アドリアン・マナリノ
アドリアン・マナリノ(Adrian Mannarino、 1988年6月29日 - )は、フランス・ヴァル=ドワーズ県・ソワジー=スー=モンモランシー出身の男子プロテニス選手。ATPランキング自己最高位はシングルス22位、ダブルス73位。これまでにATPツアーでシングルス2勝を挙げている。身長180cm、体重79kg。左利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。
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![]() 2019年全仏オープンでのアドリアン・マナリノ | ||||
基本情報 | ||||
国籍 |
![]() | |||
出身地 | 同・ソワジー=スー=モンモランシー | |||
生年月日 | 1988年6月29日(34歳) | |||
身長 | 180cm | |||
体重 | 79kg | |||
利き手 | 左 | |||
バックハンド | 両手打ち | |||
ツアー経歴 | ||||
デビュー年 | 2004年 | |||
ツアー通算 | 2勝 | |||
シングルス | 2勝 | |||
ダブルス | 0勝 | |||
生涯獲得賞金 | 9,620,632 アメリカ合衆国ドル | |||
4大大会最高成績・シングルス | ||||
全豪 | 4回戦(2022) | |||
全仏 | 2回戦(2014・16・19) | |||
全英 | 4回戦(2013・17・18) | |||
全米 | 3回戦(2013・14・17・20) | |||
4大大会最高成績・ダブルス | ||||
全豪 | ベスト4(2016) | |||
全仏 | 2回戦(2017・20・22) | |||
全英 | 1回戦(2015-17・22) | |||
全米 | 3回戦(2022) | |||
キャリア自己最高ランキング | ||||
シングルス | 22位(2018年3月19日) | |||
ダブルス | 73位(2016年5月2日) | |||
2023年2月2日現在 |
選手経歴編集
ジュニア時代編集
マナリノはテニスコーチである父フローレントと母アニーの元で生まれて、5歳からテニスを始めた。幼少期には同じ左利きであり、世界ランキング1位を記録したマルセロ・リオスからマナリノのテニスは称賛された。2004年にプロ転向。
2013年 グランドスラム4回戦進出編集
2013年ウィンブルドン選手権男子シングルスでは自身初めてグランドスラムの4回戦に進出。4回戦でルカシュ・クボットに6-4, 3-6, 6-3, 3-6, 4-6で敗れ、ベスト8はならなかった。年間最終ランキングは59位。2014年の年間最終ランキングは44位。
2015年 ツアー初の決勝進出編集
2015年はハイネケン・オープンとコロンビア・オープンの2大会で準優勝し、7月27日付のランキングで自己最高の27位を記録した。年間最終ランキングは47位。
2016年 全豪ダブルスベスト4編集
2016年全豪オープン男子ダブルスではリュカ・プイユと組んで出場。2回戦で前回優勝ペアのボレッリ/フォニーニ組を7-6(5), 6-4で破ると、準々決勝では第1シードのロイヤー/テカウ組を7-6(5), 6-7(2), 6-4で破り、準決勝進出を果たす。準決勝では優勝したJ・マリー/ソアレス組に3-6, 1-6で敗れた。年間最終ランキングは60位。
2017年 マスターズベスト8編集
2017年はATPツアーで2回決勝に進出するも、アンタルヤ・オープンでは杉田祐一、楽天ジャパン・オープンではダビド・ゴファンに敗れていずれも準優勝となった。年間最終ランキングは28位。
2018年 トップ25入り編集
2018年はアンタルヤ・オープンで2年連続で決勝進出を果たすも、決勝はダミル・ジュムールに敗れて2年連続の準優勝となった。年間最終ランキングは42位。
2019年 ツアー初優勝編集
2019年のリベマ・オープンでは、決勝でジョーダン・トンプソンを7-6(7), 6-3で破り、7回目の決勝で悲願のATPツアー初優勝を飾った。年間最終ランキングは43位。
2020年 ツアー9度目の決勝進出編集
