アルブチン (arbutin) はコケモモウワウルシなどの植物に含まれている天然型フェノール性配糖体である。シキミ酸経路から合成され、加水分解によりヒドロベンゾキノンとなる。

アルブチン
識別情報
CAS登録番号 497-76-7 チェック
PubChem 440936
ChemSpider 389765 チェック
UNII C5INA23HXF チェック
KEGG C06186 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL232202 ×
特性
化学式 C12H16O7
モル質量 272.25 g mol−1
融点

199.5 °C, 473 K, 391 °F

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

メラニン合成に関わるチロシナーゼに直接作用し、メラニンの合成を阻害するため、美白効果があるとして、化粧品などに使用されている。β型とα型がある。

また、利尿作用と尿路殺菌作用があり、尿路消毒薬とされる。

美白剤として 編集

2018年の色素沈着に対する成分を探したレビューでは、アルブチン単独での研究は、肝斑に対して1%濃度アルブチンを、天然か合成の1%濃度エラグ酸と比較した計10人でのランダム化比較試験しかなく、有効性を明確にするにはさらなる研究が必要である[1]

アルブチンは、グルコシル化したハイドロキノンであり[2]、同様の発がんリスクが潜んでいる可能性がある[3]

出典 編集

  1. ^ Jasmine C. Hollinger, Kunal Angra, Rebat M. Halder (2018-2). “Are Natural Ingredients Effective in the Management of Hyperpigmentation? A Systematic Review”. The Journal of clinical and aesthetic dermatology 11 (2): 28–37. PMC 5843359. PMID 29552273. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5843359/. 
  2. ^ O'Donoghue, J L (September 2006). “Hydroquinone and its analogues in dermatology – a risk-benefit viewpoint”. Journal of Cosmetic Dermatology 5 (3): 196–203. doi:10.1111/j.1473-2165.2006.00253.x. PMID 17177740. "The potential toxicity of HQ (hydroquinone) is dependent on the route of exposure" 
  3. ^ Treatment of hyperpigmentation problems / skin lightening [信頼性要検証]