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アーケイン (アニメ)

『アーケイン』（英: Arcane）は、ゲーム開発会社ライアットゲームズがNetflixと提携して企画・製作したアニメシリーズ[1][2]。アニメーションの制作はフランスのアニメスタジオFortiche（英語版）が担当した[3]。2021年7月8日よりNetflixで全世界に配信された[4]。また中国ではテンセントビデオにより配信された[2]。全9話の本作は各3エピソードずつの全3幕で構成されており、1週間に3話づつ配信された[5][6]。

アーケイン
Arcane: League of Legends
ジャンル
アニメ
原作 League of Legends
アニメーション制作 フランスの旗 Fortiche（英語版）
製作 アメリカ合衆国の旗 ライアットゲームズ
配信サイト 世界の旗 Netflix
中華人民共和国の旗 テンセント・ピクチャーズ
配信期間 世界の旗 2021年11月6日 (2021-11-06) -
日本の旗 2021年11月7日 (2021-11-07) -
話数 全9話
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

全世界でプレイヤー人口が1億人を超え、Eスポーツの競技の1つとして世界中でプロリーグが開催されているライアットゲームズのオンラインゲーム『League of Legends』を原作に、ゲームの前日譚を描いた初のアニメ作品[4][7]。ルーンテラという世界の魔法技術が進歩した豊かで先進的な地上都市「ピルトーヴァー」と暴力が支配する貧しく抑圧された地下都市「ゾウン」を舞台に、ゲームの登場人物であるヴァイとジンクスを巡るオリジナルストーリーが展開されている[1][8]。

登場人物 編集

ヴァイ
声 - ヘイリー・スタインフェルド/ 吹替 - 小林ゆう
ジンクス
声 - エラ・パーネル/ 吹替 - 上坂すみれ
パウダー（若き日のジンクス）
声 - ミア・シンクレア・ジェンネス（英語版）/ 吹替 - 玉野るな
ジェイス
声 - ケヴィン・アレハンドロ/ 吹替 - 宮崎遊
ケイトリン
声 - ケイティ・リューング、モリー・ハリス/ 吹替 - 甲斐田裕子
シルコ
声 - ジェイソン・スピサック/ 吹替 - 佐藤せつじ
メル
声 - トックス・オラグンドイ（英語版）/ 吹替 - 松井暁波
ビクター
声 - ハリー・ロイド/ 吹替 - 下川涼
ヴァンダー
声 - JB・ブラン/ 吹替 - 藤井隼
エコー
声 - リード・シャノン、マイルズ・ブラウン（英語版）/ 吹替 - 畠中祐
ハイマーディンガー
声 - ミック・ウィンガート（英語版）/ 吹替 - 花江夏樹
マーカス
声 - レミー・ハイ（英語版）/ 吹替 - 中村源太
マイロ
声 - ユーリ・ローエンタール/ 吹替 - 村瀬歩
クラガー
声 - ロジャー・クレイグ・スミス/ 吹替 - 武蔵真之介
デッカード
声 - ジョシュ・キートン/ 吹替 - 八代拓
ベンゾー
声 - フレッド・タタショア/ 吹替 - 小林達也
グレイソン
声 - ショーレ・アグダシュルー/ 吹替 - 桜岡あつこ
シンジド
声 - ブレット・タッカー（英語版）/ 吹替 - 青山穣
フィン
声/ 吹替 - MIYAVI

エピソード一覧 編集

スタッフ 編集

制作 編集

本シリーズの制作は、2019年10月に開催された『League of Legends』の10周年記念イベントで発表された[1]。

アニメ制作会社は、2009年に設立されたフランスのFortiche Production、監督は『トイ・ストーリー2』の原案&共同監督であり、『サーフズ・アップ』の監督としても知られるアッシュ・ブラノン[5]。

本作は、「原作の『League of Legends』をやったことがない人でも抵抗なく観られるように」という考えのもと制作された[9]。

制作は順風満帆ではなく、企画がライオットゲームズの上層部に却下されたり[10]、第1話制作中に第2、3話の脚本が却下されて制作が一時中止になったりしている[11]。また、当初2020年内に配信開始を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で2021年まで延期となった[12]。

