アート・アンサンブル・オブ・シカゴ
アート・アンサンブル・オブ・シカゴ(Art Ensemble Of Chicago)は、アメリカ合衆国シカゴ出身のフリー・ジャズ・バンド。「多楽器主義」を掲げ、ステージ上に膨大な数の楽器を並べて、それらすべてを演奏することで知られる[1]。
アート・アンサンブル・オブ・シカゴ Art Ensemble Of Chicago | |
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アート・アンサンブル・オブ・シカゴ(2017年) | |
基本情報 | |
出身地 | アメリカ合衆国 イリノイ州シカゴ |
ジャンル | フリー・ジャズ |
活動期間 | 1966年 - |
レーベル |
デルマーク・レコード ECMレコード DIW アトランティック・レコード PI Recordings |
公式サイト |
www |
メンバー |
レスター・ボウイ ジョセフ・ジャーマン ロスコー・ミッチェル マラカイ・フェイヴァーズ ドン・モイエ |
来歴
編集シカゴのアフリカ系アメリカ人音楽家による自助組織「AACM」(Association for the Advancement of Creative Musicians、1965年発足)[1]のメンバーにより、前身バンドであるロスコー・ミッチェル・セクステットが1966年に結成され、1968年にレコード・デビュー。その後、メンバー・チェンジを経てロスコー・ミッチェル・アート・アンサンブルとして活動し、1969年から1971年にかけてパリを拠点に活動。この頃にアート・アンサンブル・オブ・シカゴと改名して、ブリジット・フォンテーヌのアルバム『ラジオのように』(1969年)の制作に参加。そして、ドンが加入してからは、20年以上に渡って同じラインナップで活動する。
1974年、初の日本公演を行う。1978年にはECMレコードに移籍し、知名度を更に高める。
1980年代後半には、日本のレーベルDIW(ディスクユニオンの社内レーベル)と契約。移籍第1作の『エンシェント・トゥ・ザ・フューチャー(Ancient To The Future, Vol.1)』(1987年)は、多くのカバー曲(デューク・エリントン、オーティス・レディング、ボブ・マーリー、ジミ・ヘンドリックス、フェラ・クティ)を収録。
セロニアス・モンクに捧げたトリビュート・アルバム『セロニアス・スフィア・モンク』(1991年)では、セシル・テイラーと共演し、『ドリーミング・オブ・マスターズ組曲』(1991年)と並行して制作された。この制作時期に来日公演を行い『ライヴ・アット・トーキョー・ミュージック・ジョイ '90』(1990年)も残している。これらの作品がDIWレーベルにおける最後の作品となり、次作は自らが設立したレーベル、AECOレコード (AECO Records) に戻って発売された。1993年にジョセフが脱退。残された4人は、1998年にアトランティック・レコードから『Coming Home Jamaica』を発表するが、1999年、レスターが死去した。
2001年9月、レスターへのトリビュート・アルバム『レスター・ボウイに捧ぐ』を録音し、2003年に発売した。ECMレコードにおける録音は『サード・ディケイド』(1985年)以来のことであった。次作『Reunion』(2003年)からジョセフがバンドに復帰するが、2004年にはマラカイも死去。バンドは、新たなトランペット奏者とベーシストを迎えて活動を続けた。
メンバー
編集担当楽器も併せて記載[2]。
- ジョセフ・ジャーマン
- サクソフォーン(ソプラニーノ/ソプラノ/アルト/テナー/バリトン/バス)、クラリネット、バスクラリネット、バスーン、フルート、アルトフルート、ピッコロ、チェレスタ、ゴング、コンガ、ホイッスル、ボーカル他
- ロスコー・ミッチェル
- サクソフォーン(ソプラニーノ/ソプラノ/アルト/テナー/バリトン/バス)、クラリネット、フルート、ピッコロ、ボンゴ、グロッケンシュピール、スティールパン、コンガ、ホイッスル、ボーカル他
- マラカイ・フェイヴァーズ
- ドン・モイエ
ディスコグラフィ
編集前身バンドの作品
編集- ロスコー・ミッチェル・セクステット, 『サウンド』 - Sound(1966年8月録音)(Delmark) 1966年
- ロスコー・ミッチェル, 『オールド、クォーテッド』 - Old/Quartet(1967年5月、11月録音)(Nessa→Bomba) 1975年
- レスター・ボウイ, 『ナンバーズ 1 & 2』 - Numbers 1 & 2(1967年8月録音)(Nessa) 1967年
- アート・アンサンブル名義, Early Combinations (1967年9月、11月録音)(Nessa) 2012年
- ロスコー・ミッチェル・アート・アンサンブル名義, 『コングリプシャス』 - Congliptious(1968年2月、3月録音)(Nessa) 1968年
アート・アンサンブル・オブ・シカゴ名義の作品
編集- 『ア・ジャクソン・イン・ユア・ハウス』 - A Jackson In Your House(1969年6月23日録音)(BYG Actuel) 1969年(BYG 3部作の1)
- 『ツタンカーメン』 - Tutankhaman(1969年6月26日録音)(Freedom/Black Lion) 1969年
- 『ザ・スピリチュアル』 - The Spiritual(1969年6月26日録音)(Freedom/Black Lion) 1969年
- 『苦悩の人々』 - People In Sorrow(1969年7月録音)(EMI) 1969年
- 『メッセージ・トゥ・アワ・フォークス』 - Message To Our Folks(1969年8月12日録音)(BYG Actuel) 1969年(BYG 3部作の2)
- 『リース・アンド・ザ・スムース・ワンズ』 - Reese And The Smooth Ones(1969年8月12日録音)(BYG Actuel) 1969年(BYG 3部作の3)
