アルガ川(アルガがわ、スペイン語: Arga)は、イベリア半島北部、スペインナバーラ州を流れるエブロ川水系の河川。州都パンプローナプエンテ・ラ・レイナなどを通ってアラゴン川に合流し、エブロ川を経由して地中海に注いでいる。総延長は145km、流域面積は2,759km2である。古代にはルナ川(Runa)として知られていた。

アルガ川
水系 エブロ川水系
延長 145 km
平均流量 59.76 m³/s
流域面積 2759 km²
水源 ピレネー山脈
河口・合流先 アラゴン川エブロ川を経由して地中海
流域 スペインの旗 ナバーラ州
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エブロ川水系におけるアルガ川の流域(濃黄)

流域 編集

スペインフランス国境に近いピレネー山脈の山麓、ナバーラ州エステリバルスペイン語版に端を発し、北東から南西に流れる。エステリバルのエウギ地区にはエウギ貯水池というダム湖があり、このダムはパンプローナ都市圏スペイン語版に水を供給している。中流部ではアルガ川流域最大の都市であるパンプローナを含むパンプローナ都市圏を横断しており、ビリャバ=アタラビアスペイン語版ブルラーダ/ブルラタアンソアイン/アンツォアインスペイン語版バラニャインなどの自治体を蛇行して流れている。サンティアゴの巡礼路沿いにあるプエンテ・ラ・レイナには、11世紀初頭に架けられた石橋が現存している。

プエンテ・ラ・レイナからは真南に下り、ペラルタ/アスコイエンスペイン語版などを通り、ナバーラ州南部のフネス付近でアラゴン川と合流した後に、10kmほど下ってアラゴン州との州境でエブロ川の本流に合流する。中下流部にはプエンテ・ラ・レイナとペラルタ/アスコエインを除いて目立った都市がなく、タリファオリテ/エリベリなどの都市は10kmほど東側に離れている。パンプローナとナバーラ州南部を結ぶ交通路にAP-15号線やレンフェ(スペイン国鉄)の路線があるが、これらはやはりアルガ川から10kmほど東側に並行しており、河川と交通路は標高638mのブスキル山や504mの無名峰などで隔てられている。

植生 編集

上流部では河川は主にブナの林に囲まれており、その下ではビルベリーコーニッシュ・ヒーススゲスズメノヤリなどを育てている。加えてエウギ貯水池付近では、ハンノキトネリコカエデ、一般的なハシバミクロウメモドキなど様々な灌木を見つけることができる。ダムを離れると、流域にはオークヨーロッパアカマツツゲの低木などが並んでいる。ウアルテを渡る地点にはポッキリヤナギが現れる。ベラスコアイン地域周辺の低木は、カンタブリア地方の森林から地中海植物の植生への変化を示し、この地域ではクロポプラとシロヤナギが一般的である。