シーズン1終了後の2021年11月、ライオットゲームズとNetflixはシーズン2の制作を決定したことを発表[2]。また2022年3月にライアットゲームズは、Fortiche Productionへの出資を行ったことを発表した[13]。

サウンドトラック 編集

主題歌「Enemy（エネミー）」を提供するイマジン・ドラゴンズとラッパーJID（英語版）をはじめ、ビー・ミラー、カーティス・ハーディング（英語版）、ジャズミン・サリヴァン、スティング、プシャ・Tといった世界的アーティストが名を連ね、日本からは声優キャストとしても本作に携わっているMIYAVIが参加している[7][14][15]。すべて本作のために書き下ろしたオリジナル楽曲で、各エピソードごとにチェンジされる[16]。

評価 編集

配信されるとすぐにグローバルのNetflix週間視聴ランキング・テレビシリーズ（英語）部門で第2位にランクインし、米国の大手映画批評サイト「Rotten Tomatoes（ロッテントマト）」では批評家100%・観客98%という異例の高得点を記録、米メディア調査会社Parrot Analyticsが調査結果をもとに発表している「もっとも需要のある新シリーズランキング」では数週間にわたりトップを独走していた『イカゲーム』から首位を奪うなど、世界中で高い評価を得た[3][17][18]。

アニメーションはすべて3DCGで制作されている[19]。絵画のような絵筆を感じさせるタッチや微妙な陰影のある色調のフランス語圏の漫画の一般的な手法である「バンド・デシネ」調の描画は、日本や米国のCGアニメとは一線を画している[18]。

ゲーム原作アニメでありながら、原作へのリスペクトはありつつも一切の忖度なく、自分たちのセンスで物語を再構築して完全に独立した普遍的な作品を作ったことも、原作ゲームファンのみならず、アニメや映画の批評家やファンからも高い評価を得た一因となっている[20]。

受賞 編集

プライムタイム・エミー賞アニメーション部門（Outstanding Animated Program）を受賞[21][注 1]。ストリーミング番組が受賞するのは初めてのことだった[21]。

第49回アニー賞で、テレビシリーズ部門において作品賞を含む9冠に輝いた[8][22][注 2]。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 対象は第6エピソード「壁が崩れ去る時」。
  2. ^ 「Best Writing」「Best Voice Acting」「Best Character Design」「Best Character Animation」「Best TV/Media - General Audience」「Best Production Design」「Best Storyboarding」「Best Direction」「Best FX」の9部門を受賞。