全豪オープンでは1回戦で第5シードのドミニク・ティームに3-6, 5-7, 2-6のストレートで初戦敗退。3月のモンテレイ・チャレンジャーでは決勝でアレクサンダル・ブキッチを6-1, 6-3のストレートで勝利し、ATPチャレンジャーツアー14回目の優勝を挙げた。新型コロナウイルス感染症の世界的流行によりツアーが中断。
ツアー再開後の全米オープンでは第32シードとして出場して、3回戦で第5シードのアレクサンダー・ズベレフに敗れた。全仏オープンでは1回戦でアルベルト・ラモス=ビノラスに4-6, 3-6, 0-6のストレートで初戦敗退するも、11月のアスタナ・オープンでは自身9度目のツアー決勝進出。決勝でジョン・ミルマンに5-7, 1-6のストレートで敗れ、ツアー9度目の準優勝。年間最終ランキングは35位。
2021年 マスターズダブルスベスト8編集
全豪オープンでは第32シードとして出場して、3回戦で第6シードのアレクサンダー・ズベレフに3-6, 3-6, 1-6のストレートで敗れた。ローマ・マスターズでは同胞のブノワ・ペールと組み、準々決勝でニコラ・メクティッチ/マテ・パビッチ組に4-6, 2-6で敗れた。全仏オープンではアルヤジ・ベデネに5-7, 6-3, 5-7, 2-6で初戦敗退。マヨルカ・オープンではベスト4入り。準決勝でサム・クエリーに4-6, 3-6のストレートで敗れた。ウィンブルドン選手権では1回戦で第6シードのロジャー・フェデラー戦の第5セットを直前に途中棄権。全米オープンでは2回戦でステファノス・チチパスに敗れた。年間最終ランキングは71位。
2022年 ツアー2勝目編集
全豪オープンでは第10シードのフベルト・フルカチュを2回戦で6-4, 6-2, 6-3のストレートで破り、3回戦では昨年ベスト4入りをした第18シードのアスラン・カラツェフを破り、4回戦進出を果たす。4回戦では第6シードのラファエル・ナダルと対戦し6-7(14),2-6,2-6で敗れた。BNPパリバ・オープンでは1回戦でブランドン・ナカシマに2-6, 6-7(4)で初戦敗退。マイアミ・オープンではニック・キリオスに6-7(3), 3-6で初戦敗退。全仏オープンでは1回戦でフェデリコ・デルボニスに1-6, 6-7(1), 2-6のストレートで敗れた。ウィンブルドン選手権では2回戦でトミー・ポールに2-6, 4-6, 1-6のストレートで敗退。ウィンストン・セーラム・オープンでは決勝でラスロ・ジェレを7-6(1), 6-4のストレートで破り、3年ぶりのツアー優勝を果たして、ツアー2勝目を挙げた。全米オープンではハリス・ブラアワーに3-6, 4-6, 4-6のストレートで初戦敗退。年間最終ランキングは46位。
プレースタイル編集
派手さはないが、低い弾道で、丁寧で堅実なグランドストロークを得意とする確実性が高いバランス型ベースライナー。左利きであり、サーブはワイド側に放ち、ネットダッシュをして、ボレーで決めることも多い。
芝コートでの勝利が高く、ウィンブルドン選手権でも4回戦(ベスト16)進出を3度もしている。反対に全仏オープン2回戦、ローマ・マスターズでも1回戦が最高成績となっており、クレーコートは苦手としている。
ATPツアーでも6度も準優勝(2019年現在)しており、2019年ロスマーレン・グラスコート選手権では7度目の挑戦で悲願のツアー初優勝を遂げた。
その堅実なプレースタイルからかマリン・チリッチ、ミロシュ・ラオニッチ、スタン・ワウリンカ、アンドレイ・ルブレフ、ステファノス・チチパス、ドミニク・ティエム、ジョー・ウィルフリード・ツォンガたちのようなトップ10選手に勝利したことがあり、トップ10選手を撃破するほどのポテンシャルは持っている。
ラケットはバボラピュアアエロ、シューズはナイキをプロ転向時から一貫して使用し続けている。ウェアはナイキを長年使用していたが、2019年からはハイドロゲンを着用していた。2022年からはウェアの契約を結んでいない模様。
ATPツアー決勝進出結果編集
シングルス: 11回 (2勝9敗)編集
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結果 | No. | 決勝日 | 大会 | サーフェス | 対戦相手 | スコア |
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準優勝 | 1. | 2015年1月11日 | オークランド | ハード | イジー・ベセリー | 3–6, 2–6 |
