アトラク=ナクア (架空の神)

クトゥルフ神話の神格

アトラク=ナクア(Atlach-Nacha:アトラック=ナチャ、アトラク=ナチャ、アトラナート)は、創作神話クトゥルフ神話に登場する架空の神。蜘蛛の神で、ツァトゥグァと共に幽閉された。ン・カイの中、もしくは下に住み、広大な深淵に巨大な巣を張りつつ、無限の幽閉期間を送っている。

人間と同じくらいの大きさのクモで、昆虫の器官を多数持っている。真紅の目を持ち、体は黒檀色の毛で覆われ丸太のような脚を持ち、甲高い声を出すとされる。いつ、どこで生まれたのかは定かではない。全てのクモを支配するものとされているが、その説は迷信らしい。自分の作業を邪魔されることを極端に嫌う。なぜ深淵の谷間に巣を張るのか、目的は不明。一説には巣が完成した時が世界の終焉の時だという。

登場作品はクラーク・アシュトン・スミス七つの呪い』。

眷属編集

チィトカア(Tch'tkaa)編集

レッサー・オールド・ワン。蜘蛛神アトラク=ナクアの従者である「灰色の織り手」どもの長。ヴーアミタドレスの地下で、配下の一族と共にアトラク=ナクアに仕えている。

登場作品はリン・カーター深淵への降下』、アン・K・シュウェーダー『灰色の織り手の物語(断章)』(共に新紀元社『エイボンの書』)。

灰色の織り手(はいいろのおりて、Gray Weavers)編集

蜘蛛神アトラク=ナクアに仕える多足の種族。ツァトゥグァのためにアトラク=ナクアがサイクラノーシュから渡って来た際、つき従った。長はチィトカアで、彼等は「チィトカアの信徒」と呼ばれるとされている[1]が、原文は"fellows of Tch'tkaa"[2](チィトカアの同胞らよ!)となっている。

レンの蜘蛛編集

ドリームランドに棲息する、紫色の大蜘蛛。名前のレンは、レン高原のこと。ラヴクラフトの『未知なるカダスを夢に求めて』に登場した生物であり、後にクトゥルフ神話に取り込まれてアトラク=ナクアの眷属とされた。

日本におけるアトラク=ナクア編集

高橋葉介が、『夢幻紳士』怪奇編に、蜘蛛の怪異をテーマとした短編『蜘蛛』を発表した。この作品中では、新種の大蜘蛛の名前としてアトラク=ナクアが用いられている。蜘蛛のホラーということで名前を流用しただけであるが、日本での代表的な起用例の一つである。

アリスソフトは1997年にアダルトゲームアトラク=ナクア』を発表する。こちらも名前の流用が主眼であって、内容はクトゥルフ神話を目的としてはいない。しかし主人公である「比良坂初音(ひらさか はつね)」のキャラクターは日本のクトゥルフ作品におけるアトラク=ナクアの造形に大きな影響を与えており、『ANGEL FOYSON』『怪物王女』『這いよれ! ニャル子さん』などで擬人化されたアトラク=ナクアは、セーラー服を纏った長い黒髪の古風な美少女という、比良坂初音に対するオマージュ的なデザインとなっている。

脚注編集

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注釈編集

出典編集

  1. ^ アン・K・シュウェーダー『灰色の織り手の物語(断章)』「エイボンの書」(新紀元社)
  2. ^ 『Rede of the Gray Weavers』「THE BOOK OF EIBON」ISBN 156882193X 所収

関連項目編集