出典 編集

  1. ^ a b c “「リーグ・オブ・レジェンド」初のアニメシリーズ“Arcane”はNetflixで2021年秋より配信へ”. 4Gamer.net. Aetas (2021年5月6日). 2023年1月5日閲覧。
  2. ^ a b c “「リーグ・オブ・レジェンド」，アニメシリーズ"Arcane"SEASON 2の制作が決定”. 4Gamer.net. Aetas (2021年11月22日). 2023年1月5日閲覧。
  3. ^ a b “「Arcane」の同時視聴＆オンライン・トークライブのレポートが公開に。小林ゆうさん等の出演声優が作品について語る”. 4Gamer.net. Aetas (2021年12月6日). 2023年1月5日閲覧。
  4. ^ a b 小澤康平 (2021年11月7日). “プレイヤー人口1億人超のゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」Netflixでアニメ化! 声優陣、映像美、音楽から魅力に迫る”. 映画ナタリー. 株式会社ナターシャ. 2023年1月5日閲覧。
  5. ^ a b 平沢薫 (2021年11月7日). “最狂の姉妹ゲンカ勃発! Netflix新作アニメ「Arcane（アーケイン）」がヤバい”. シネマトゥデイ. 株式会社シネマトゥデイ. 2023年1月5日閲覧。
  6. ^ “美麗なCGアニメーション『アーケイン』上坂すみれ、花江夏樹らインタビュー映像解禁”. ORICON NEWS. オリコン (2021年11月12日). 2023年1月5日閲覧。
  7. ^ a b “イマジン・ドラゴンズ「Enemy」が大ヒットになった理由: アルバムが商業的に“失敗”してからの復活劇”. uDiscovermusic. ユニバーサルミュージック (2022年5月10日). 2023年1月5日閲覧。
  8. ^ a b “アニメ『Arcane』アニー賞で9冠 世界を熱狂させた姉妹の愛憎劇”. KAI-YOU.net. 株式会社カイユウ (2022年3月14日). 2023年1月5日閲覧。
  9. ^ 小澤康平 (2021年11月19日). “Netflixアニメシリーズ「Arcane アーケイン」を「ULTRAMAN」「攻殻機動隊 SAC_2045」の荒牧伸志が徹底解説 (1)”. 映画ナタリー. 株式会社ナターシャ. 2023年1月5日閲覧。
  10. ^ “「LoL」が原作のNetflixアニメ「Arcane」，制作ドキュメンタリー「アーケイン：分断を越えて」のパート1を公開”. 4Gamer.net. Aetas (2022年8月5日). 2023年1月5日閲覧。
  11. ^ “Netflixアニメ「Arcane」，制作ドキュメンタリーのパート2を公開。制作が一時中止になる危機的状況で再起を図る”. 4Gamer.net. Aetas (2022年8月16日). 2023年1月5日閲覧。
  12. ^ 重田雄一 (2021年5月6日). “『リーグ・オブ・レジェンド』初のアニメシリーズ『Arcane』が2021年秋よりNetflixで配信!”. IGN Japan. 産経デジタル. 2023年1月5日閲覧。
  13. ^ “ライアットゲームズが『リーグ・オブ・レジェンド』オリジナルアニメ「アーケイン」制作会社への多額の出資を発表”. Game*Spark. イード (2022年3月16日). 2023年1月5日閲覧。
  14. ^ 黒田隆憲 (2021年11月19日). “Netflixアニメ「Arcane アーケイン」に楽曲提供し、声優も務めたMIYAVIが語るガールズパワー (1)”. 映画ナタリー. 株式会社ナターシャ. 2023年1月5日閲覧。
  15. ^ “MIYAVIが「リーグ・オブ・レジェンド」アニメシリーズの音楽に参加、サントラ配信決定”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2021年10月27日). 2023年1月5日閲覧。
  16. ^ “Netflix「アーケイン」 : 特集”. 映画.com. 株式会社エイガ・ドット・コム (2021年11月8日). 2023年1月5日閲覧。
  17. ^ “Netflixアニメ『Arcane』世界支持を分析 徹底した世界観の具現化 繰り返し視聴のファン獲得で統括ディレクター「新しい発見をされている」”. ORICON NEWS. オリコン (2021年12月8日). 2023年1月5日閲覧。
  18. ^ a b 平沢薫 (2021年11月23日). “批評家も絶賛！話題のNetflixアニメ「アーケイン」は何がスゴいのか”. シネマトゥデイ. 株式会社シネマトゥデイ. 2023年1月5日閲覧。
  19. ^ “そうだ アニメ，見よう：第144回はLoLのアニメ化作品「Arcane（アーケイン）」。ヴァイとジンクスの姉妹バトルが勃発”. 4Gamer.net. Aetas (2021年12月9日). 2023年1月5日閲覧。
  20. ^ “全世界で大絶賛された『LoL』原作アニメ『Arcane（アーケイン）』がマジですごい。原作ファンへの忖度ゼロの超独自解釈な二次創作なのにめちゃくちゃ面白いので、「原作エアプ勢」こそ絶対見たほうがいいという話”. 電ファミニコゲーマー. 株式会社マレ (2021年12月9日). 2023年1月5日閲覧。
  21. ^ a b “『LoL』アニメ「アーケイン」がエミー賞アニメ部門を受賞! ストリーミング作品では初めて”. Game*Spark. イード (2022年9月5日). 2023年1月5日閲覧。
  22. ^ “アニー賞で「ミッチェル家とマシンの反乱」8冠、「Arcane」はTV部門総なめ”. 映画ナタリー. 株式会社ナターシャ (2022年3月13日). 2023年1月5日閲覧。

外部リンク 編集

 

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