光名所へ向かうための観光用道路であり、各々の観光名所付近で行き止まりとなっている。なお、本線の93号線とは違って、この観光用の支線は道幅が狭い上に未舗装となっている。このため、本線の93号線の制限速度が概ね90km/hであるのに対し、観光用の支線の制限速度は概ね60km/hとなっている。ちなみに、この観光用の支線の道端は植物が生い茂っているために、この道路から付近に生息する動物などを見るのは難しい。

出典 編集

  1. ^ Waterfalls of the Pacific Northwest. "Athabasca Falls[リンク切れ]" 2007年06月27日閲覧