アルファロメオ・ステルヴィオ

ステルヴィオSTELVIO)は、イタリア自動車メーカーアルファロメオが製造・販売しているクロスオーバーSUVである。

アルファロメオ・ステルヴィオ
概要
製造国 イタリアの旗 イタリア
販売期間 2017年 -
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアクロスオーバーSUV
エンジン位置 フロント
駆動方式 四輪駆動
プラットフォーム Giorgioプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 2,891cc V型6気筒ツインターボ
1,995cc直列4気筒ターボ
2,142cc直列4気筒ディーゼルターボ
最高出力 510 PS/6,500 rpm
280 PS/5,250 rpm
210 PS/3,500 rpm
最大トルク 61.2 kgm/2,500 rpm
40.8 kgm/2,250 rpm
47.9 kgm/1,750 rpm
変速機 8速AT
サスペンション
ダブルウィッシュボーン式
マルチリンク式
車両寸法
ホイールベース 2,820 mm
全長 4,690 mm
全幅 1,905 mm
全高 1,680 mm
車両重量 1,960 kg
1,810 kg
1,820-1,860 kg
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概要 編集

2016年ロサンゼルスオートショーにて初公開される。

ステルヴィオは、アルファロメオの新世代モデル第2弾となるプレミアムSUV。2016年にニュルブルクリンク北コースで世界最速の量産4ドアセダンの座に輝いた「ジュリア」の最新鋭アーキテクチャーを受け継ぎ、優れた俊敏性や操縦安定性を実現している。

ドライブトレーンには、独自の4輪駆動システム「アルファロメオ Q4」を採用。走行状況に応じて前車軸:0%/後車軸100%から50%/50%の間で駆動力配分を行い、ドライバーの思い通りのラインをトレースするハンドリング特性を実現した。

ファーストエディションの搭載エンジンは、最高出力280 PS、最大トルク40.8 kgmを発生する2 L水冷直列4気筒SOHC16バルブマルチエアツインスクロールターボZF製8速ATとの組み合わせで、0 - 100 km/hタイム5.7 秒(欧州参考値)という、同クラスのSUVとして最上級の加速性能を発揮する。

エクステリアは、背高のSUVながら機能性にも優れた流麗なフォルムにより、上質かつ個性的なイタリアンデザインを具現化。印象的なヘッドランプには、バイキセノン式バルブ、LEDデイタイムランニングランプを備える。また、エンジンフードやフロントフェンダー、ドアアウターパネル、リアハッチには軽量なアルミニウム素材を採用し、理想的な前後重量配分や優れたパワーウエイトレシオの実現に寄与している。

インテリアはレザーシートをはじめ、8ウェイパワーシート(前席、運転席メモリー付)、レザーステアリング、ヒーテッドステアリングなどにより快適な移動空間を提供する。音声認識機能付の車載インフォテインメントシステム「アルファコネクト」は、8.8インチセンターディスプレイにさまざまなコンテンツを表示し、ロータリースイッチにより直感的な操作が可能。Apple CarPlay/Android Autoにも対応する。また、ハーマン・カードンプレミアムオーディオシステムを標準装備する。ラゲッジルームは、525 Lの容量を確保。電動で開閉するパワーテールゲートを標準装備するほか、小物入れなどの収納も豊富に用意し、利便性を高めている。

先進安全装備については、歩行者検知機能付の前面衝突警報(FCW)をはじめ、前方障害物の存在をドライバーに警告し、次いでブレーキを作動する自動緊急ブレーキ(AEB)、車線逸脱を予防するレーンデパーチャーウォーニング(LDW)、高速走行時に安全運転を支援するアダプティブクルーズコントロール(ACC)、ブラインドスポットモニター(BSM)などを標準で備える。

2022年10月27日、ヨーロッパで改良型を発表[1]。3連のLEDを組み込んだフルLEDアダプティブマトリックスヘッドライトを装備した他、リアのLEDテールライトの内部デザインが新装された。また、12.3 インチTFTフルデジタルディスプレイを新たに採用した。表示をEvolved、Relax、Heritageの3種類が切り替えることが可能である。

