アルコール先生ピアノの巻
1914年公開のアメリカ合衆国の短編サイレント映画
『アルコール先生ピアノの巻』(His Musical Career) は、1914年公開の短編サイレント映画。キーストン社による製作で、主演・監督はチャールズ・チャップリン。1971年に映画研究家ウノ・アスプランドが制定したチャップリンのフィルモグラフィーの整理システムに基づけば、チャップリンの映画出演31作目にあたる[1][注釈 1]。
アルコール先生ピアノの巻 | |
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His Musical Career | |
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監督 | チャールズ・チャップリン |
脚本 | チャールズ・チャップリン |
製作 | マック・セネット |
出演者 |
チャールズ・チャップリン マック・スウェイン チャーリー・チェイス フリッツ・シャイド フランク・ヘイズ セシル・アーノルド |
撮影 | フランク・D・ウィリアムズ |
配給 | キーストン・フィルム・カンパニー |
公開 | 1914年11月7日 |
上映時間 | 16分 |
製作国 |
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言語 |
サイレント映画 英語字幕 |
あらすじ編集
ピアノ運搬人のチャーリーは、相棒のアンブローズ(マック・スウェイン)とともに666ストリートの家にピアノを運んでいたが、間違って999ストリートの家に運んでしまった。2人は本来の注文主のところに改めてピアノを運ぼうとするが悪戦苦闘の連続で、ついにはピアノを湖に落としてしまう[2][3]。
作品編集
この作品はのちに、チャップリン以外の手によって発展した形でスクリーンに再登場する。ローレル&ハーディの1932年製作の映画『ミュージック・ボックス』がそれである[4]。チャップリンはまた、当時の一巻もの作品で90ショットを要するところを、この作品ではわずか27ショットに抑えている[5]。細かくショットを刻むよりも一つのショットを長めに取った方が、より喜劇的演技が生きるとチャップリンが判断したためであり、この手法は間もなくバスター・キートンも自作に取り入れることとなった[5]。冒頭でチャップリンがマック・スウェインにワニスの缶を飲ませるギャグもある。
キャスト編集
- チャールズ・チャップリン:ピアノ運搬人
- マック・スウェイン:アンブローズ
- チャーリー・チェイス:ピアノ店の主人
- フリッツ・シェイド:リッチ氏
- セシル・アーノルド[注釈 2]:リッチ氏夫人
- フランク・ヘイズ[注釈 3]:プアー氏
- ジーン・マーシュ:プアー氏夫人
etc
脚注編集
注釈編集
- ^ 1914年製作、2010年発見の『泥棒を捕まえる人』を除く
- ^ #ロビンソン (下) p.438 ではアリス・ハウエル
- ^ #ロビンソン (下) p.438 ではジョー・ボルドー
出典編集
- ^ #大野 (2007) p.252
- ^ #Imdb
- ^ #BFI
- ^ #ロビンソン (上) p.167
- ^ a b #ロビンソン (上) p.168
参考文献編集
- チャールズ・チャップリン『チャップリン自伝』中野好夫(訳)、新潮社、1966年。ISBN 4-10-505001-X。
- デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』上、宮本高晴、高田恵子(訳)、文藝春秋、1993年。ISBN 4-16-347430-7。
- デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』下、宮本高晴、高田恵子(訳)、文藝春秋、1993年。ISBN 4-16-347440-4。
- 大野裕之『チャップリン再入門』日本放送出版協会、2005年。ISBN 4-14-088141-0。
- 大野裕之『チャップリン・未公開NGフィルムの全貌』日本放送出版協会、2007年。ISBN 978-4-14-081183-2。
外部リンク編集
- His Musical Career - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- アルコール先生ピアノの巻 - インターネット・アーカイブ
- “31. His Musical Career (1914)” (英語). BFI Homepage - Chaplin Home. 英国映画協会. 2013年5月6日閲覧。