1996年アトランタオリンピックの野球競技・キューバ代表

1996年アトランタオリンピックの野球競技・キューバ代表(1996ねんアトランタオリンピックのやきゅうきょうぎ キューバだいひょう)は、1996年7月20日から8月2日までアメリカ合衆国アトランタ市内にあるアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアムで開催されたアトランタオリンピックの野球競技に出場した野球キューバ代表である。

獲得メダル
男子 野球
 キューバ
オリンピック
1996 野球

ヘルマン・メサオーランド・ヘルナンデスホルヘ・トカの3人が「亡命の恐れあり」と見られて代表チームから外され、警戒されていたにもかかわらず[1]、エースとして活躍が期待されていたローランド・アローホは大会直前に亡命を果たした。

前大会より20以上も上回る総得点118点と圧倒的な打撃力を見せつけた。予選ラウンドの対アメリカ合衆国戦ではオマール・ルイスが初回先頭打者に死球を与えて場内ブーイングの嵐の中で試合が開始され、両チームが頭や顔面スレスレの投球を投げ合う応酬合戦が行われた。9本の本塁打が飛び交う激しい打ち合いの末に8-10でキューバが空中戦を制した[2]。決勝戦の対日本戦では2回までに6点のリードを奪うも、6回に松中信彦の5号満塁本塁打で追い付かれる展開となったが、最終的には13-9で打撃戦を制した。1992年バルセロナに続き、2大会連続の9試合全勝で金メダルを獲得した。

試合結果 編集

金メダル(大会通算成績:9勝0敗)

予選リーグ 編集

  • 7月20日 ゲーム2、試合開始時刻:15:00
  オーストラリア(1敗) 8 - 19(8回コールド)   キューバ(1勝)
  1 2 3 4 5 6 7 8 R H E
キューバ 2 0 3 3 0 8 0 3 19 20 2
オーストラリア 0 4 0 4 0 0 0 0 8 12 5
  1. モンテス(1勝)  マイケル中村(1敗)  Sコントレラス(1S)  
  • 7月21日 ゲーム5、試合開始時刻:20:00
  キューバ(2勝) 8 - 7(延長10回)   日本(1勝1敗)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R H E
日本 0 1 0 0 1 4 0 0 0 1 7 6 0
キューバ 3 3 0 0 0 0 0 0 0 2 8 12 1
  1. ルイス(1勝)  森中(1敗)  
  • 7月23日 ゲーム9、試合開始時刻:10:00
  キューバ(3勝) 18 - 2(7回コールド)   オランダ(1勝2敗)
  1 2 3 4 5 6 7 R H E
オランダ 0 1 0 0 0 1 0 2 4 0
キューバ 2 0 2 1 6 7 - 18 17 0
  1. :ルイス(2勝)  カレンバッハ(1敗)  
  • 7月24日 ゲーム13、試合開始時刻:20:00
  韓国(4敗) 11 - 14   キューバ(4勝)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
キューバ 0 1 1 4 0 3 2 3 0 14 20 0
韓国 0 0 0 2 0 3 1 0 5 11 17 2
  1. ロメロ(1勝)  全勝男(1敗)  Sフメロ(1S)  
  • 7月27日 ゲーム18、試合開始時刻:15:00
  キューバ(5勝) 20 - 6(7回コールド)   イタリア(2勝3敗)
  1 2 3 4 5 6 7 R H E
イタリア 0 0 0 0 4 0 2 6 11 7
キューバ 0 4 5 5 4 2 - 20 19 0
  1. :フメロ(1勝1S)  マジン(1敗)  
  • 7月28日 ゲーム21、試合開始時刻:15:00
  アメリカ合衆国(5勝1敗) 8 - 10   キューバ(6勝)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
キューバ 4 0 0 0 0 6 0 0 0 10 13 0
アメリカ合衆国 1 0 0 0 1 0 3 2 1 8 13 2
  1. :ルイス(3勝)  コッチ(1敗)  Sラソ(1S)  
  • 7月29日 ゲーム24、試合開始時刻:15:00
  キューバ(7勝) 8 - 7   ニカラグア(4勝3敗)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニカラグア 1 0 3 1 2 0 0 0 0 7 13 1
キューバ 0 2 2 1 2 0 0 1 - 8 12 1
  1. :ラソ(1勝1S)  コレア(1勝2敗)  

準決勝 編集

  • 8月1日 試合開始時刻:14:00
  キューバ(8勝) 8 - 1   ニカラグア(4勝4敗)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニカラグア 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 6 2
キューバ 0 0 0 3 0 3 0 2 - 8 14 2
  1. :ロメロ(2勝)  フローレス(1勝2敗)  Sアヘテ(1S)  

決勝 編集

  • 8月2日 試合開始時刻:19:00
  キューバ(9勝) 13 - 9   日本(5勝4敗)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
日本 0 0 0 1 5 0 1 0 2 9 9 0
キューバ 3 3 0 0 0 4 1 2 - 13 14 0
  1. :ラソ(2勝1S)  木村(2勝1敗)  

出場選手 編集

☆はバルセロナオリンピックに出場。○はシドニーオリンピックに出場。

野手スタメンまたは途中出場の試合数、投手先発またはリリーフ登板の試合数を記載。

ポジション 背番号 氏名 所属球団 備考 起用法
監督 15 ホルヘ・フエンテス --- -- --
投手 19 オルマリ・ロメロ アビスパス・デ・サンティアゴ・デ・クーバ 先×2、リ×1
23 オマール・ルイス ガナデロス・デ・カマグエイ 先×3、リ×1
31 オマール・アヘテ ベゲーロス・デ・ピナール・デル・リオ ☆○ リ×3
33 ペドロ・ラソ ベゲーロス・デ・ピナール・デル・リオ 先×1、リ×3
38 エリーセル・モンテス ナランハス・デ・ビジャ・クララ 先×2、リ×3
52 ホセ・コントレラス ベゲーロス・デ・ピナール・デル・リオ リ×3
69 ホルヘ・フメロ レオネス・デ・インダストリアレス 先×1、リ×1
捕手 2 アルベルト・エルナンデス サブエソス・デ・オルギン ス×2
45 フアン・マンリケ ココドゥリロス・デ・マタンサス ス×7
内野手 4 エドゥアルド・パレ ナランハス・デ・ビジャ・クララ ス×9
10 オマール・リナレス ベゲーロス・デ・ピナール・デル・リオ ☆○ ス×9
12 フアン・パディーヤ レオネス・デ・インダストリアレス 途×5
20 ラサロ・バルガス レオネス・デ・インダストリアレス ス×8、途×1
25 アントニオ・エスクル レオネス・デ・インダストリアレス ス×1、途×2
46 オレステス・キンデラン アビスパス・デ・サンティアーゴ・デ・クーバ ☆○ ス×9
47 アントニオ・パチェコ アビスパス・デ・サンティアーゴ・デ・クーバ ☆○ ス×9
外野手 1 ルイス・ウラシア ガナデロス・デ・カマグエイ ☆○ ス×6
11 レイ・イサーク アビスパス・デ・サンティアーゴ・デ・クーバ ス×4
18 ミゲル・カルデス ガナデロス・デ・カマグエイ ス×8、途×1
24 ホセ・エストラーダ ココドゥリロス・デ・マタンサス ス×9

脚注 編集

  1. ^ 鉄矢多美子. 熱球伝説―キューバリナレスを育てた野球王国. 岩波書店. p. 167 
  2. ^ 鉄矢多美子. 熱球伝説―キューバリナレスを育てた野球王国. 岩波書店. p. 98 

外部リンク 編集