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アンツィラナナ(Antsiranana)とは、マダガスカルの北端に位置する都市。1975年まではディエゴ・スアレス(Diego-Suárez)と呼ばれていた。アンツィラナナはアンツィラナナ自治州、およびダイアナ(Diana)地域圏の首府である。

Antsiranana
アンツィラナナ
アンツィラナナ
Antsirananaの位置(マダガスカル内)
Antsiranana
Antsiranana
Location of Antsiranana in Madagascar
座標:南緯12度18分 東経49度17分 / 南緯12.300度 東経49.283度 / -12.300; 49.283
マダガスカルの旗 マダガスカル
アンツィラナナ州
面積
 • 合計 42km2
人口
(2013)
 • 合計 115,015人
気候 サバナ気候

交通編集

アンツィラナナは天然の良港を持つが、マダガスカルの主要地域から離れていること、最近まで南部への道路網が整備されていなかったことから、第二次世界大戦後は物流拠点としては重要視されなくなっている。なお市内のアラチャート空港からマダガスカル各地へ定期便が運航されている。

歴史編集

フランス領時代編集

旧名のディエゴ・スアレスとは、ここを訪れたポルトガルの航海者ディエゴ・スアレスにちなんで命名された[1]1880年代にはいると、アンツィラナナの湾部は、蒸気船の給炭地を設けようとするフランスに狙われることとなった。フランスと当時マダガスカルを支配していたメリナ王国との最初の戦い(the first Franco-Hova War)の後、1885年12月17日に、メリナ王国の女王ラナバロナ3世ノシ・ベ島サント・マリー島とともに、アンツィラナナとその周辺部をフランスの保護領とする条約に調印した。なお、これらの地域は1896年に他のフランス領マダガスカル植民地に包括された。

日露戦争の際には、日本に向かう途中のバルチック艦隊がアンツィラナナに停泊して補給を行っている。

第二次世界大戦編集

1940年にフランス本土がドイツ軍の占領下におかれた際に、マダガスカルの植民地政府が枢軸国側のヴィシー政権側についた上に、1941年にイギリス軍との間に開戦した日本軍が瞬く間にインド洋からイギリス軍を放逐してインド洋全域の制海権を握った。その後イギリス軍をはじめとした連合国軍は、日本軍がマダガスカルを無血占領しアフリカ大陸へ勢力圏を広げることを阻止すべく、1942年にアンツィラナナをはじめとするマダガスカル全土への侵攻を行い、ヴィシー政府軍との間に戦闘が発生した。

同年5月には、ヴィシー政権からの依頼を受けてマダガスカルに展開した日本海軍の潜水艦から発進した特殊潜航艇が、アンツィラナナ港に停泊していたイギリス海軍艦隊を攻撃しタンカー1隻を撃沈、戦艦1隻を大破させた。この作戦で座礁した特殊潜航艇乗組の日本軍将兵2名(秋枝三郎中佐と竹本正己特務少尉)が上陸、イギリス軍兵士と交戦し戦死している。またこの作戦では岩瀬勝輔少尉と高田高三二等兵曹も戦死しており、アンツィラナナに4名の慰霊碑が建てられている。

しかし日本軍は戦略的に重要でないマダガスカルのヴィシー政権軍への軍事支援をこれ以上行わず、その後ヴィシー政権軍が連合国軍に敗北し、大戦終結までの間アンツィラナナは連合国軍の占領下におかれた。

独立以降編集

第二次世界大戦終結後に連合国軍は撤退し主権がフランスに返還された。その後1960年にマダガスカルが独立して以降もフランス軍はアンツィラナナに軍事基地を置いており、それは1973年にマダガスカルに社会主義革命が起こるまで続いた。

切手編集

切手についてはディエゴ・スアレスの切手(en)を参照のこと。

気候編集

Antsiranana (1961–1990, extremes 1941–present)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C (°F) 36.3
(97.3)
34.6
(94.3)
34.8
(94.6)
35.0
(95)
33.6
(92.5)
33.0
(91.4)
32.0
(89.6)
33.0
(91.4)
33.0
(91.4)
37.0
(98.6)
38.0
(100.4)
39.0
(102.2)
39.0
(102.2)
平均最高気温 °C (°F) 30.2
(86.4)
30.2
(86.4)
30.6
(87.1)
31.0
(87.8)
30.4
(86.7)
29.3
(84.7)
28.7
(83.7)
28.7
(83.7)
29.5
(85.1)
30.5
(86.9)
31.5
(88.7)
31.4
(88.5)
30.2
(86.4)
日平均気温 °C (°F) 26.0
(78.8)
26.0
(78.8)
26.2
(79.2)
26.3
(79.3)
25.4
(77.7)
24.1
(75.4)
23.5
(74.3)
23.4
(74.1)
24.1
(75.4)
25.2
(77.4)
26.3
(79.3)
26.5
(79.7)
25.2
(77.4)
平均最低気温 °C (°F) 22.8
(73)
22.7
(72.9)
22.9
(73.2)
22.6
(72.7)
21.6
(70.9)
20.2
(68.4)
19.6
(67.3)
19.4
(66.9)
20.0
(68)
21.2
(70.2)
22.5
(72.5)
22.9
(73.2)
21.5
(70.7)
最低気温記録 °C (°F) 17.0
(62.6)
16.6
(61.9)
14.0
(57.2)
17.8
(64)
16.2
(61.2)
13.5
(56.3)
13.8
(56.8)
13.0
(55.4)
14.7
(58.5)
16.3
(61.3)
18.2
(64.8)
18.7
(65.7)
13.0
(55.4)
雨量 mm (inch) 337.5
(13.287)
305.8
(12.039)
179.4
(7.063)
52.3
(2.059)
13.4
(0.528)
19.1
(0.752)
19.0
(0.748)
18.7
(0.736)
8.8
(0.346)
17.4
(0.685)
54.6
(2.15)
170.8
(6.724)
1,196.8
(47.118)
平均降水日数 (≥ 1.0 mm) 16 15 12 6 4 3 4 4 2 3 5 10 84
湿度 79 92 81 76 70 68 66 66 66 65 71 76 72
平均月間日照時間 189.2 170.0 214.9 256.4 284.8 256.5 273.1 283.6 293.3 306.8 281.5 228.9 3,039
出典 1: NOAA[2]
出典 2: Deutscher Wetterdienst (humidity, 1951–1967),[3] Meteo Climat (record highs and lows)[4]

出典編集

  1. ^ Boogaerde 2011, p. 40([1]).
  2. ^ Diego–Suarez/Antsir (Antsiranana) Climate Normals 1961–1990”. National Oceanic and Atmospheric Administration. 2015年10月19日閲覧。
  3. ^ Klimatafel von Antsiranana (Diégo-Suarez) / Madagaskar” (German). Baseline climate means (1961-1990) from stations all over the world. Deutscher Wetterdienst. 2016年6月10日閲覧。
  4. ^ Station Antsiranana” (French). Meteo Climat. 2016年6月10日閲覧。
  • Boogaerde, Pierre Van den (2011), Shipwrecks of Madagascar, Strategic Book Publishing, ISBN 9781612043395 

関連項目編集