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アメリカの人権と人権政策(アメリカのじんけんとじんけんせいさく)とは、アメリカ合衆国人権に関する実績・政策・状況・問題とその推移を論述するものである。

目次

植民地時代のアメリカ(現在のアメリカの領土内)の人権政策編集

  • 1607年-1890年、先住民の居住地を併合。ヨーロッパからの植民者がアメリカ大陸の原住民を大量に殺害し、土地を収奪して植民地を建設し、アメリカ合衆国建国後はアメリカ国民および植民者が原住民を大量に殺害し、土地を収奪して領土を拡大した。1607年を始期としている意味はイギリスからの植民者が恒久的旧植民地を建設した年度である。
  • 1619年-1865年、奴隷制を実施。奴隷商人がアフリカ大陸から購入した奴隷をアメリカ大陸への植民者とアメリカ合衆国市民が購入し、奴隷労働により生産する農業経済を確立した。独立宣言やアメリカ合衆国憲法で規定された生命・自由に関する規定は奴隷には適用されなかった。

独立戦争 - 先住民との戦争終結までのアメリカの人権政策編集

  • 1787年9月、アメリカ合衆国憲法を制定。アメリカ議会はアメリカ合衆国憲法を採択し、1789年3月憲法は発効した。
  • 1862年7月、奴隷解放法を制定。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、アメリカ合衆国に敵対する南部連合が保有する奴隷を解放する第二押収法を可決した。
  • 1862年9月、奴隷解放を宣言。アメリカ政府(リンカーン大統領・共和党)は、米南部連合国支配地域の奴隷解放を宣言した。
  • 1865年1月、奴隷制廃止の憲法修正条項の制定。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、アメリカ合衆国の全ての州における奴隷制の廃止を規定する憲法修正13条を可決した。
  • 1865年12月、奴隷制廃止の憲法修正条項を批准。アメリカ合衆国に加盟する州のうち、四分の三以上の州がアメリカ合衆国憲法修正13条を批准し発効した。
  • 1865年12月-2007年8月時点、人種差別主義者による暴力。奴隷制度が廃止され、奴隷だった黒人が白人と対等の市民になったことに不満を持つ、白人優越思想を持つ人々は、秘密結社クー・クラックス・クランを設立し、黒人に対する暴行・傷害・殺害、選挙権行使の妨害、居住・就業・学校への入学の妨害、教会・交通機関の利用の妨害などの犯罪行為を繰り返した。それらの行為は1865年の奴隷制度廃止から1800年代後半までの期間、1900年代前半から1945年の第二次世界大戦終結までの期間、1945年の第二次世界大戦終結から1864年の公民権法制定までの期間、長期的には減少してきたが、2018年12月現在でも秘密結社の会員数や人種差別思想に基づく犯罪・人権侵害は根絶されてはいない。
  • 1871年、1871年の公民権法を制定。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、アメリカ合衆国連邦法に違反する州法を個人が連邦裁判所に告訴し、連邦法に違反する州内の問題の裁判権を連邦裁判所に移管する権利、公共部門の雇用で人種・皮膚の色・性・宗教・出身国による差別を禁止を規定する、1871年の公民権法(Civil Rights Act of 1871)を可決し、グラント大統領が署名して成立した。1871年の公民権法は、奴隷制度廃止後に白人優越思想を持つ人種差別主義者が、黒人を殺害または黒人に対する殺人以外の犯罪・差別をしても、人種差別思想を持つ白人の警察官・検察官・裁判官・その他の公職者が、白人の黒人に対する犯罪や差別を隠蔽する不問にする正当化する現実があり、そのような行為を未然に予防し、既に行われた犯罪と差別は連邦裁判所への告訴により、問題を解決しようとする目的で作成された。

先住民との戦争終結 - 第二次世界大戦終結までのアメリカの人権政策編集

  • 1876-1964年、人種を分離する法律を制定。奴隷制度が廃止された後も、アメリカの南部の州では、白人と黒人の居住区、学校、職場、病院、鉄道、バス、教会を分離する法律が制定され、1964年の公民権法制定まで継続していた。また、1896年5月に、アメリカ最高裁判所は、「分離すれど平等英語版」の主義のもと、公共施設(特に鉄道)での黒人分離は人種差別に当たらないとし、これを合憲とした判決を出し、1954年のブラウン対教育委員会裁判で最終的に否定されるまで、アメリカの標準的な主義として残った。
  • 1924年7月、移民帰化法に出身国による移民制限を規定。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、移民帰化法に、移民希望者の出身国別受け入れ制限、日本人の移民受け入れ数を0にする、第13条C項の移民制限規定の追加を可決、クーリッジ大統領が署名し成立した。
  • 1938年6月、公正労働基準法の制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、未成年者の雇用を禁止し、超過勤務の時間給を50%増しとする公正労働基準法(Fair Labor Standards Act)を可決し、ルーズベルト大統領が署名して成立した。
  • 1935年8月、1935年の社会保障法を制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、失業保険、退職給付金、障害者保険、死亡保険の給付を規定した1935年の社会保障法(Social Security Act of 1935)を可決し、ルーズベルト大統領(民主党)が署名して成立した。
  • 1935年8月、1935年の連邦保険拠出法税を制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、1935年の社会保障法の財源として、雇用主と被雇用者に課税する1935年の連邦保険拠出法税(Federal Insurance Contributions Act Tax of 1935)を可決し、ルーズベルト大統領(民主党)が署名して成立した。
  • 1942年2月-1945年8月、日系市民を強制収容所に収監。アメリカ政府(ルーズベルト大統領・民主党)は、日系アメリカ民を強制収容所へ収監した。また、日系アメリカ人であるフレッド・コレマツが日系アメリカ人の強制収容は違憲と主張し提訴し、裁判で争ったが、アメリカ最高裁判所は、最終的に「日本人のスパイ活動は事実であり、戦時下では軍事上必要な事態である」との言い分のもと1944年12月に違憲ではないとの判断が下った。この判決自体は現在でも覆ってはいないが、2011年にはアメリカ合衆国司法省が公式的に過ちだったことを認めた。更に、合衆国政府としては、1988年にロナルド・レーガン大統領が「市民の自由法(日系アメリカ人補償法)」に署名した際に、強制収容を受けた日系人に対して謝罪を表明している。

