イオンモール京都桂川

日本の京都府京都市南区にあるショッピングセンター

イオンモール京都桂川(イオンモールきょうとかつらがわ)は、京都市南区および向日市に跨って所在するショッピングセンター[2]

イオンモール京都桂川
AEON MALL KYOTO KATSURAGAWA
地図
地図
店舗概要
所在地 京都府京都市南区久世高田町376番1
座標 北緯34度57分47秒 東経135度42分27.4秒 / 北緯34.96306度 東経135.707611度 / 34.96306; 135.707611 (イオンモール京都桂川)座標: 北緯34度57分47秒 東経135度42分27.4秒 / 北緯34.96306度 東経135.707611度 / 34.96306; 135.707611 (イオンモール京都桂川)
開業日 2014年平成26年)10月17日[1][2]
正式名称 イオンモール京都桂川
施設所有者 イオンモール株式会社[5]

三井住友信託銀行[6]
施設管理者 イオンモール株式会社
施工者 竹中工務店[8]
敷地面積 約91,973 m2[9]
延床面積 約214,000 m2[10]
商業施設面積 約77,000 m2[10]
*大店立地法:53,049 m2[9]
中核店舗 イオン京都桂川店[7]

イオンスタイル京都桂川
店舗数 約220店[2]
営業時間 店舗により異なる
駐車台数 約3,100台[1][2]
前身 キリンビール京都工場[3][4]
最寄駅 JR京都線桂川駅隣接[1][2]
阪急京都線洛西口駅[1]
最寄IC 名神高速道路 京都南IC
京都縦貫自動車道 沓掛IC大原野IC
外部リンク 公式サイト
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概要 編集

キリンビール京都工場跡地約24.6ヘクタール[11]の再開発地区である「京都桂川つむぎの街」[12]の一角に開設されたショッピングセンターである[13]。京都市南区と向日市に跨って存在するが、敷地の約3分の2が京都市側である。

なお、2019年現在では市町村境を跨ぐ日本でのイオン運営の店舗は、この店舗とイオンモール奈良登美ヶ丘(奈良県生駒市と奈良市)、イオンモール高の原(京都府木津川市と奈良県奈良市)、イオンモール四條畷(大阪府四條畷市と寝屋川市)の4例のみである。

2008年(平成20年)10月18日に開設された西日本旅客鉄道(JR西日本)東海道本線JR京都線桂川駅の西側に[14]屋根付きの歩道橋で直結しており[2]、2003年(平成15年)に開設された阪急電鉄洛西口駅からも約300mほどと徒歩圏内に位置している[3]

近隣には京都第二外環状道路国道171号があり、約3,100台収容の駐車場を設置して自動車での来店にも対応している[3]。駐車場内には電気自動車急速充電器・普通充電器を4台ずつ設置している[15]

開業時点では、総合スーパー「イオン」やシネマコンプレックスイオンシネマ」のほか、約220の専門店が入居している地上4階・地下1階建てのモール棟と、スポーツクラブが入る地上2階建てのフィットネス棟で構成されている[3]

地元の向日市の竹林をモチーフにして竹細工をデザインに取り入れているほか、知恩院の大屋根を模した入口(桂川駅側)、円形窓やあんどんの明かり、桂離宮をイメージした深い軒など、古都の伝統を思わせる意匠を随所に採用している[3][16]

市場をイメージした食品関連の売り場「桂川市場」を1階に設けたほか[3]、2階に[3]路地をモチーフとしたレストラン街「洛西小路」を設けるなど[17]、売り場部分にも京都の町の要素を取り入れている[3]

また、地域の催しなどで利用できる「桂川舞台」を設置した広場も開設された[3]

開業前に提出された大店立地法に基づく届出面積は53,049m2[9]、飲食店街やシネマコンプレックスなどの非物販を合わせた店舗面積は約77,000m2と開業時点では髙島屋京都店や大丸京都店を上回る京都府最大の商業施設となった[14]。(高島屋京都店:46,406m2[18]、大丸京都店:46,500m2[18]

また、当ショッピングセンターは商圏として乙訓地域と京都市南西部のほか、亀岡市南丹市大阪府高槻市までを想定している[11]

当施設の開業までに、阪急京都線の立体交差化や跡地南側の交差点改良といった抜本的な渋滞緩和策が間に合わないことから、ピーク時には1時間当たり約900台、休日で約5,600台を超えるとされる乗用車による来店客による影響で、通学路の安全性など道路交通への悪影響の恐れが指摘されていた[11]。さらに、地元向日市の中心部である阪急東向日駅周辺の商店街など既存の商業施設の空洞化をもたらし、高齢者が近隣で買い物できなくなる買い物難民が生じることなども懸念されていた[11]。こうした懸念を配慮し、地元の向日市が2014年(平成26年)10月1日に建設産業部内に「イオンモール対策室」を設置し、周辺の道路の渋滞発生や近隣の住宅地内の道路への自動車の侵入防止といった交通対策や、地元の商店街などへの影響に対応することになった[10]

開業の影響で、当店から西へ約3㎞離れた洛西ニュータウンのショッピングセンター「ラクセーヌ」では、核店舗の高島屋洛西店が青果専門店「京都八百一」を導入して野菜売り場を改装したほか、駐車場の一角にニトリの出店を進めるなど近隣の大型店も対抗策を打ち出した[14]。開業時には従来イオン洛南ショッピングセンターや近隣にあるダイエーを利用していた買い物客の一部が当店に移ってきている[19]

