アシュール文化
概要編集
フランス・アミアンのサン・タシュール遺跡を標式遺跡とし、約170万~160万年前にアフリカ大陸で出現。その後、アジアやヨーロッパなど広範囲に広まった[1]。アシュール文化における斧などの道具は、アフリカや西アジア、南アジアや東アジア、ヨーロッパなどの大部分で前期旧石器時代に生産され、ホモ・エレクトスの遺跡でよく見られる。アシュール文化は、ホモ・ハビリスに関連するより原始的なオルドワン石器技術から派生して、約176万年前に最初に開発されたと考えられている[2]。アシュール文化には、少なくとも中期旧石器時代の初期の部分が含まれるが、その終わりは明確に定義されておらず、サンゴアンが含まれているかどうかによっては、13万年前まで続いていた可能性がある。ヨーロッパと西アジアでは、初期のネアンデルタール人がアシュール文化を採用し、約16万年前にムスティエ文化に移行した。この文化では、クー・ド・ポワン(握斧)のほか、クリーバーや削器、手用尖頭器などの、剥片石器・狩猟用投玉が使用されていた[1]。
脚注編集
- ^ a b “アシュール文化(アシュールぶんか)” (日本語). 山川出版社 ヒストリスト[Historist]. 2020年10月30日閲覧。
- ^ Wood, B, 2005, p87.