第二次世界大戦終結 - 冷戦終結までのアメリカの人権政策編集

  • 1945年11月-1948年12月、軍事裁判で連合国の人道犯罪を無視。アメリカ政府(トルーマン大統領・民主党)は他の連合国政府とともに、ニュルンベルク裁判極東国際軍事裁判では、ドイツや日本が戦争を起こした罪、戦時下の捕虜や民間人の生命や自由を侵害した人道犯罪は訴追し有罪にしたが、アメリカ軍の日本本土空襲広島市への原子爆弾投下長崎市への原子爆弾投下ドレスデン爆撃モンテ・カッシーノ爆撃、ソ連軍のフィンランド侵攻リトアニアラトビアエストニアモルドバへの軍事侵攻と併合、カティンの森事件シベリア抑留、非占領地住民の強制移動、その他の捕虜や民間人の生命や自由を侵害した人道犯罪は不問にした。
  • 1948年12月、集団殺害罪の防止および処罰に関する条約に署名。アメリカ政府(トルーマン大統領・民主党)は、集団殺害罪の防止および処罰に関する条約(Convention on the Prevention and Punishment of the Crime of Genocide)に署名した。
  • 1949年12月、1949年のジュネーヴ諸条約 (1949年)に署名。アメリカ政府(トルーマン大統領・民主党)は、陸上の軍隊の負傷者と病人の条件の改善のためのジュネーブ条約(Geneva Convention for the Amelioration of the Condition of the Wounded and Sick in Armed Forces in the Field)、海上の軍隊の負傷者と病人と遭難者の条件の改善のためのジュネーブ条約(Geneva Convention for the Amelioration of the Condition of Wounded, Sick and Shipwrecked Members of Armed Forces at Sea)、戦争捕虜の取り扱いに関するジュネーブ条約(Geneva Convention relative to the Treatment of Prisoners of War)、戦争時の民間人の保護に関するジュネーブ条約(Geneva Convention relative to the Protection of Civilian Persons in Time of War)に署名した。
  • 1951年6月、難民の地位に関する条約に未署名。国連総会は難民の地位に関する条約(Convention relating to the Status of Refugees)を採択した。アメリカ政府(採択時から歴代の大統領は、トルーマン・民主党、アイゼンハワー・共和党、ケネディ・民主党、ジョンソン・民主党、ニクソン・共和党、フォード・共和党、カーター・民主党、レーガン・共和党、ブッシュ・共和党、クリントン・民主党、ブッシュ・共和党、オバマ大統領・民主党、トランプ大統領・共和党)は、2018年11月時点で未署名である。
  • 1954年5月、公立学校における学生の人種分離の違憲判決。アメリカ最高裁判所は、公立学校における学生の人種分離は、分離した施設が本質的に不平等なため、アメリカ合衆国憲法修正第14条に定める「平等保護条項」(Equal Protection Clause)に違反するとして、違憲判決を下した。この判決により、法律上の人種差別は、アメリカ合衆国憲法修正第14条(法の下における平等保護条項)に違反するとの判例が確立され、1896年のプレッシー対ファーガソン裁判における「分離すれど平等」という先例を覆し、少なくとも法律上の差別(de jure segregation)は解消された。
  • 1955年8月、ジュネーブ条約を批准。アメリカ議会上院(民主党が多数派)は、陸上の軍隊の負傷者と病人の条件の改善のためのジュネーブ条約(Geneva Convention for the Amelioration of the Condition of the Wounded and Sick in Armed Forces in the Field)、海上の軍隊の負傷者と病人と遭難者の条件の改善のためのジュネーブ条約(Geneva Convention for the Amelioration of the Condition of Wounded, Sick and Shipwrecked Members of Armed Forces at Sea)、戦争捕虜の取り扱いに関するジュネーブ条約(Geneva Convention relative to the Treatment of Prisoners of War)、戦争時の民間人の保護に関するジュネーブ条約(Geneva Convention relative to the Protection of Civilian Persons in Time of War)を批准した。
  • 1956年11月、公共交通機関における人種差別の違憲判決。アメリカ最高裁判所は、公共交通機関における人種隔離を定めたアラバマ州法とモンゴメリー市条例に対して、アメリカ合衆国憲法修正第14条に定める「平等保護条項」(Equal Protection Clause)に違反するとして、違憲判決を下した。この判決により、公共交通機関における人種差別を禁止することになる。更には、この判決を得るきっかけとなった黒人のバス・ボイコット運動の成功により、キング牧師はこれを契機として、全米各地での公民権運動を指導、非暴力直接行動市民的不服従をかかげ、1963年8月28日、ワシントン大行進で25万人を集めた抗議集会を開催。アメリカの黒人運動は最高潮に達し、1964年の公民権法成立につながった。
  • 1963年6月、同一給与法の制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、同一の質と量の労働に対して性別による差別を禁止する、同一給与法(Equal Pay Act of 1963)を制定し、ケネディ大統領(民主党)が署名して成立した。
  • 1964年7月、1964年の公民権法を制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、人種、皮膚の色、宗教、出身地、家族・家庭・家系などの本人の素質・努力・能力の範囲外の、出生時に決定される社会的属性による差別を禁止する、1964年の公民権法(Civil Rights Act of 1964)を可決、ジョンソン大統領(民主党)が署名して成立した。
  • 1965年7月、雇用機会均等委員会を設立 アメリカ政府(ジョンソン大統領・民主党)は、1963年の同一給与法(Equal Pay Act of 1963)、1964年の公民権法(Civil Rights Act of 1964)に基づいて、その後に制定された、1967年の雇用における年齢差別禁止法(Age Discrimination in Employment Act)、1990年のアメリカ障害者法(Americans with Disability Act)も含めて、雇用における差別の予防・解消により雇用機会の均等を推進する、雇用機会均等委員会(Equal Employment Opportunity Commission)を設立した。
  • 1965年7月、1965年の社会保障法の制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、65歳以上の人、身体障害者、特定の病気の患者、自営業の低所得者が加入できる公的医療保険制度(Medicare , Medicaid)、1965年の社会保障法(Social Security Act of 1965)を可決し、ジョンソン大統領(民主党)が署名して成立した。
  • 1966年、アファーマティブ・アクションの制度化。アメリカ政府(ジョンソン大統領・民主党)は、政府の事業の契約者および政府から補助金を受けた機関に対する義務付け、民事裁判による命令、民間法人の自主的な行為として、職場・学校において地域の人種構成比に応じた雇用率・入学率を達成するための計画を義務付ける(アファーマティブ・アクション、社会的・歴史的経緯による差別・機会不均等を積極的に是正する措置)大統領行政命令を公布した。
  • 1966年6月、尋問される容疑者に、黙秘権を行使できること、また弁護士を雇うことができることを忠告しないことに対して違憲判決。アメリカ最高裁判所は、、自己負罪に対するアメリカ合衆国憲法修正第5条の特権は、法を執行する役人が拘留されて尋問される容疑者に、黙秘権を行使できること、また弁護士を雇うことができることを忠告することを要求していると判断し、黙秘権を行使できること、また弁護士を雇うことができることを忠告せず、強要された自白内容を根拠に有罪判決を言い渡すことを違憲と判断した。この判決により、警察は、「ミランダ警告」として知られる告知を逮捕時に行うことを義務付けた。
  • 1966年9月、人種差別撤廃条約に署名。アメリカ政府(ジョンソン大統領・民主党)は、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(ICERD)に署名した。
