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アルカディアは、1983年日本で発売された家庭用ゲーム機。日本でバンダイ・アルカディアとして、アメリカではEmerson Arcadia 2001として、ドイツではHanimex HMG 2650として知られ、多数の互換機が存在する。

アルカディア
Emerson-Arcadia-2001.png
Emerson Arcadia 2001
メーカー エマーソンラジオ英語版
種別 据置型ゲーム機
世代 第二世代
発売日 アメリカ合衆国の旗 1982年
日本の旗 1983年3月
CPU Signetics 2650
GPU Signetics 2647N
対応メディア ロムカセット
互換ハードウェア バンダイ・アルカディア
Hanimex HMG 2650
他30種以上
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概要編集

世界中でまったく別の会社からまったく別の名前で販売された同一のシステムの互換機が30種類以上存在する[1][2]。本稿では便宜的に日本で最も普及した互換機の名称であるアルカディアの項目名を用いる。

そのライセンスの元締めは不明である[2]が、Signetics社のシステムを採用していることからSignetics社か親会社のフィリップス社であると推測される。

Signetics社のシステムを採用したゲーム機としては、1978年頃にもやはりライセンス元が不明な同一のシステムの互換機が欧州各国で大量に出回ったことがある。そのハードは西ドイツでのみ成功し、現在はインタートン・VC 4000として知られる。アルカディアはそれよりもハードの性能は向上している。

互換機の多さに比べて商業的に失敗したこともあって不明な点が多いハードである。

アルカディア互換機用のほぼ全てのゲームを提供したUA社(4本のみはバンダイが製作)についても不明だが、複数のゲームの隠しメッセージとして香港のAndrew Choiが製作したとの記載が見られる。なおAndrew ChoiはVC 3000用ゲームの隠しメッセージにも名が記されており、VC 3000とアルカディアのゲームは同一のグループが製作していた模様。

アメリカ日本では高性能な競合機に阻まれ失敗したが、西ドイツなど欧州の一部の地域ではある程度の成功を収めた。

互換機編集

アルカディア互換機は日本だけでもP.I.C.・エクセラ、朝日通商・ダイナビジョン、バンダイ・アルカディアなど複数にわたる。互換機は内部的にはまったく同一のシステムを採用しているが、実際はカートリッジの形状によっていくつかのバリエーションに分けられ、それぞれに互換性は無い。互換機はそのほとんどが香港で製造され、各国のディストリビューターによって独自の名称で販売された。

機体名 販売業者 国名 互換機のバリエーション
Advision Home Arcade Advision   Emerson console
アルカディア バンダイ   Emerson console
Arcadia 2001 Emerson   Emerson console
Cosmos Tele-Computer   Emerson console
ダイナビジョン 朝日通商   MPT-03 console
エクセラ P.I.C.   MPT-03 console
Hanimex MPT-03 Hanimex   MPT-03 console
HMG-2650 Hanimex   Emerson console
Home Arcade Centre Hanimex   Emerson console
Intelligent Game MPT-03 Intelligent Game   MPT-03 console
Intercord XL 2000 System Intercord   Emerson console
Intervision 2001 Intervision   Ormatu console
ITMC MPT-03 ITMC   MPT-03 console
Leisure-Vision Leisure-Dynamics   Emerson console
Leonardo GiG Electronics   Emerson console
Ormatu 2001 Ormatu Electronics BV   Ormatu console
Palladium Video Computer Game Neckermann   Palladium console
Polybrain Video Computer Game Polybrain   Palladium console
Poppy MPT-03 Tele Computer Spiel Poppy   MPT-03 console
Prestige Video Computer Game MPT-03 Prestige   MPT-03 console
Robdajet MPT-03   MPT-03 console
Rowtron 2000 Rowtron   MPT-03 console
Schmid TVG-2000 Schmid   Emerson console
Sheen Home Video Centre 2001 Sheen   Ormatu console
Soundic MPT-03 Soundic   MPT-03 console
Tele Brain Mr. Altus   Palladium console
Tele-Fever Tchibo   Emerson console
Tempest MPT-03 Tempest   MPT-03 console
Tobby MPT-03 Tobby Tobby MPT-03 console
Trakton Computer Video Game Trakton   Palladium console
Tryom Video Game Center Tryom   MPT-03 console
Tunix Home Arcade Monaco Leisure   Emerson console
UVI Compu-Game Orbit Electronics   Orbit console
Video Master Grandstand   Orbit console

バンダイ・アルカディア編集

バンダイ・アルカディアとは、バンダイが1983年3月に日本で発売した家庭用ゲーム機。日本でのアルカディア互換機としては最も普及した。バンダイは1982年にマテル・Intellivisionを北米から輸入し「インテレビジョン」として販売したが高価だったため失敗しており、より安価なアルカディア(Emerson Arcadia 2001と同一の製品)を輸入し「インテレビジョンの後継機」として売り出した[1]。1983年3月に19800円で発売したが、同年7月のファミリーコンピュータ(以下ファミコン)などの競合機の発売後、9800円に値下げされた[2]。また同社が版権を持つアニメ・漫画等をゲーム化したキャラクターゲームを相次いで発売した[1][3]。一方でキャラクターゲーム以外のラインナップは日本国外からの輸入ソフトが占めた[1]

