アブラハム・マプーAbraham Mapu, 1808年 - 1867年)は、リトアニア・ユダヤ人作家。ハスカーラー(ユダヤ啓蒙主義)運動の一環としてヘブライ語で執筆した。聖書に登場する英雄譚、冒険、ロマンチックな恋愛などを盛り込んだ彼の小説は、シオニスト運動の勃興にも貢献した[1]

アブラハム・マプー

経歴 編集

1808年カウナスヴィリヤンポレ英語版でユダヤ人の家庭に生まれたマプーは、幼少の頃、父親が教師をしていたヘデルで学んだ。

1825年、結婚。若くして家族を養うことを余儀なくされたマプーは、ユルバルカスラセイネイリトアニア語版ヴィリニュスで、何年ものあいだ、家庭教師をして食いつないでいた。1848年にカウナス男子ギムナジウムの教師となり、経済的な安定を得た。さまざまな町で教師として働くうちに、ハスカーラー運動に参加するようになり、ドイツ語フランス語ロシア語を学んだ。また、地元のラビから贈られた聖書のラテン語訳からラテン語も学んだ。

カウナスに戻ったのち、最初の歴史小説『アハヴァット・シオン』を自費出版した。これは初期のヘブライ語小説のひとつとされている。1830年に書き始めたが、完成したのは1853年のことだった。本の売り上げだけでは生計を立てられなかったため、兄のマティシャフの援助に頼った。1867年、病気のためケーニヒスベルクに移り住み、最後の著書『アモン・ペダゴーグ』を出版。1867年にケーニヒスベルクで死去した。

ヘブライ語小説 編集

  • Ayit Zanua (1858年, The Hypocrite)
  • Ahavat Zion (1853年, 1887年アモノン Amonon により "Prince and Peasant" として英訳)
  1. ^ Patterson, David (2007), “Mapu, Abraham”, Encyclopaedia Judaica 13: 505–507; here p. 506, http://go.galegroup.com/ps/i.do?id=GALE%7CCX2587513220&v=2.1&u=new27191&it=r&p=GVRL&sw=w 2013年8月15日閲覧。