  • 1966年12月、自由権規約の第1選択議定書に未署名。国連総会は市民的・政治的権利に関する国際規約の選択議定書(ICCPR-OP1)を採択した。アメリカ政府は、大統領が民主党でも共和党でも、2018年12月時点で署名していない。
  • 1967年6月、ヴァージニア州の異人種間結婚を禁じる法律の違憲判決。アメリカ最高裁判所は、1883年のペイス対アラバマ州の判決を覆して、ヴァージニア州の反異人種間混交法である1924年人種統合法について、アメリカ合衆国憲法修正第14条の平等保護条項に反していると判断し、違憲と判決した。この判決により、アメリカ合衆国における人種に基づく結婚規定を全て終わらせた。
  • 1967年10月、雇用における年齢差別禁止法を制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、40歳以上の人に対する雇用、給与、一時解雇、差別、仕事の制限、定年退職制度を禁止する、年齢による雇用差別禁止法(Age Discrimination in Employment Act)を可決し、レーガン大統領(共和党)が署名して成立した。
  • 1968年4月、1968年の公民権法を制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、住宅の販売と賃貸に関して、人種、皮膚の色、宗教、出身地、家族・家庭・家系などの本人の素質・努力・能力の範囲外の、出生時に決定される社会的属性による差別を禁止する、1968年の公民権法(Civil Rights Act of 1968)を可決、ジョンソン大統領(民主党)が署名して成立した。
  • 1968年11月、難民条約の議定書に加盟。アメリカ政府(ジョンソン大統領・民主党)は、難民の地位に関する条約の議定書(Protocol relating to the Status of Refugees)に加盟した。
  • 1973年1月、妊娠中絶の合憲判決。アメリカ最高裁判所は、妊娠中絶は妊娠している女性が自分の意志で自由に決定できると判決した。
  • 1975年11月、障害者個人教育法を制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、視力障害、聴覚障害、言語障害、学習障害、精神遅滞、情緒障害、自閉症、外傷性脳損傷、他の健康障害を持つ障害者に対する適切な教育を無料で提供することを規定し、障害児ひとりひとりに対する個別教育計画が教師や親の参加で計画され、計画に基づいて教育が実践されることを義務づけた障害者個人教育法(Individuals with Disabilities Education Act)を可決、フォード大統領(共和党)が署名して成立した。
  • 1975年4月、ジュネーブ条約を批准。アメリカ議会上院(民主党が多数派)は、戦争捕虜の取り扱いに関するジュネーブ条約(Geneva Convention relative to the Treatment of Prisoners of War)を批准した。
  • 1977年6月、ジュネーブ条約の追加議定書に未署名。国連総会は国際的武力紛争の被害者の保護に関するジュネーブ条約の追加議定書(Protocol Additional to the Geneva Conventions and relating to the Protection of Victims of International Armed Conflicts)、国際的でない武力紛争の被害者の保護に関するジュネーブ条約の追加議定書(Protocol Additional to the Geneva Conventions and relating to the Protection of Victims of Non-International Armed Conflicts)を採択した。アメリカ政府は歴代の民主党の大統領も共和党の大統領も署名せず、2007年8月時点で未署名である。
  • 1977年6月、成人女性に対する強姦罪で犯人に死刑を科すことに対して違憲判決。アメリカ最高裁判所は、成人女性に対する強姦罪で犯人に死刑を科すのは過大な刑罰であり、アメリカ合衆国憲法修正第8条により違憲であると判決した。しかし、この後にも子供に対する強姦で死刑を科す法律が存在し、2008年のケネディ対ルイジアナ州事件で、人に対する犯罪は殺人を伴わない全ての場合において死刑が違憲であると判決され、コーカー判決の対象範囲が拡大された。
  • 1977年12月、社会権規約に署名。アメリカ政府(カーター大統領・民主党)は、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(ICESCR)に署名した。アメリカ議会上院(署名時からの歴代の多数派は、署名時1977年12月-1981年1月3日は民主党、1981年1月4日-1987年1月3日は共和党、1987年1月4日-1995年1月3日は民主党、1995年1月4日-2007年1月3日は共和党、2007年1月4日-2009年1月3日は民主党)は、2007年8月時点で未批准である。
  • 1977年12月、自由権規約に署名。アメリカ政府(カーター大統領・民主党)は、市民的・政治的権利に関する国際規約(ICCPR)に署名した。
  • 1978年2月、1978年の外国諜報監視法を制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、アメリカ合衆国を武力で攻撃する可能性がある外国の軍事組織または民間の武装勢力の構成員・協力者に対して、裁判所の令状により通信の傍受を容認する1978年の外国諜報監視法(Foreign Intelligence Surveillance Act of 1978)を可決し、カーター大統領(民主党)が署名して成立した。
  • 1980年7月、女子差別撤廃条約に署名。アメリカ政府(カーター大統領・民主党)は、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(CEDAW)に署名した。アメリカ議会上院(署名時からの歴代の多数派は、署名時-1981年1月3日は民主党、1981年1月4日-1987年1月3日は共和党、1987年1月4日-1995年1月3日は民主党、1995年1月4日-2007年1月3日は共和党、2007年1月4日-2009年1月3日は民主党)は2017年12月時点で、トランプ大統領になっても未批准である。同時点で、こどもの権利条約も未批准である。
  • 1982年7月、ニューヨーク州のポルノ規制の合憲判決。アメリカ最高裁判所は、、児童ポルノは表現の自由を保障したアメリカ合衆国憲法修正第1条が保護する対象に当たらず、猥褻性の有無にかかわらずその頒布を規制することができると判断し、ニューヨーク州のポルノ規制に対して、合憲判決を下した。これにより1984年、アメリカ議会(上院は共和党、下院は民主党が多数派)は猥褻でない児童ポルノにまで頒布規制を拡大した。
  • 1986年10月、移民改革管理法を制定。アメリカ議会(上院は共和党、下院は民主党が多数派)は、移民改革管理法(Immigration Reform and Control Act 2006)、通称シンプソン・マッツォーリ法(Simpson-Mazzoli Act)を可決し、レーガン大統領(共和党)が署名して成立した。移民改革管理法はアメリカへの不法移民・滞在者を減少させるために、不法滞在者を故意に雇用した雇用主に罰金刑を科すとともに、1982年1月以後アメリカに不法に滞在し雇用されている不法滞在者に1年間の恩赦を与え、アメリカの市民権を申請することを可能にした。その結果270万人の不法滞在者が合法滞在者になった。
  • 1988年4月、拷問禁止条約に署名。アメリカ政府(レーガン大統領・共和党)は、拷問・他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約(CAT)に署名した。
  • 1988年10月、1988年の市民の自由法を制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、第二次世界大戦中に強制収容所に収監された日系アメリカ民に対して、被害者一人あたり20000ドルを賠償する、1988年の市民の自由法(Civil Liberties Act of 1988)を可決し、レーガン大統領(共和党)が署名して成立。アメリカ政府は日系人強制収容は自由に対する重大な侵害であったと認め謝罪した。[1]
  • 1988年12月、集団殺害罪の防止および処罰に関する条約を批准。アメリカ議会上院(民主党が多数派)は、集団殺害罪の防止および処罰に関する条約を批准した。
  • 1989年12月、自由権規約第2選択議定書採択(米国未署名)。国連総会は、自由権規約の第2選択議定書(死刑廃止議定書)を採択した。アメリカ政府は、2018年11月時点で未署名である。

