アルノ川

イタリア中部の川

アルノ川(アルノがわ、Arno)は、イタリア中部を流れティレニア海に注ぐ、長さ241kmのである。

アルノ川
アルノ川流路
アルノ川 2004年4月8日撮影
フィレンツェ市街
延長 241 km
平均流量 110 m³/s
流域面積 8,228 km²
水源 ファルテローナ山
水源の標高 1,385 m
河口・合流先 リグリア海
流域 イタリアの旗 イタリア トスカーナ州
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流路 編集

アペンニーノ・トスコ=エミリアーノイタリア語版にあるファルテローナ山イタリア語版(Monte Falterona)に源を発し南へ流れる。アレッツォ付近で北西に転じ、フィレンツェで西に変える。ポンテデーラの谷を流れ、ピサの西側でティレニア海に注ぐ。

河口の三角州と付近の海岸平野には砂丘泥炭地マツ林、混交林が多く、一帯にはキク科ヨモギ属Artemisia caerulescensスペイン語版ヤグルマギク属Centaurea aplolepaイタリア語版固有亜種が生え、ムラサキサギサンカノゴイアマサギなどの鳥類が生息している。北側のセルキオ川イタリア語版河口とマッサチウッコリ湖イタリア語版一帯と共に「トスカーナの海岸林」としてユネスコ生物圏保護区ラムサール条約登録地に登録されている[1][2][3]

16世紀初頭に、フィレンツェ共和国はピサに攻勢を仕掛け、ピサを包囲したが、ピサ側はアルノ川の舟運を使って海から物資を運び入れた。軍事にも関心のあったレオナルド・ダ・ヴィンチは、アルノ川の流路を迂回させピサを経由しないようにする作戦を立案した。副官として従軍していたニッコロ・マキャヴェッリは、ダ・ヴィンチの案を採用し、1504年から工事に取り掛からせたが、当時の土木技術には限界があり、アルノ川の流路変更工事は失敗に終わった[4]

脚注 編集

  1. ^ San Rossore, si amplia la riserva Unesco: ecco le 'Selve costiere di Toscana'” (イタリア語). PisaToday (2016年3月24日). 2023年4月21日閲覧。
  2. ^ Selve Costiere di Toscana Biosphere Reserve, Italy” (英語). UNESCO (2019年4月2日). 2023年4月21日閲覧。
  3. ^ Massaciuccoli lake and marsh | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2017年9月12日). 2023年4月21日閲覧。
  4. ^ アレッサンドロ・ヴェッツォシ([訳]後藤淳一)『レオナルド・ダ・ヴィンチ』創元社、1998年11月、103頁

関連項目 編集

外部リンク 編集