日本発売 編集

2018年平成30年)7月21日、日本導入第1弾として「ファーストエディション」が限定400台で発売。内外装の特別装備により、上質感をさらに高めた仕様となる。エクステリアは、レッド仕上げブレーキキャリパーや専用デザインの大径20インチ5ツインスポークアルミホイールにより足元を精悍に演出。インテリアにはプレミアムレザーシートやウッドパネルが特別装備される。ボディカラーはソリッドが2色、メタリックが2色の計4色、2トーンを含む4色のインテリアカラーが用意される。

ファーストエディション限定の特典として、アルファロメオ誕生108周年と掛け合わせた、1年間・108名限定のプライベートコンシェルジュサービス「STELVIO 108 CLUB」への応募加入権が付与される。

2018年(平成30年)10月27日、正式カタログモデルが発売。「2.0 TURBO Q4スポーツパッケージ」「2.0 TURBO Q4ラグジュアリーパッケージ」、ベースモデル「2.0 TURBO Q4」の計3モデルとなる。同年11月28日、V6ツインターボ2.9 Lのハイパフォーマンスモデル「クアドリフォリオ」が追加発売。

2019年(平成31年)4月6日、クリーンディーゼルモデルの「2.2 TURBO DIESEL Q4」が追加発売。

2020年令和2年)8月20日、マイナーチェンジ。衝突被害軽減ブレーキおよびアダプティブクルーズコントロールが全車標準装備になり、グレード編成が「2.2 TURBO DIESEL Q4 SPRINT」「2.2 TURBO DIESEL Q4スポーツパッケージ」「2.0 TURBO Q4スポーツパッケージ」「クアドリフォリオ」となる[2]

2021年(令和3年)7月10日、新グレード「2.0 TURBO Q4 VELOCE」「2.2 TURBO DIESEL Q4 VELOCE」を追加[3]。ホイールアーチ、サイドスカート、リアバンパーをボディ同色に、専用スキッドプレートやダークエキゾーストパイプフィニッシャーをエクステリアに採用。インテリアは、アルミニウムインテリアパネル、レザーダッシュボード、スポーツレザーシート(レッドもしくはブラックステッチ)を採用している。これに伴い、グレードは「2.2 TURBO DIESEL Q4 SPRINT」「2.0 TURBO Q4 VELOCE」「2.2 TURBO DIESEL Q4 VELOCE」「2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO」の4タイプとなり、これまで一部グレードに設定されていたスポーツパッケージは在庫限りとなる。

2022年(令和4年)4月16日、グレード再編。「2.2 TURBO DIESEL Q4 SPRINT」に代わる新グレードとして「2.2 TURBO DIESEL Q4 Ti」(Turismo Internazionaleの意)を追加[4]。エクステリアミラーハウジングをボディ同色にし、新意匠の5ホール20インチアルミホイールを採用。本グレードのみに用意されるグレーオークウッドパネルや、前席シートヒーター付ナチュラルレザーシートを採用する。なお、「VELOCE(ターボ、ディーゼル共)」「2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO」も同日に仕様変更を行い、「VELOCE」は「Ti」同様ボディ同色のミラーハウジング、新デザインの21インチアルミホイール、リミテッドスリップディファレンシャル(LSD)を搭載した。「2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO」は21インチの専用ホイール、ブラックテールライト、レザー/アルカンターラステアリングホイールに加え、スパルコ社製カーボンバケットシートを搭載した。

2022年(令和4年)7月12日、限定車「ESTREMA」を発売[5]。ジュリアにも設定される。「ESTREMA(エストレマ)」は“極限、極致”を意味するイタリア語。CFRP製フロントグリルインサート、サイドミラーハウジング、ダークエンブレム、ブラック仕上げブレーキキャリパーを装備する。電子制御可変式ダンパーを備えたALFAアクティブサスペンションを搭載し、ALFA DNAドライブモードシステムで選んだモードに応じて減衰力が最適化される。インテリアもアルカンターラスポーツレザーシート、カーボンパネル、サンルーフを特別装備し、スポーティかつ開放感ある室内空間を演出する。カラーは、ミザーノブルーとブルカノブラックの2色で、ターボ車のみの設定。限定はブルーが50台、ブラックが30台。

2023年(令和5年)6月3日、ジュリアと同時に仕様変更[6]。ジュリアと異なりグレード体系は変更されず、「トライローブ」と呼ばれるフロントグリル部分およびテールランプに最新の意匠を施し、フルLEDマトリクスヘッドライトを新たに採用した。また、インテリアでは12.3インチのデジタルメータークラスターを装備した。限定車の「2.0 TURBO Q4 Rosso Speciale」は、「2.0 TURBO Q4 VELOCE」をベースにボディカラーにエトナレッドを採用し、サンルーフを特別装備として追加した。限定は13台。