冷戦終結 - 現在までのアメリカの人権政策編集

  • 1990年7月、アメリカ障害者法の制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、障害者が社会的・経済的に健常者と同等に社会参加し、機会均等を実現するために、連邦政府、州政府が障害者を差別すること、障害者に対する差別的な政策・社会環境を禁止し、障害者が健常者と同等に、社会の全ての場にアクセス可能な環境整備を義務付けたアメリカ障害者法(Americans with Disability Act)を可決し、ブッシュ大統領(共和党)が署名して成立した。
  • 1990年12月、移住労働者保護条約に未署名。国連総会は全ての移住労働者及びその家族の権利の保護に関する国際条約を採択した。アメリカ政府(採択時から歴代の大統領は、ブッシュ・共和党、クリントン・民主党、ブッシュ・共和党、オバマ・民主党、トランプ・共和党)は、は、2018年11月時点で未署名である。
  • 1992年6月、市民権規約を批准。アメリカ議会上院(民主党が多数派)は、市民的・政治的権利に関する国際規約(ICCPR)を批准した。
  • 1993年2月、育児介護休業法の制定。アメリカ議会(上院・下院ともに民主党が多数派)は、被雇用者が育児や介護のために休暇を取得する権利を規定し、休暇取得者に対する雇用主からの不利益な扱いを禁止し、職場に復帰した時に休職時と同じ待遇を義務付ける、育児介護法休業法(Family and Medical Leave Act of 1993)を可決し、クリントン大統領(民主党)が署名して成立した。
  • 1994年10月、人種差別撤廃条約を批准。アメリカ議会上院(民主党が多数派)は、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(ICERD)を批准した。
  • 1994年10月、拷問等禁止条約を批准。アメリカ議会上院(民主党が多数派)は、拷問・他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約(CAT)を批准した。
  • 1995年2月、児童の権利に関する条約に署名。アメリカ政府(クリントン大統領・民主党)は、児童の権利に関する条約(CRC)に署名した。アメリカ議会上院(多数派は、署名時1995年2月-2007年1月3日は共和党、2007年1月4日-2015年1月3日は民主党、2015年1月4日-2021年1月3日は共和党)は2018年11月時点で未批准である。
  • 1997年8月、納税者の負担軽減の制定。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、納税者に対して、17歳未満の被扶養児童の養育者、住宅購入者、遺産相続者、自営業者、教育のための貯蓄、年金受給者に対する減税を規定した、納税者救済法(Taxpayer Relief Act of 1997)を可決し、クリントン大統領(民主党)が署名して成立した。
  • 1998年7月、国際刑事裁判所条約の採択に反対投票。アメリカ政府(クリントン大統領・民主党)は、国連外交会議で国際刑事裁判所条約(ICC)の採択に反対投票した。
  • 1999年12月、女子差別撤廃条約の選択議定書に未署名。国連総会は女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の選択議定書(CEDAW-OP)を採択した。アメリカ政府(採択時から歴代の大統領は、クリントン・民主党、ブッシュ・共和党、オバマ大統領・民主党、トランプ大統領・共和党)は、2018年11月時点で未署名である。
  • 2000年7月、児童の権利条約の選択議定書に署名。アメリカ政府(クリントン大統領・民主党)は、児童の権利に関する条約の児童の売買等に関する選択議定書(CRC-OP-SC)、児童の権利に関する条約の武力紛争における児童の関与に関する選択議定書(CRC-OP-AC)に署名した。
  • 2000年12月、国際刑事裁判所条約に署名。アメリカ政府(クリントン大統領・民主党)は、国連総会で国際刑事裁判所条約(ICC)の採択に署名した。アメリカ議会上院(署名時-撤回時まで共和党が多数派)は、2002年5月にブッシュ大統領が署名を撤回するまで未批准だった。
  • 2000年12月、国際組織犯罪防止条約に署名。アメリカ政府(クリントン大統領・民主党)は国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(Convention against Transnational Organized Crime)に署名した。
  • 2000年12月、国際組織犯罪防止条約の人身売買の予防と処罰に関する議定書に署名。アメリカ政府(クリントン大統領・民主党)は国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の人身売買、特に女性と児童の人身売買の予防と処罰に関する議定書(Protocol to Prevent, Suppress and Punish Trafficking in Persons, Especially Women and Children,supplementing the United Nations Convention against Transnational Organized Crime)に署名した。
  • 2000年12月、国際組織犯罪防止条約の移住者の密輸に反対する議定書に署名。アメリカ政府(クリントン大統領・民主党)は国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の移住者の密輸に反対する議定書(Protocol against the Smuggling of Migrants by Land, Sea and Air,supplementing the United Nations Convention against Transnational Organized Crime)に署名した。
  • 2001年5月、国際組織犯罪防止条約の武器・部品・弾薬の密売と違法な製造に反対する議定書に未署名。国連総会で国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の武器・部品・弾薬の密売と違法な製造に反対する議定書(Protocol against the Illicit Manufacturing of and Trafficking in Firearms, Their Parts and Components and Ammunition, supplementing the United Nations Convention against Transnational Organized Crime)が採択されたが、アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党、オバマ大統領・民主党、トランプ大統領・共和党)は2018年11月時点で未署名である。
  • 2001年5月、国際刑事裁判所条約から脱退。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、国際刑事裁判所条約(ICC)の署名を撤回した。
  • 2001年10月-現在(継続中)、戦争捕虜を身分不詳の状態で収監。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、アフガニスタン侵攻、イラク侵攻で身柄を拘束した戦争捕虜を、キューバのグアンタナモ基地およびヨーロッパのアメリカ軍基地のどこかに所在する捕虜収容所に、合法性が不明で身分不詳の状態で拘束を続け、捕虜に対する尋問の方法の一部として拷問または拷問に近い方法を実施している。
  • 2002年5月、アファーマティブアクションに合憲判決。アメリカ最高裁判所はミシガン大学法科大学院の入学志願者の選考に関して、社会的マイノリティであることを判断要素の一つとすることを合憲と判決した。
  • 2002年12月、拷問禁止条約の選択議定書に未署名。国連総会は拷問・他の残虐な、非人道的な、品位を傷つける取り扱い、または、刑罰に関する条約の選択議定書(CAT-OP)を採択した。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は、2007年8月時点で未署名である。
  • 2002年12月、児童の権利条約の選択議定書を批准。アメリカ議会上院(共和党が多数派)は、児童の権利に関する条約の児童の売買等に関する選択議定書(CRC-OP-SC)、児童の権利に関する条約の武力紛争における児童の関与に関する選択議定書(CRC-OP-AC)を批准した。
  • 2003年6月、テキサス州の同性愛者による性行為およびオーラルセックスを禁じた州刑法に対して違憲判決。アメリカ最高裁判所は、同性愛者による性行為およびオーラルセックスを禁じたテキサス州刑法の規定を、プライバシー権と成人の自由を侵害しているため、憲法修正第14条に定める「デュープロセス条項」に反していると判断し、違憲と判決した。
  • 2003年11月、部分的出産中絶禁止法の制定。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、妊娠5-6か月の時期の胎児の頭部に穴を開けて胎児を死亡させる中絶方法を禁止し、この方法で中絶手術を実施した医師に2年以下の禁固の刑罰を科す、部分的出産中絶禁止法(Partial Birth Abortion Ban Act)を可決し、ブッシュ大統領(共和党)が署名して成立した。
  • 2004年12月、障害者個人教育改善法を制定。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、1975年の障害者個人教育法が規定する、様々な障害を持つ児童の個別教育を支援する機能を強化した、障害者個人教育改善法(Individuals with Disabilities Education Improvement Act of 2004)を可決し、ブッシュ大統領(共和党)が署名して成立した。
  • 2005年11月、国際組織犯罪防止条約を批准。アメリカ政府議会上院(共和党が多数派)は国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(Convention against Transnational Organized Crime)を批准した。
