アダムとイヴ (デューラーの絵画)

アダムとイヴ(Adam and Eve)は、ドイツのルネサンス画家アルブレヒト・デューラーによって油彩で描かれた一対の板絵。現在、マドリードプラド美術館に所蔵されている。

『アダムとイヴ』
Albrecht Dürer - Adam and Eve (Prado) 2.jpg
作者アルブレヒト・デューラー
製作年1507年
寸法209 cm × 81 cm (82 in × 32 in)
所蔵プラド美術館
『アダムとイヴ』版画 (1504年)

概要編集

アダムの左手とイヴの右手が二枚の板を連繋させており、2枚で一つの作品ということを物語っている。アルプス北部においては最初期の等身大の裸体画である。知恵の樹の実はまだ食されておらず、アダムとイヴは罪を知らないような表情をしている。一方、黒一色の背景が人物の体を明瞭に浮かび上がらせると共に、エデンの園の生活の永続性が崩れ時間が動き出しつつあることを予感させており、全人類の始祖としてのアダムとイヴの歴史と物語を感じさせる作りとなっている[1]

デュ―ラーは1504年に同主題の版画を制作しているが、画家が二度目のヴェネツィア滞在時の後に描かれた、この対の油彩画で人体表現は異なっている。油彩画では『アダム』も『イヴ』も等身大で、かつイタリア絵画のような理想的身体として描かれている。『イヴ』の画面の左端中央下の枝には、デュ―ラーのサイン入りの札がかかっており、聖母キリストを生んでから1507年後にこの両作品を描いたことが記されている。これは、原罪を逃れた最初で唯一の女性である聖母を本作に結び付けていることを意味する[2]

『アダム』と『イヴ』は、16世紀の終わりにニュルンベルクの市庁舎から神聖ローマ皇帝ルドルフ2世に献上され、プラハ城に置かれていたがスウェーデン軍に略奪された。後にスウェーデン女王クリスティーナからスペインのフェリペ4世に贈られて、スペインの王室コレクションに入った[2]

出典編集

  1. ^ 高木昌史『聖書と西洋美術 神話・伝承から生まれた名作』(三弥井書店、2018年)25ページ ISBN 978-4838233380
  2. ^ a b プラド美術館ガイドブック、2009年刊行、406-407項参照 ISBN 978-84-8480-189-4 2021年4月27日閲覧