準優勝 | 2. | 2015年7月26日 | ボゴタ | ハード | バーナード・トミック | 1–6, 6–3, 2–6 |
準優勝 | 3. | 2017年7月1日 | アンタルヤ | 芝 | 杉田祐一 | 1–6, 6–7(4–7) |
準優勝 | 4. | 2017年10月8日 | 東京 | ハード | ダビド・ゴファン | 3–6, 5–7 |
準優勝 | 5. | 2018年6月30日 | アンタルヤ | 芝 | ダミル・ジュムール | 1–6, 6–1, 1–6 |
準優勝 | 6. | 2018年10月21日 | モスクワ | ハード (室内) | カレン・ハチャノフ | 2–6, 2–6 |
優勝 | 1. | 2019年6月16日 | スヘルトーヘンボス | 芝 | ジョーダン・トンプソン | 7–6(9–7), 6–3 |
準優勝 | 7. | 2019年9月29日 | 珠海 | ハード | アレックス・デミノー | 6–7(4–7), 4–6 |
準優勝 | 8. | 2019年10月20日 | モスクワ | ハード (室内) | アンドレイ・ルブレフ | 4–6, 0–6 |
準優勝 | 9. | 2020年11月1日 | ヌルスルタン | ハード (室内) | ジョン・ミルマン | 5–7, 1–6 |
優勝 | 2. | 2022年8月28日 | ウィンストン・セーラム | ハード | ラスロ・ジェレ | 7–6(7–1), 6–4 |
シングルス成績編集
- 略語の説明
W | F | SF | QF | #R | RR | Q# | LQ | A | Z# | PO | G | S | B | NMS | P | NH |
W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.
グランドスラム編集
大会 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 通算成績 |
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全豪オープン | A | A | 1R | A | 2R | 1R | 1R | 2R | 2R | 1R | 1R | 3R | 1R | 1R | 3R | 4R | 10–13 |
全仏オープン | Q1 | 1R | 1R | Q3 | 1R | 1R | 1R | 2R | 1R | 2R | 1R | 1R | 2R | 1R | 1R | 1R | 3–14 |
ウィンブルドン | A | Q1 | 1R | Q3 | 2R | Q1 | 4R | 2R | 2R | 2R | 4R | 4R | 1R | NH | 1R | 2R | 14–11 |
全米オープン | A | Q2 | Q2 | 2R | 1R | Q3 | 3R | 3R | 2R | 1R | 3R | 1R | 1R | 3R | 2R | 1R | 11–12 |
勝–敗 | 0–0 | 0–1 | 0–3 | 1–1 | 2–4 | 0–2 | 5–4 | 5–4 | 3–4 | 2–4 | 5–4 | 5–4 | 1–4 | 2–3 | 3–4 | 4–4 | 38–50 |
大会最高成績編集
大会 | 成績 | 年 |
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ATPファイナルズ | A | 出場なし |
インディアンウェルズ | 4R | 2015 |
マイアミ | 4R | 2015, 2017 |
モンテカルロ | 3R | 2017 |
マドリード | 2R | 2011, 2019 |
ローマ | 1R | 2011, 2015, 2017, 2018, 2020, 2021 |
カナダ | QF | 2017 |
シンシナティ | 3R | 2017, 2019 |
上海 | 1R | 2015, 2017, 2018 |
パリ | 3R | 2020 |
オリンピック | A | 出場なし |
デビスカップ | F | 2018 |
ATPカップ | A | 出場なし |
外部リンク編集
- アドリアン・マナリノ - ATPツアーのプロフィール (英語)
- アドリアン・マナリノ - デビスカップのプロフィール (英語)
- アドリアン・マナリノ - 国際テニス連盟