  • 2005年11月、国際組織犯罪防止条約の人身売買の予防と処罰に関する議定書を批准。アメリカ議会上院(共和党が多数派)は、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の人身売買、特に女性と児童の人身売買の予防と処罰に関する議定書(Protocol to Prevent, Suppress and Punish Trafficking in Persons, Especially Women and Children,supplementing the United Nations Convention against Transnational Organized Crime)を批准した。
  • 2005年11月、国際組織犯罪防止条約の移住者の密輸に反対する議定書を批准。アメリカ議会上院(共和党が多数派)は、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の移住者の密輸に反対する議定書(Protocol against the Smuggling of Migrants by Land, Sea and Air,supplementing the United Nations Convention against Transnational Organized Crime)を批准した。
  • 2006年6月、戦争捕虜の身分不詳状態での収監に違法判決。アメリカ最高裁判所はアメリカ政府がアフガニスタン、イラクにおける軍事作戦で身柄を拘束した捕虜をキューバのグアンタナモ米軍基地およびヨーロッパのアメリカ軍基地のどこかに所在する捕虜収容所に、合法性が不明で身分不詳の状態で拘束を続けていること、捕虜を軍事法廷で裁くことを、1949年のジュネーブ条約とアメリカ合衆国軍法が規定する被疑者・被告人に対する権利保護を満たしていないので違法であると判決した。
  • 2006年12月、強制失踪防止条約に未署名。国連総会は国家機関や国の許可を得た個人または集団が逮捕・拘禁・拉致などで個人の自由をはく奪する行為を強制失踪として禁止し、組織的で広範な強制的失踪は、人道に対する罪に相当すると規定する禁止条約を採択した。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党、オバマ大統領・民主党、トランプ大統領・共和党)は未署名である。
  • 2007年4月、部分的出産中絶禁止法の合憲判決。アメリカ最高裁判所は、ロー判決やケイシー判決の有効性については判断を避け、部分分娩中絶が常に危険であるとの議会の判断は尊重されるべきであり、本法は女性への過度の負担にはあたらず、これまでの判例によっても憲法に反しないとし、合憲と判決した。
  • 2007年6月、CIAの秘密収容所の発覚。ヨーロッパ各国が参加する欧州評議会(Council of Europe)は、CIAがアフガニスタン戦争イラク戦争で身柄を拘束した、アメリカに対する武力行使の被疑者を、アメリカの国内法およびアメリカが締結している国際法に基づかずに、不法に身柄を拘束する秘密収容所を、2003-2005年にポーランドとルーマニアの米軍施設内に設置していたことを、ポーランドのカチンスキー大統領とルーマニアのバセスク大統領が認めたこと、および、2001年にアメリカと北大西洋条約機構(NATO)がアメリカおよびNATO加盟国に対する武力行使の被疑者を、NATO加盟国の国内法および加盟国が締結している国際法に基づかずに、不法に身柄を拘束する秘密協定を結んでいたと報告した。
  • 2007年8月、2007年の外国諜報監視法を制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、アメリカ合衆国を武力で攻撃する可能性がある外国の軍事組織または民間の武装勢力の構成員・協力者に対して、6か月の期間限定法として、裁判所の令状無しに通信の傍受を容認する外国諜報監視法(Foreign Intelligence Surveillance Act of 2007)を可決し、ブッシュ大統領(共和党)が署名して成立した。
  • 2007年9月、先住民族の権利に関する国際連合宣言に未署名。国連総会は先住民族に対する差別禁止、先住民族の政治的自治権、先住民族の伝統文化の尊重・復興・発展、先住民族が伝統的に所有してきた土地・資源の所有権、先住民族の経済的権利・知的財産権の保護を規定した先住民の権利に関する宣言を採択した。アメリカ政府(ブッシュ大統領・共和党)は採択投票で反対投票した。
  • 2008年6月、ルイジアナ州が子供をレイプする犯罪に死刑を科すことについて違憲判決。アメリカ最高裁判所は、子供をレイプする犯罪に死刑を科しているルイジアナ州に対して、合衆国憲法修正第8条の、残酷で異常な刑罰の禁止条項は、州が子供をレイプする犯罪に死刑を科すことを認めていないと判断し、違憲と判決した。但し、反逆、スパイ活動、テロ犯罪の死刑の可能性を留保した。
  • 2009年7月、障害者権利条約に署名。国連総会は障害者の私的・社会的な自由・平等の権利を保護し、障害者に対するあらゆる差別を禁止し、障害者が健常者と平等な社会参加への支援を包括的に規定する障害者権利条約を2006年12月に採択した。アメリカ政府(オバマ大統領・民主党)はその条約を署名した。アメリカ議会上院(多数派は、署名時2009年7月-2015年1月3日は民主党、2015年1月4日-2021年1月3日は共和党)は2018年11月時点で未批准である。
  • 2010年3月、患者保護並びに医療費負担適正化法(通称 2010年オバマケア法)の制定。アメリカ議会(上院・下院とも民主党が多数派)は、自由診療を基本とする医療制度の下、当時アメリカ国民の約6人に1人が未加入の状況を改善するため、従来の個人が民間の健康保険を購入する枠組みの中で、保険会社に価格が安く購入しやすい保険の提供や既往症などによる保険摘要の差別などの禁止あるいは緩和を課し、その代わり健康保険を購入していない個人には確定申告時に罰金(追加税)を科すことで今まで保険購入をためらっていた階層に購入を促す。また、公的医療保険がカバーする範囲を拡大させた。2010年オバマケア法は可決され、オバマ大統領(民主党)が署名して成立した。
  • 2011年3月、公衆抗議者の過激な活動に対して合憲判決。2006年、イラクで戦死したマシュー・スナイダー海兵隊下士官の葬儀に対して、ウエストボロ・バプティスト教会のフェルプス牧師率いる教会グループは、葬儀場近くでピケをはり、同性愛抗議集会を行った。これに対してアメリカ最高裁判所は、教会側の言葉は、人々に大きな苦痛を与え得るとしながらも、公的問題に関する彼らの表現が完全に保護されていると判断し、合憲と判決した。)[2]
  • 2012年6月、2010年オバマケア法に事実上の合憲判決。アメリカ最高裁判所は、国民の大半に保険加入を義務付けた2010年オバマケア法が憲法に違反するかどうかを問う裁判で政府が国民に保険加入を求める権利を認める判決を言い渡した。事実上の合憲判断であり、2014年にこの法律の施行がされることが確実となった。
  • 2015年6月、同性婚に合憲判決。アメリカ最高裁判所は、同性婚を禁止している州に対して、法の下の平等を保障する合衆国憲法14条などを根拠に、複数の理由から同性婚は認められるべきだと判断し、合憲と判決した。これにより、当時13の州で禁止されていた同性婚が事実上合法化された。
  • 2016年6月、中絶規制のテキサス州法に違憲判決。アメリカ最高裁判所は、2013年に州議会を通過したテキサス州の妊娠制限州法(HB2)に対して、州法は、中絶に関する規制を正当化するに十分な医学上のメリットを与えるものではないと結論づけ、法的に許される中絶手術を受けようとする女性に著しい障害を課すものであり、妊娠中絶に不当な負担を加え、いずれも合衆国憲法に違反するものであると判断し、違憲と判決した。これにより、テキサス州での中絶規制が撤廃された。
  • 2017年12月、2017年税制改革法の制定。アメリカ議会(上院・下院とも共和党が多数派)は、1986年のレーガン政権以来となる大型の税制改革を実施するために制定された。この法律の内容の1つに、65歳以下の全てのアメリカ人に健康保険に加入するか罰金の支払いを要求する個人加入義務の廃止があった。2017年税制改革法は可決され、トランプ大統領(共和党)が署名して成立した。
  • 2018年6月、同性結婚のウェディングケーキを信仰上の理由で拒否したことに対して差別であると判断したコロラド州公民権委員会に違憲判決。コロラド州のケーキ店の店主が、訪れた同性愛者の客が希望したウェディングケーキの制作を、自身の信仰を理由にして断ったことに対して、同性愛者の二人は店主が州法に違反しているとしてコロラド州公民権委員会に訴え、委員会は差別であると判断した。しかし、アメリカ最高裁判所は、「信教上の理由による同性婚への反対は保護される」として、店側の主張を支持し、コロラド州公民権委員会の判断を違憲判決とした。但し、信教の自由と同性愛者の権利保護のどちらが優先されるかという問題についての判断は保留とした。
  • 2018年6月、特定のイスラム圏入国者の入国禁止令英語版に合憲判決。アメリカ最高裁判所は、2017年9月にイラン、リビア、ソマリア、シリア、イエメンの5カ国から米国を訪れようとする大半の人について米国入国を禁止する大統領令について、米国の移民法や米憲法修正第1条で保障された宗教の自由に反することについて、原告側が十分な証拠を提示できず、十分に大統領権限の範囲内にあると判断し、合憲と判決した。
  • 2018年6月、労働組合費の支払い義務がないことに対する合憲判決。イリノイ州医療・家族サービス局(Department of Healthcare and Family Services)の職員、マーク・ジェイヌス(Mark Janus)氏は米国州・郡・市職員同盟(AFSCME:アメリカの公務員労働組合。日本の自治労に近い。)に対して、月額45ドルの組合費の支払義務がないことの確認を求めて2017年に訴えていた。彼の主張は、AFSCMEが州政府と労働条件の向上を目的とする団体交渉だけでなく、政治活動に労働組合費が使われているとして、そのことが、信教・言論・出版・集会の自由、請願権を保障する合衆国憲法修正第1章を侵害しているというものだった。一方、AFSCMEは、労働組合が団体交渉を通じて獲得した労働条件を組合費の支払い無しで手にすることができる、いわゆるフリーライダー(ただ乗り)を認めることにつながるとして反対していた。両者の主張に対して、アメリカ最高裁判所は、5対4の僅差でジェイヌス氏の主張を支持し、合憲と判決した。この判決は、1977年の連邦最高裁の判決を覆すものとなり、労働組合の勢力を大きく落とすものとなる可能性がある。[3]
  • 2018年6月、カリフォルニア州の中絶説明義務を違憲判決。アメリカ最高裁判所は、カリフォルニア州が人工妊娠中絶を行わない方針の医療機関に対し、州の支援で中絶できることを来院者に説明するよう義務付けた州法が、表現の自由を定めた合衆国憲法に違反する恐れがあると判断し、違憲と判決した。[4]

