アルファヴィル』(仏語: Alphaville, une étrange aventure de Lemmy Caution, 直訳「アルファヴィル、レミー・コーションの不思議な冒険」)は、フランス映画監督ジャン=リュック・ゴダールによるSF映画。1965年公開。製作国はフランス及びイタリアベルリン国際映画祭金熊賞を、トリエステSF映画祭でグランプリを受賞した。

アルファヴィル
Alphaville, une étrange aventure de Lemmy Caution
監督 ジャン=リュック・ゴダール
脚本 ジャン=リュック・ゴダール
製作 アンドレ・ミシュラン
出演者 アンナ・カリーナ
音楽 ポール・ミスラキフランス語版
撮影 ラウール・クタール
編集 アニエス・ギュモ
配給 日本の旗 日本アート・シアター・ギルド
公開
上映時間 99分
製作国 フランスの旗 フランス
イタリアの旗 イタリア
言語 フランス語
製作費 $220,000
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概要 編集

「実験的、芸術的、冒険的、半SF」とゴダール自身が名付けたSFによる文明批評映画である。ディストピア的未来都市・アルファヴィルを描写するに当たり、セットやミニチュア等は用いられておらず、全て現実のパリ市街を使って撮影された。1965年1月4日から2月20日にかけて撮影は行われた[2]

助監督シャルル・L・ビッチジャン=ポール・サヴィニャックエレーヌ・カルーギン、そして俳優のジャン=ピエール・レオが固めた。

1965年5月5日、フランスで一般公開された。同年6月から7月にかけて開催された第15回ベルリン国際映画祭に出品され、最高賞である金熊賞を受賞した。同年7月、イタリアのトリエステSF映画祭でグランプリを受賞した。

1966年10月11日から19日にかけて第4回「フランス映画祭」が東京の東商ホールと草月ホールで開催された。ゴダールの『アルファヴィル』『気狂いピエロ』『男性・女性』のほか、『戦争は終った』『城の生活』『創造物』『悲しみの天使』『317小隊』『バルタザールどこへ行く』など計23本の映画が上映された。本作品は10月17日に上映された[3][4]。そして1970年5月30日に日本で一般公開された[1]

あらすじ 編集

コードナンバー003を持つシークレット・エージェント、レミー・コーションは「フィガロ=プラウダ紙のジャーナリスト、イワン・ジョンソン」を名乗り、感情や思想の自由など個人主義的な思想が排除された都市・アルファヴィルへと潜入する。彼の目的は、失踪したエージェントのアンリ・ディクソンを探すこと、アルファヴィルを建設したフォン・ブラウン教授を逮捕または抹殺すること、アルファヴィルを管理する人工知能アルファ60を破壊することであった。

キャスト 編集

評価 編集

レビュー・アグリゲーターRotten Tomatoesでは47件のレビューで支持率は91%、平均点は8.40/10となった[5]

脚注 編集

  1. ^ a b Alphaville, une étrange aventure de Lemmy Caution - IMDb(英語)
  2. ^ ベルガラ 2012, pp. 685.
  3. ^ 映画評論』1966年11月号、8-10頁、「秋は映画祭でオオ忙がし」。
  4. ^ 『映画情報』1966年11月号、国際情報社、「フランス映画の粋を集めて 第4回フランス映画祭の参加作品」。
  5. ^ Alphaville (1965)”. Rotten Tomatoes. Fandango Media. 2022年9月18日閲覧。

参考文献 編集

  • アラン・ベルガラ 著、奥村昭夫 訳『六〇年代ゴダール―神話と現場』筑摩書房〈リュミエール叢書〉、2012年9月25日。ISBN 978-4480873194 

外部リンク 編集