2023年9月30日(令和5年)、Quadrifoglioの100周年を記念した限定車「Quadrifoglio 100th Anniversario」を抽選予約開始[7]。全世界で各100台限定生産で、そのうち日本には21台が割り当てられる。2024年に発売予定のモデルチェンジ版(ベースモデルは2023年6月に仕様変更済み)をベースに、モントリオール グリーンのボディとカーボンVヴェゼルのフロントグリル、そしてゴールドのブレーキキャリパーをエクステリアに施し、機械式LSD(リミテッドスリップディファレンシャル)を装備。インテリアは、全席がレザー/アルカンターラシート、ダッシュボードには100周年記念特別ロゴのゴールドステッチを施した。

2023年11月28日(令和5年)、「2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO」(ジュリア・ステルヴィオ共)の仕様変更[8]。メカニカル・リミテッド・スリップ・ディファレンシャルをクワドリファリオとして初採用した。先に仕様変更したモデル同様12.3インチデジタルクラスターメーターを採用し、本グレード専用モードとして必要な情報をカスタマイズできる「Race」レイアウトが追加された。インテリアは専用のカーボンファイバー3D仕上げとして独特なマット仕上げとしている。

2024年3月8日、カスタマイズプログラム「Design Your Quadrifoglio」を同日から6月30日まで実施[9]。最上位モデルの「2.9 V6 BI-TURBO QUADRIFOGLIO」を自分好みにカスタマイズできる物で、ステルヴィオ/ジュリア共通仕様としてルーフはボディカラー同一かカーボンファイバールーフ、ブレーキは標準ディスクかカーボンセラミック製ブレーキディスク、シートはスポーツレザーシート(8ウェイパワー、パワーランバーサポート、パワーサイドサポート、ステアリングヒーター付き)かスパルコ社製カーボンバケットシート、カラーはアルファ レッド、ヴェズヴィオ グレー、ブルカノ ブラック、ミザーノ ブルー、モントリオール グリーンの5色から選択でき合計40通り(ジュリアのみ更にアルミホイールを2種から選択可なので合計80通りとなる)。

車名 編集

「STELVIO」は、イタリア北部のアルプス山中にある「ステルヴィオ峠」に由来する[10]

脚注 編集

  1. ^ アルファロメオのSUV『ステルヴィオ』、内外装を変更…改良新型を欧州発表”. レスポンス(Response.jp). 2022年10月29日閲覧。
  2. ^ 「Alfa Romeo GIULIA /STELVIO」を改良 - FCAジャパン 2020年8月20日
  3. ^ 「Alfa Romeo Stelvio」に新グレード「ヴェローチェ」を追加 - FCAジャパン 2021年6月28日(2021年7月2日閲覧)
  4. ^ 「Alfa Romeo Stelvio」全モデルの仕様を変更 新たに上質感を追求した新モデル「Stelvio Ti」を追加 - Stellantisジャパン 2022年3月22日(2022年4月7日閲覧)
  5. ^ 限定車「Alfa Romeo Giulia ESTREMA」 「Alfa Romeo Stelvio ESTREMA」を発売”. Stellantisジャパン (2022年7月12日). 2022年7月12日閲覧。
  6. ^ Alfa Romeo 「Giulia」、「Stelvio」の仕様を変更”. Stellantisジャパン (2023年5月29日). 2023年5月30日閲覧。
  7. ^ Alfa Romeo GiuliaおよびStelvio限定車 「Quadrifoglio 100th Anniversario」抽選予約受付を開始”. Stellantisジャパン (2023年9月29日). 2023年9月30日閲覧。
  8. ^ Alfa Romeo GiuliaおよびStelvio クアドリフォリオの仕様を向上”. Stellantisジャパン (2023年11月28日). 2023年11月28日閲覧。
  9. ^ アルファ ロメオのカスタマイズ プログラム 「Design Your Quadrifoglio」を実施”. Stellantisジャパン (2024年3月7日). 2024年3月11日閲覧。
  10. ^ STELVIO FIRST EDITION - アルファロメオ・ジャパン

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集