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戦争・武力行使による人権侵害編集

アメリカの戦争・武力行使による人権侵害の傾向編集

  • アメリカは下記の戦争で意図的または誤爆で非戦闘員である民間人を大量殺害した。
  • 爆撃には大量殺害のための武器として爆弾、焼夷弾、原子爆弾、枯葉剤を使用した。
  • 戦争終結後も核兵器、枯葉剤の影響で、土壌・地下水・湖沼・河川の汚染と、遺伝子に異変が発生したと推測される先天性障害の発生が継続している。
  • 歴代のアメリカの政府・議会は、2018年現在でも戦争・武力行使による民間人大量殺害を正当化している。
  • アメリカ合衆国政府は「アメリカ合衆国憲法はアメリカ国民及びアメリカ国内にしか適用されない。」から憲法で保障されている人権は外国人及び外国領土には認められない[5]としている。

アメリカの戦争・武力行使による人権侵害の実績編集

  • 1942年4月-1945年8月、日本の民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(ルーズベルト大統領・民主党)は、1942年4月のドーリットル空襲と、1944年6月 - 1945年8月に、日本本土空襲で日本各地を爆弾・焼夷弾・核兵器で空爆した。
  • 1944年10月-1945年5月、ドイツの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(ルーズベルト大統領・民主党)は、ドレスデン爆撃などでドイツ各地を爆弾・焼夷弾で空爆した。
  • 1950年6月-1953年7月、北朝鮮と韓国の民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(トルーマン大統領・民主党、アイゼンハワー大統領・共和党)は、朝鮮戦争で北朝鮮と韓国各地を爆弾・焼夷弾で空爆した。
  • 1963年11月-1973年3月、ベトナムの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(ケネディ大統領・民主党、ジョンソン大統領・民主党、ニクソン大統領・共和党)は、ベトナム戦争でベトナム各地を爆弾・焼夷弾・枯葉剤で空爆した。
  • 1991年1月-1991年3月、イラクの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(ブッシュ大統領・共和党)は、湾岸戦争でイラク各地を爆弾・劣化ウラン弾で空爆した。
  • 1993年1月、イラクの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(ブッシュ大統領・共和党)は、イラク武装解除問題でイラクの湾岸戦争停戦条件違反に対する制裁でイラク各地を爆弾・劣化ウラン弾で空爆した。
  • 1993年6月、イラクの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(クリントン大統領・民主党)は、イラク武装解除問題でイラクの湾岸戦争停戦条件違反に対する制裁でイラク各地を爆弾・劣化ウラン弾で空爆した。
  • 1995年8月-1995年9月、ボスニア・ヘルツェゴビナの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(クリントン大統領・民主党)は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でボスニア・ヘルツェゴビナ各地を爆弾・劣化ウラン弾で空爆した。
  • 1996年8月、イラクの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(クリントン大統領・民主党)は、イラク武装解除問題でイラクの湾岸戦争停戦条件違反に対する制裁でイラク各地を爆弾・劣化ウラン弾で空爆した。
  • 1998年8月、スーダンの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(クリントン大統領・民主党)は、アメリカ大使館爆破事件に対する制裁でスーダン各地を爆弾・劣化ウラン弾で空爆した。
  • 1998年8月、アフガニスタンの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(クリントン大統領・民主党)は、アメリカ大使館爆破事件に対する制裁でアフガニスタン各地を爆弾・劣化ウラン弾で空爆した。
  • 1998年12月、イラクの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(クリントン大統領・民主党)は、イラク武装解除問題でイラクの湾岸戦争停戦条件違反に対する制裁でイラク各地を爆弾・劣化ウラン弾で空爆した。
  • 1999年3月、コソボの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(クリントン大統領・民主党)は、コソボ紛争でコソボ各地を爆弾・劣化ウラン弾で空爆した。
  • 2001年2月、イラクの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(ブッシュ大統領・共和党)は、イラク武装解除問題でイラクの湾岸戦争停戦条件違反に対する制裁でイラク各地を爆弾・劣化ウラン弾で空爆した。
  • 2001年10月-現在(継続中)、アフガニスタンの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(ブッシュ大統領・共和党、オバマ大統領・民主党、トランプ大統領・共和党)は、アフガニスタン侵攻でアフガニスタン各地を爆弾・劣化ウラン弾で空爆した。
  • 2003年3月-2011年12月、イラクの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(ブッシュ大統領・共和党、オバマ大統領・民主党)は、イラク戦争でイラク各地を爆弾・劣化ウラン弾で空爆した。
  • 2011年3月、リビアの民間人を空爆で多数殺害。アメリカ軍(オバマ大統領・民主党)を始めとするフランス、イギリスなどは、国連がリビア政府に対する武力攻撃を容認したことを踏まえて、2011年リビア内戦の最中にムアンマル・アル=カッザーフィー率いる政府軍の反カダフィ勢力に対する空爆を防ぐため、リビア各地で航空機やミサイルで空爆した。
  • 2014年8月-現在(継続中)、イラン・シリアの民間人を空爆で大量殺害。アメリカ軍(オバマ大統領・民主党、トランプ大統領・共和党)率いる有志連合は、ISIS掃討作戦の為、イラク・シリア各地を空爆した。

国際人権条約の規定に関する順守・違反の状況編集

  • 条約の加盟国であるかまたは未加盟国であることと、加盟国であるか未加盟国であるかにかかわらず、条約が規定する条項を順守しているか順守していないか、実現しているか実現していないかは別の事項である。条約の加盟国が、条約が規定する条項を順守・実現していない事例も、条約の未加盟国が、条約が規定する条項を順守・実現している事例も、いずれも広範に存在している。
    • アメリカは2018年11月時点で、ジェノサイドの処罰と予防に関する条約の加盟国だが、アメリカ先住民、日本国民、ドイツ国民、ベトナム国民に対する武力行使による市民の大量殺害はジェノサイドである。
    • アメリカは2018年11月時点で、陸上の軍隊の負傷者と病人の条件の改善のためのジュネーブ条約(Geneva Convention for the Amelioration of the Condition of the Wounded and Sick in Armed Forces in the Field)、海上の軍隊の負傷者と病人と遭難者の条件の改善のためのジュネーブ条約(Geneva Convention for the Amelioration of the Condition of Wounded, Sick and Shipwrecked Members of Armed Forces at Sea)、戦争捕虜の取り扱いに関するジュネーブ条約(Geneva Convention relative to the Treatment of Prisoners of War)、戦争時の民間人の保護に関するジュネーブ条約(Geneva Convention relative to the Protection of Civilian Persons in Time of War)の加盟国であるが、戦時においてはジュネーブ条約の規定を順守しない事例は、条約に加盟以前の第二次世界大戦、朝鮮戦争においても、条約に加盟後のベトナム戦争、湾岸戦争、ボスニア・ヘルツェゴビナ空爆、コソボ空爆、アフガニスタン戦争、イラク戦争、その他の武力行使においても広範に存在する。
    • アメリカは2018年11月時点で、拷問・他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約(CAT)の加盟国であるが、アフガニスタン、シリア・イラクにおける軍事作戦で身柄を拘束した捕虜をキューバのグアンタナモ基地、および、ヨーロッパのアメリカ軍基地のどこかに所在する捕虜収容所に、合法性が不明・身分不詳の状態で拘束を続け、捕虜に対する尋問の方法として拷問を広範に利用している。
    • アメリカは2018年11月時点で、難民の地位に関する条約の未加盟国(未署名)だが、第二次世界大戦中から2007年8月時点にいたるまで、難民や亡命者を積極的に受け入れてきた。アメリカが難民の地位に関する条約に加盟していないことは、アメリカが難民の地位に関する条約の加盟国と比較して、全ての国との比較において、例えば日本、中国、ロシアとの比較において、難民の保護の質と量が低水準なことを意味するものではない。難民の地位に関する条約の加盟国でもアメリカと比較して、難民の保護の質と量が低水準な国は、アフリカ、中東、経済的貧困国、非民主的政治体制国において多数存在し、経済的に豊かで民主的政治制度の国においても存在している。
    • アメリカは2018年11月時点で、経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約の未加盟国(署名済・未批准)だが、アメリカが経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約に加盟していないことは、アメリカが経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約の全ての加盟国との比較において、例えば中国、北朝鮮、イラン、ソマリ、スーダンとの比較において、経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約の質と量が低水準であることを意味するものではない。経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約の加盟国でもアメリカと比較して、経済的・社会的・文化的権利の質と量が低水準な国は、アフリカ、中東、経済的貧困国、非民主的政治体制国において多数存在している。
    • アメリカは2018年11月時点で、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の未加盟国(署名済・未批准)だが、アメリカが女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約に加盟していないことは、アメリカが女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の全ての加盟国との比較において、例えばサウジ・アラビア、アフガニスタン、エチオピア、ルワンダとの比較において、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃の質と量が低水準であることを意味するものではない。女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の加盟国でもアメリカと比較して、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃の質と量が低水準な国は、アフリカ、中東、経済的貧困国、非民主的政治体制国において多数存在している。
    • アメリカは2018年11月時点で、児童の権利に関する条約の未加盟国(署名済・未批准)だが、アメリカが児童の権利に関する条約に加盟していないことは、アメリカが児童の権利に関する条約の全ての加盟国との比較において、例えば北朝鮮、スーダン、シエラ・レオネ、コンゴ民主共和国との比較において、児童の権利の保護の質と量が低水準であることを意味するものではない。児童の権利に関する条約の加盟国でもアメリカと比較して、児童の権利の保護の質と量が低水準な国は、アフリカ、中東、経済的貧困国、非民主的政治体制国において多数存在している。