- Eda Wobu(1969年10月録音)(JMY) 1969年
- ブリジット・フォンテーヌおよびアレスキ・ベルカセムと共同名義, 『ラジオのように』 - Comme à la radio (Saravah) 1969年
- 『サーティン・ブラック』 - Certain Blacks(1970年2月録音)(America) 1970年
- Go Home(1970年3月~4月録音)(Galloway) 1973年
- 『チ・コンゴ』 - Chi-Congo(1970年5月~6月録音)(Decca/Paula) 1974年
- 『レ・スタンス・ア・ソフィー』 - Les Stances a Sophie(1970年7月録音)(Pathé-Marconi) 1970年
- 『ライヴ・イン・パリ』 - Live in Paris(1970年8月録音)(BYG Actuel Japan) 1974年
- フォンテラ・バスと共同名義, Art Ensemble of Chicago with Fontella Bass(1970年8月録音)(America) 1971年
- 『フェーズ・ワン』 - Phase One(1971年2月録音)(America) 1971年
- Live At Mandel Hall(1972年1月録音)(Delmark) 1972年(シカゴにおけるライブ)
- 『バプティズム』 - Bap-Tizum(1972年9月録音)(Atlantic) 1973年
- 『戦士への讃歌』 - Fanfare For The Warriors(1973年9月録音)(Atlantic) 1973年
- Kabalaba: Live At Montreux Jazz 1974(1974年7月録音)(AECO) 1978年(モントルー・ジャズ・フェスティバルにおけるライブ)
- 『ナイス・ガイズ』 - Nice Guys(1978年5月録音)(ECM) 1979年
- 『ライヴ・イン・ベルリン』 - Live in Berlin(1979年3月録音)(West Wind) 1991年(ベルリンにおけるライブ。CD2枚組)
- 『フル・フォース』 - Full Force(1980年1月録音)(ECM) 1980年
- 『アーバン・ブッシュマン』 - Urban Bushmen(1980年5月録音)(ECM) 1982年(ミュンヘンにおけるライブ)
- Among the People(1980年8月録音)(Praxis) 1981年。(ミラノにおけるライブ)
のち(改題・再発)Live In Milano (Golden Years Of New Jazz) 2001年。 - Live in Japan(1984年4月録音)(DIW) 1985年。(「東京簡易保険会館」におけるライブ)
のち(曲目追加・再発)『コンプリート・ライヴ・イン・ジャパン '84』 - The Complete Live In Japan (DIW/THINK!) 1988年。(CD 2枚組) - 『サード・ディケイド』 - The Third Decade(1984年6月録音)(ECM) 1985年
- 『ネイキッド』 - Naked(1985年11月~1986年7月録音)(DIW) 1986年
- 『エンシェント・トゥ・ザ・フューチャー』 - Ancient To The Future, Vol.1(1987年3月録音)(DIW) 1987年
- 『ジ・オルタネート・エクスプレス』 - Alternate Express(1989年1月録音)(DIW) 1989年
- 『アート・アンサンブル・オブ・ソウェト』 - The Art Ensemble Of Soweto(1989年12月~1990年1月録音)(DIW) 1990年
- 『アメリカ・サウス・アフリカ』 - America - South Africa(1989年12月~1990年1月録音)(DIW) 1990年
- セシル・テイラーと共同名義, 『セロニアス・スフィア・モンク』 - Thelonious Sphere Monk: Dreaming of the Masters, Vol. 2(1990年1月~3月録音)(DIW) 1991年
- 『ドリーミング・オブ・マスターズ組曲』 - Dreaming of the Masters Suite(1990年1月~3月録音)(DIW) 1991年
- 『ライヴ・アット・トーキョー・ミュージック・ジョイ '90』 - Live at the 6th Tokyo Music Joy(1990年2月録音)(DIW) 1990年(「昭和女子大学人見記念講堂」におけるライブ)
- ドン・プーレンと共同名義, Fundamental Destiny(1991年6月録音)(AECO) 2007年(フランクフルトにおけるライブ)
- Salutes the Chicago Blues Tradition(1993年7月録音)(AECO) 1993年(ジュネーヴにおけるライブ。CD2枚組)
- Coming Home Jamaica(1995年12月~1996年1月録音)(Atlantic) 1998年
- Urban Magic(1997年6月録音)(Musica) 2003年
- 『レスター・ボウイに捧ぐ』 - Tribute to Lester(2001年9月録音)(ECM) 2003年
- Reunion(2003年1月録音)(Around jazz / Il Manifesto) 2003年(ローマにおけるライブ)
- 『邂逅』 - The Meeting(2003年春録音)(Pi Recordings) 2003年
- Sirius Calling(2003年4月24日~26日録音)(Pi Recordings) 2004年
- Non-Cognitive Aspects of the City: Live at Iridium(2004年4月2日、3日録音)(Pi Recordings) 2006年(「イリジウム・ジャズ・クラブ」におけるライブ)