コントローラは同社から前年発売されたインテレビジョンのものと同様に絡まりにくいカールケーブルで接続されたテンキー付きの縦長コントローラで、方向パッドはインテレビジョンと違ってレバー付きである。このレバーは外すこともでき[1]、インテレビジョンと同様のパッドとしても使用できる。『月刊コロコロコミック』1983年10月号に掲載された家庭用ゲームハードの比較記事では、アルカディアのコントローラはファミコンを含む同年発売の6機種のコントローラの中で唯一、最高の5つ星評価を得ていた。しかし画面性能は208×128ドット・8色止まりでサウンドも単調と評され、同誌の総合評価ではファミコン・アタリ2800SG-1000に劣っていた。

結局アルカディアは商業的に失敗し、平行して輸入販売していた光速船(GCE・Vectrex)の販売にも失敗したバンダイは、1977年から続けているゲーム機事業から一時撤退することとなった[2]

Emerson Arcadia 2001編集

Arcadia 2001は、アメリカの大手家電メーカーEmerson Radio社が1982年に発売した家庭用ゲーム機。アメリカでのアルカディア互換機としては最も普及した。ハードの形状やスペック的にはアメリカで1980年に発売されたMattel Intellivisionに良く似ており、特にコントローラーの形はそのまま踏襲されている。当時のアメリカの人気ゲーム機だったAtari 2600より高性能なことを売りにしていた。

しかしArcadia 2001の発売とほぼ同時に、より優れた性能の競合機であるAtari 5200コレコビジョンが発売され、いきなり苦境に立たされる。また、UA社はアタリ社がライセンスを持つ『ミサイルコマンド』(アタリ)や『ギャラクシアン』(ナムコ)といった人気アーケード作品をArcadiaに移植してエマーソン社に提供した。しかし、アタリ社はこの頃より自社のライセンス管理を強化する方針を取ったため、エマーソン社はアタリの持つライセンスを取得できなかった。訴えられるのを恐れたエマーソン社は無許諾のままそれらのゲームの販売を強行することができず、売るに売れないソフトを不良在庫として抱えこむ羽目になった。ナムコなど人気アーケードゲームのライセンスの多くはAtariが握っていたため、Arcadia 2001のソフトは『ホッピーバグ』(セガジャンプバグ』の移植)や『スペースバルチャー』(テーカンプレアデス』の移植)など、ややマイナーなアーケードゲームが多くなった。性能で競合機種に劣り、キラーソフトも存在しないArcadia 2001は、アメリカでは商業的に失敗した。

Hanimex HMG 2650編集

HMG 2650は、Hanimex社が1982年に発売したゲーム機。西ドイツでのアルカディア互換機としては最も普及した。西ドイツではそれまでインタートン・VC 4000というゲーム機が人気で、VC 4000とよく似たシステムでより高性能なHMG 2650は、その次世代機的なポジションとしてそれなりの人気を博した。

ソフト編集

ソフトの全タイトル数は51本。その中にはバンダイが開発し日本でのみ発売されたキャラゲー4本が含まれる。残りのゲームは全てUA Ltdが開発した。UA社の詳細は不明。

前述の経緯があり、アメリカにおけるArcadia 2001用のゲームはややマイナーなアーケードゲームの移植が主力である。 アメリカでは販売中止を余儀なくされた、『ミサイルコマンド』に似た『ミサイルウォー』や、『パックマン』に似た『スーパーカブラー』など、ナムコやアタリの無許諾移植やパクリゲームも、日本や欧州などの地域では堂々と発売されている。ライセンスを得たタイトルはオープニング画面にライセンス元のクレジット表記がされているが、無許諾移植はクレジット表記が存在しない違いがある。

また、日本ではバンダイが版権を持つキャラクターゲームが4本投入された[3]。UA社以外でアルカディア用ゲームを独自に製作したのはバンダイのみである。

日本市場のみ

脚注編集

  1. ^ a b c d コアムックシリーズNO.682『電子ゲーム なつかしブック』p.60.
  2. ^ a b c d M.B.MOOK『懐かしファミコンパーフェクトガイド』101ページ
  3. ^ a b 武宗しんきろう (2012年12月14日). “テレビゲームファーストジェネレーション 第2回:TVゲームグラフティー 〜1984年日本編”. ファミ通.com. KADOKAWA. 2019年10月12日閲覧。

関連項目編集

  • フィリップスとその子会社の関与したハード一覧
    • VC 4000 - 1978年に発売されたゲーム機。アルカディアと同じくSignetics社のシステムを採用している。西ドイツでのみ商業的に成功したため、西ドイツでの名称VC 4000で知られる。実際は同一のシステムで名称が違う互換機が欧州各国で大量に出回った。
    • オデッセイ2 - フィリップスの子会社であるマグナボックス社が1978年に発売したゲーム機。欧州を中心に展開されたVC 4000互換機に対して北米を中心に展開した。欧州でもかなり売れている。
    • MSX - 1983年に発売されたホビーパソコン。アルカディアと同じく、多数の互換機が発売されており、フィリップス社も参加した。
    • CD-i - フィリップスが提唱し、1991年に最初の製品を発売したマルチメディア機の規格。対応機を発売した企業は多いが、ゲーム機としては失敗した。
  • 3DO - 1993年に発売されたマルチメディア機。アルカディアと同じく、複数のメーカーから互換機が発売されている。