アメリカの政党の人権政策に関する傾向編集

  • アメリカは政権が民主党でも共和党でも、議会の多数派が民主党でも共和党でも、アメリカと世界の諸国民の生命・身体・性・自由・財産に対する侵害の告発・抑止・解決などの、人権保護を推進した実績も、人権保護に反対した実績も、人権侵害を抑止・解決した実績も、人権侵害を放置・推進した実績もいずれの実績もあり、人権政策に関する傾向は、民主党の多数派と共和党の多数派に本質的・根本的な差異はない。
  • 生命・身体・自由・財産に対する侵害と保護、犯罪の被疑者・被告人・受刑者の権利保護、死刑制度に関して、民主党の多数派と共和党の多数派の政策・実績に本質的・根本的な差異はない。
  • 医療保険、保育・育児・介護、年金、最低給与の上昇、失業給付・生活保護、学校教育、職業訓練などの生活に必要不可欠な教育・福祉・社会保障サービスを、政府の公的制度・サービスとして供給することに関して、民主党は比較的に積極的、共和党は比較的に抑制的である。
  • 妊娠中絶の自由、同性愛者の法律婚、生命科学・技術を利用した生命の創出・改変のための人為的操作に関して、キリスト教に対する信仰の深度と聖書の教義に関する戒律・解釈の差異により、民主党は比較的に積極的、共和党は比較的に抑制的である。

アメリカの政党の人権政策の傾向に関する誤解編集

アメリカの政党の人権政策の傾向に関する下記の認識・理解・思考・意見は、客観的・具体的・包括的・相対的な認識・理解・検証・考察を拒絶し、科学的・実証的な証明・根拠を提示せず、主観的・抽象的・部分的・絶対的な認識・理解であり、政府機関・国際機関・研究機関が公開している資料と社会的・歴史的事実を参照すると、真実・真理ではなく確証バイアスによる誤認・誤解・偏見・虚偽であり、自己の主観に帰属する感情・思想・思考・意見を満足させるための結論を先に創作し、結論を導き正当化するために都合いいことを受容し、都合わるいことを拒絶し、都合いいことは真実・真理・善良・正義である、都合わるいことは虚偽・誤解・邪悪・不正であると、主観的・抽象的・部分的・絶対的に認識・理解・検証・考察した思考・意見である。

  • 民主党は世界の諸国との国際協調を重視し、対話による外交を推進し、世界の諸国と利益を共有し共生する政策を推進してきた、または、共和党と比較してその傾向が顕著である。
  • 共和党は世界の諸国との国際協調を軽視し、圧力による外交を推進し、世界の諸国の利益を独占し支配する政策を推進してきた、または、民主党と比較してその傾向が顕著である。
  • 民主党は死刑制度の廃止、被疑者・被告人・受刑者の権利の保護、難民・不法移民の権利の保護、女性・児童・社会的少数派の権利保護、人種差別の廃止、人種差別や貧富の差のによる機会不均等に対する積極的是正政策、民間人の銃保有の禁止・規制、世界の諸国民の生命・身体・自由・財産に対する侵害の告発・抑止・解決などの、人権保護を推進する政策を推進してきた、または、共和党と比較してその傾向が顕著である。
  • 共和党は死刑制度の廃止、被疑者・被告人・受刑者の権利の保護、難民・不法移民の権利の保護、女性・児童・社会的少数派の権利保護、人種差別の廃止、人種差別や貧富の差のによる機会不均等に対する積極的是正政策、民間人の銃保有の禁止・規制、世界の諸国民の生命・身体・自由・財産に対する侵害の告発・抑止・解決などの、人権保護を推進する政策に反対してきた、または、民主党と比較してその傾向が顕著である。

公的な社会保障・福祉制度の普及度編集

  • アメリカは為替レート基準、購買力平価基準ともに人口一人当たりのGDPが高い経済先進国の中では、保健・医療、保育・育児・介護、年金・失業給付・生活保護、学校教育などの、人々の生活に必要不可欠な分野に対する公的な社会保障・福祉制度・金銭支給の普及度が低く、その財源となる所得・財産・経済行為に対する課税による、経済的な付加価値の再分配政策・制度が貧弱である。アメリカは公的な社会保障・福祉制度の普及度が高い国と比較して、保健・医療、保育・育児・介護、年金・失業給付・生活保護、学校教育などの、人々の生活に必要不可欠な分野である社会保障・福祉制度・金銭支給を政府が行う公的な行政サービスではなく、民間の商業ビジネスとして実現している。それらの政策は国家の経済規模のうち、政府部門の経済の比率が比較的低く、民間部門の経済の比率が比較的大きい国家経営政策であり、小さな政府と表現されている政策である。その結果として所得水準・生活水準・経済的な貧富の格差は経済的に豊かな国の中では最も高いグループの水準であり、保健、医療、保育、育児、介護、年金、失業給付、生活保護、学校教育などの、人々の生活に必要不可欠な分野のサービスは、経済的な富裕階層は商業ビジネスの顧客として有料サービスを享受できるが、経済的な貧困階層は商業ビジネスの顧客としてサービスを十分に享受できない状態である。
  • 人々の生活に必要不可欠な分野に対する公的な社会保障・福祉制度・金銭支給の普及度の指標の一つとして、保健・医療の分野では、他の先進諸国と比較すると先進国としては、保健支出に対する政府負担率が低く個人負担率が高く、GDP・政府支出に対する保健支出の比率は高く(政府支出に対しては、スイスに次ぐ)、人口一人当たりの保健支出はスイスに次いで高く、平均寿命・平均健康寿命は低く、15-60歳の死亡率・5歳未満の死亡率・1歳未満死亡率は高く、保健支出額に対する生命・健康の保護の指標は低く、費用対効果が低い結果になっている。
  • アメリカの医学・医療技術の水準の指標の一つとして、ノーベル賞の医学・生理学部門の受賞者数に対するのアメリカ国籍者数は、1901-1909年は11人中0人、1910-1919年は6人中0人、1920-1929年は11人中0人、1930-1939年は14人中4人、1940-1949年は16人中6人、1950-1959年は20人中14人、1960-1969年は26人中13人、1970-1979年は25人中12人、1980-1989年は23人中13人、1990-1999年は20人中13人、2000-2009年は26人中13人、2010-2018年は21人中8人、1901-2018の累計は219人中96人、1950-2018年の累計は161人中86人(53.4%)であり、アメリカの医学の水準は1950年代以後は世界で最高水準である。[6]
  • アメリカは医学・医療技術の水準が世界で最高であっても、市民が政府の保健サービスを受給する比率が低く、市民が民間の商業ビジネスの保健サービスを受けることを推奨する政策なので、経済的な貧困階層は商業ビジネスの顧客として保健サービスを十分に享受できず、医学・医療技術の水準を市民の生命・健康の保護の水準を向上させることに、影響力を十分に発揮できていない。
世界の代表的な先進国の保健統計
国名 保健支出の
政府負担率
保健支出比率 一人当
保健支出
2018年の平均寿命 2016年の平均寿命 平均健康寿命 15-60歳死亡率 5歳未満
死亡率
1歳未満死亡率
GDP 政府支出 合計 合計 合計
アメリカ 50.4 16.8 22.6 9,535.9 77.8 82.3 80.1 76.0 81.0 78.5 66.9 70.1 142 86 6.6 6.2 5.2 5.7
カナダ 73.5 10.4 19.1 4,507.6 79.4 84.8 82.0 80.9 84.7 82.8 72.0 74.3 76 49 5.1 4.8 4.1 4.5
オーストラリア 67.4 9.4 16.6 4,934.0 79.9 85.0 82.4 81.0 84.8 82.9 71.8 74.1 77 45 3.5 4.5 3.9 4.2
イギリス 80.4 9.9 18.5 4,355.8 78.7 83.2 80.9 79.7 83.2 81.4 70.9 72.9 81 52 4.3 4.6 3.8 4.2
フランス 78.9 11.1 15.3 4,026.1 78.9 85.3 82.0 81.9 85.7 82.9 71.8 74.9 94 48 4.2 3.5 2.9 3.2
スイス 70.7 12.1 25.2 9,818.0 80.4 85.2 82.7 81.2 85.2 83.3 72.4 74.5 62 36 4.2 3.9 3.2 3.6
イタリア 74.9 9.0 13.4 2,700.4 79.7 85.2 82.4 80.5 84.9 82.8 72.0 74.3 68 39 3.4 3.4 3.0 3.2
ドイツ 84.5 11.2 21.4 4,591.8 78.6 83.4 80.9 78.7 83.3 81.0 70.2 73.0 88 49 3.7 3.7 3.1 3.4
フィンランド 77.4 9.4 12.8 4,005.5 78.1 84.2 81.1 78.7 84.2 81.4 69.8 73.5 95 44 2.3 2.7 2.4 2.5
スウェーデン 83.7 11.0 18.4 5,600.1 80.3 84.3 82.2 80.6 84.1 82.4 71.5 73.4 64 40 2.8 2.9 2.3 2.6
ノルウェー 85.4 10.0 17.5 7,464.1 79.9 84.1 82.0 80.6 84.3 82.5 71.8 74.3 66 42 2.6 2.8 2.2 2.5
アイスランド 81.5 8.6 16.4 4,375.4 80.9 85.5 83.1 80.9 83.9 82.4 72.3 73.8 67 42 2.1 2.2 2.0 2.1
日本 84.1 10.9 22.6 3,732.6 82.2 89.0 85.5 81.1 87.1 84.2 72.6 76.9 65 36 2.6 2.2 1.7 2.0

