アメリカ陸軍参謀総長
アメリカ陸軍参謀総長(アメリカりくぐんさんぼうそうちょう、英: Chief of Staff of the United States Army)は、アメリカ陸軍における最高位の軍人で、軍備を整え、戦時への即応性を維持する責任を負う。他の参謀総長等と同じく、作戦上の指揮権限を有しない。統合参謀本部の一員であり、陸軍に関する大統領の主任軍事顧問である。
現在の陸軍参謀総長は、ジェイムス・C・マコンビル陸軍大将(第40代、2019年8月9日 - )。
歴史編集
1903年、陸軍参謀本部が創設された事により正式に設けられた。それ以前の陸軍軍人の最高職位の呼称は、アメリカ合衆国陸軍長官の直属たるアメリカ陸軍総司令官であった。例えば、南北戦争でユリシーズ・グラントが総司令官になったとき、前任者ヘンリー・ハレックは参謀総長の地位に「降格」されている。議会は第一次世界大戦参戦後に3人の陸軍少将を大将に昇進させたが、大戦後は大将昇進を認めなかったので、この3人の後は陸軍少将が参謀総長となった。しかしチャールズ・ペロット・サマーオールの在任中、大将職の海軍作戦部長と同格にするため、参謀総長も大将職とされた[1]。なお、議会が1939年8月に軍司令官(4人)を中将職とするまで、アメリカ陸軍に中将はいなかった[2]。
歴代陸軍参謀総長一覧編集
関連項目編集
脚注編集
- ^ Why is the Colonel Called "Kernal"? by Raymond Oliver, Museum Curator, McClellan Aviation Museum. Office of History, Sacramento Air Logistics Center, McClellan AFB, CA, 1983.
- ^ An Act To provide for the rank and title of lieutenant general of the Regular Army.
- ^ 「機甲部隊の父」と呼ばれたアドナ・R・チャーフィー・ジュニア陸軍少将の父。
- ^ 参謀総長就任時の階級は少将。第一次世界大戦参戦により、1917年10月8日に大将へ昇任(6日付)。1888年に大将に任命されたフィリップ・シェリダン陸軍総司令官以来、約30年ぶりの大将昇任者。
- ^ 戦時階級の大将が消滅して、在任中の1920年7月1日に少将に戻る。
- ^ 5つ星の元帥よりもさらに上位とされる階級。この地位に任命されたのはパーシングと初代大統領ジョージ・ワシントン(1976年6月4日に議会によって追贈,存命時の最終階級は陸軍中将)の2人のみである。
- ^ 参謀総長就任時は少将。在任中の1929年2月23日に大将に昇任。
- ^ 参謀総長就任時は大将。在任中の1944年12月16日に元帥に昇任。
- ^ のちに統合参謀本部議長に就任し、同職在任中の1950年9月22日に元帥に昇任。
- ^ 陸軍副参謀総長として職務を代行。
- ^ 参謀総長在任のまま死去。
- ^ 特殊作戦軍司令官を務めたのち、2000年に一度退役。その後参謀総長職に指名されたことをうけて軍務に復帰。
- ^ Historical Resources Branch, アメリカ陸軍歴史センターの資料より。
- ^ 在任期間約5ヶ月という、近年の陸軍参謀総長の中では異例の短さであるが、これはマイケル・マレン統合参謀本部議長の後任に指名されたためである。