脚注編集

  1. ^ 日系アメリカ人強制収容所の概要「アメリカの強制収容所-日系アメリカ人の体験を語り継ぐ」展より”. 全米日系人博物館. 2018年12月5日閲覧。
  2. ^ BLOGOS (2011年3月8日). “フリースピーチvsヘイトスピーチ”. 2018年12月5日閲覧。
  3. ^ 山崎 憲 (2019年2月). “労働組合のフリーライドを認める―連邦最高裁”. 独立行政法人労働政策研究・研修機構. 2019年2月9日閲覧。
  4. ^ 産経新聞 (2018年6月27日). “米最高裁、中絶説明義務を不支持 保守派歓迎”. 2018年12月5日閲覧。
  5. ^ ドキュメンタリー映画「闇へ」(2007)
  6. ^ All Nobel Prizes in Physiology or Medicine (医学・生理学賞の歴代受賞者リスト)”. The Nobel Prize(ノーベル財団). 2018年11月13日閲覧。

関連項目編集

参考文献編集

  • 松井茂記『アメリカ憲法入門』有斐閣。
  • 田島裕『アメリカ憲法-合衆国憲法の構造と公法原理』信山社出版。
  • 一倉重美津『アメリカ憲法要説-政治制度論からの考察』成文堂。
  • 芦部信喜、憲法訴訟研究会『アメリカ憲法判例』有斐閣。
  • 阿川尚之『憲法で読むアメリカ史』PHP研究所。
  • モートン・ホーウィッツ『現代アメリカ法の歴史』弘文堂。
  • 尾崎哲夫『アメリカの法律と歴史』自由国民社。
  • クレア・シャーマン・トーマス『アメリカ性差別禁止法』木鐸社。
  • 中窪裕也『アメリカ労働法』弘文堂。
  • 宇賀克也『アメリカ行政法』弘文堂。
  • 斎藤明子『アメリカ障害者法-全訳』現代書館。
  • リチャード・スコッチ、山本礼子『アメリカ初の障害者差別禁止法はこうして生まれた』明石書店。
  • 定藤丈弘、北野誠一『アメリカの発達障害者権利擁護法-ランターマン法の理論と実践』明石書店。
  • しみずよりお『聴覚障害者が見たアメリカ社会 障害者法と情報保障』現代書館
  • 浅香吉幹『現代アメリカの司法』東京大学出版会
  • ローク・リード『アメリカの刑事手続』有斐閣。
  • 島伸一『アメリカの刑事司法』弘文堂。
  • 西原春夫田宮裕松尾浩也『アメリカ刑事法の諸相』成文堂。
  • 長島敦『刑事司法をめぐる学理と実務 日本とアメリカ』成文堂
  • 木本強『アメリカ公判前釈放制度の研究』成文堂
  • 宮野彬『刑事法廷のカメラ取材 アメリカの規制緩和プロセス』信山社出版
  • サミュエル・ウォーカー『民衆司法 アメリカ刑事司法の歴史』中央大学出版部
  • 徳岡秀雄『少年司法政策の社会学-アメリカ少年保護変遷史』東京大学出版会。
  • バリー・クリスバーグ、ジェームス・オースチン『アメリカ少年司法の再生』敬文堂。
  • 柳本正春『米・英における少年法制の変遷』成文堂
  • 藤本哲也『現代アメリカ犯罪学事典』勁草書房
  • ケリング『割れ窓理論による犯罪防止-コミュニティの安全をどう確保するか』文化書房博文社。
  • 新恵里『犯罪被害者支援-アメリカ最前線の支援システム』径書房
  • アメリカ自由人権協会『アメリカのめざす人権-アメリカ自由人権協会ポリシーガイド』明石書店。
  • アメリカ自由人権協会『女性は裁判でどうたたかうか アメリカ・女性の権利』教育史料出版会
  • セイマー・ハレック『精神障害犯罪者 アメリカ司法精神医学の理論と実際』金剛出版
  • 癒しと和解への旅 犯罪被害者と死刑囚の家族たち/坂上香/岩波書店
  • アミティ 脱暴力への挑戦 傷ついた自己とエモーショナルリテラシー/坂上香/日本評論社
  • 犯罪被害者支援 アメリカ最前線の支援システム/新恵里/径書房
  • 心に傷をうけた人の心のケア PTSDを起こさないために/クラウディア・ハーバート/保健同人社
  • トラウマティック・ストレス PTSDおよびトラウマ反応/ベセル・ヴァン・デア・コルク/誠信書房
  • トラウマ 心の後遺症を治す/ディビッド・マス/講談社
  • 心的外傷と回復/ジュディス・ハーマン/みすず書房
  • 虐待サバイバーの心理療法 成育史に沿った包括的アプローチ/F・G・クルーズ、L・エッセン/金剛出版
  • 虐待を受けた子どもの治療戦略 被害者からサバイバーへ/シェリル・カープ/明石書店
  • 虐待を受けた子どものプレイセラピー/エリアナ・ギル/誠信書房
  • ドナルド・グリンデ、ブルース・ジョハンセン『アメリカ建国とイロコイ民主制』みすず書房。
  • ディー・ブラウン『わが魂を聖地に埋めよ-アメリカ・インディアン闘争史』草思社。
  • エリック・ウィリアムズ『資本主義と奴隷制 経済史から見た黒人奴隷制の発生と崩壊』明石書店
  • 池本幸三、下山晃、布留川正博『近代世界と奴隷制 大西洋システムの中で』人文書院
  • 本田創造『アメリカ黒人の歴史』岩波書店
  • 猿谷要『歴史物語 アフリカ系アメリカ人』朝日新聞社
  • 菊池謙一『アメリカの黒人奴隷制度と南北戦争』未來社
  • 大谷康夫『アメリカの黒人と公民権法の歴史』明石書店
  • 猿谷要『歴史物語-アフリカ系アメリカ人』朝日新聞社。
  • 常石敬一『化学兵器犯罪』講談社。
  • 秦郁彦、佐瀬昌盛、常石敬一『世界戦争犯罪事典』文藝春秋社。
  • ロナルド・タカキ『アメリカはなぜ日本に原爆を投下したのか』草思社。
  • スティーヴン・ウォーカー『カウントダウン・ヒロシマ』早川書房。
  • 鳥居民『原爆を投下するまで日本を降伏させるな』草思社。
  • 最上敏樹『人道的介入-正義の武力行使はあるか』岩波書店。
  • 日本国際連合学会『人道的介入と国連』国際書院。

外部リンク・出典編集

人権に関する国際条約の出典編集

アメリカの教育・保健・福祉・移民に関する出典編集

アメリカの政府・議会・政策・法律に関する出典編集

世界の諸国の保健に関する出典編集