また、当店の開業に合わせて京阪京都交通が10月10日からJR亀岡駅行きなど3路線を新設したほか、京都市営バスヤサカバスも新路線を開設するなど、公共交通の利便性も向上した[1]。なお、京阪京都交通のJR桂川駅前 - 亀岡駅前の路線については、2015年3月13日の運行を以て運行終了となった[20]

沿革 編集

  • 1962年(昭和37年) - 寶酒造京都麦酒工場開業、タカラビールの製造を開始[21]
  • 1967年(昭和42年) - 寶酒造がビール事業から撤退。京都麦酒工場がキリンビールに譲渡される。
  • 1999年(平成11年)8月 - キリンビールが京都工場の操業を終了。併設されていたキリン京都ビアパークはリニューアルをして引き続き営業される。
  • 2002年(平成14年)10月25日 - 工場跡地である「京都久世高田・向日寺戸地域」が「都市再生特別措置法」による「都市再生緊急整備地域」に指定。
  • 2003年(平成15年)
    • 3月16日 - 阪急電鉄洛西口駅が開業。
    • 8月 - キリンビールが京都工場跡地の再開発計画を発表[22]。それに伴い12月28日でキリンビアパークを閉鎖。地元への説明会では、90mクラスの高層マンション6棟、百貨店や量販店などの大型商業施設、教育施設、ホテルなどの開発構想が発表されたが、不況で計画が進まずその後白紙化される。[要出典]
  • 2008年(平成20年)
  • 2010年(平成22年)3月 - 当地の土地区画整理事業が完了[要出典]
  • 2011年(平成23年)2月2日 - キリンビールが工場跡地の一部をイオンモールに売却する契約を締結[24]
  • 2013年(平成25年)
    • 5月23日 - イオンモールが「(仮称)イオンモール京都桂川」の開発計画を発表[16]
    • 6月27日 - イオンモール京都桂川の起工式が行い、着工[11]
  • 2014年(平成26年)
    • 10月1日 - 向日市が建設産業部内に「イオンモール対策室」を設置[10]
    • 10月10日 - イオンモール京都桂川ソフトオープン(プレオープン)[7][25]
    • 10月17日 - イオンモール京都桂川全面開業[1][2][8]

主なテナント 編集

開業時点では、総合スーパー「イオンスタイル京都桂川店(近畿地区のイオン初のイオンスタイル)[8]」やシネマコンプレックス「イオンシネマ京都桂川」(12スクリーン、計約2,100席)[26]のほか、約220の専門店が入居している地上4階・地下1階建てのモール棟と、スポーツクラブが入る地上2階建てのフィットネス棟で構成されている[2][3]

市場をイメージした食品関連の売り場「桂川市場」を1階に設けたほか[3]、2階に[3]路地をモチーフとしたレストラン街「洛西小路」を設けるなど[17]、売り場部分にも京都の町の要素を取り入れている[17]

開業時の専門店約220店のうち、約半分の110店舗が京都府内初出店の店舗で占められていたが[27]、大垣書店やパンの志津屋[17]、「京のお肉処 弘」[27]雑貨店「イノブン」[17]、中華料理店「中華食房ハマムラ」など地元の32店も出店した[3]

出店店舗全店の一覧・詳細情報は公式サイト「ショップガイド」を、営業時間およびATM稼働時間の詳細は公式サイト「モールガイドの営業時間のご案内」を参照。

周辺施設 編集

イオンモール京都桂川を題材にした作品 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f “商業地図塗り替えも イオンモール京都桂川開業”. 京都新聞 (京都新聞社). (2014年10月17日)
  2. ^ a b c d e f g h 富永浩三(2014年10月18日). “イオンモール京都桂川:全面開業 府内最大規模、年1500万人集客目指す”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o “向日の竹林と京町家イメージ イオンモール京都桂川”. 京都新聞 (京都新聞社). (2014年7月19日)
  4. ^ a b 世瀬周一郎、関口圭 (2014年7月17日). “関西の羅針盤 ニシキタを追い掛けろ 第2章 暮らし先進地(8)”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社)
  5. ^ 大規模小売店舗立地法による届出に対する市の意見について (PDF) - 京都市産業観光局、2014年2月16日閲覧。
  6. ^ 承継届出書 (PDF) - 京都市産業観光局、2015年4月7日閲覧。
  7. ^ a b “イオンモール京都桂川オープン”. 繊研新聞 (繊研新聞社). (2014年10月20日)
  8. ^ a b c 「イオンモール京都桂川」10月17日(金)グランドオープン (PDF) - イオンモール (2014年10月17日)
  9. ^ a b c “(仮称)イオンモール京都桂川店出店について”. 向日市商工会情報 2013年7月号 (向日市商工会). (2013年7月)
  10. ^ a b c d “京都・向日市がイオンモール対策室 周辺交通影響など調査”. 京都新聞 (京都新聞社). (2014年9月25日)
  11. ^ a b c d e 大西保彦 (2013年7月10日). “取材ノートから キリンビール京都工場跡再開発 「まち」創出へ連携密に”. 京都新聞 (京都新聞社)
  12. ^ “愛称は「京都桂川つむぎの街」 キリンビール工場跡地”. 京都新聞 (京都新聞社). (2014年4月17日)
  13. ^ “まちづくり、市域越え 京都市と向日市、15日交流宣言”. 京都新聞 (京都新聞社). (2014年10月8日)
  14. ^ a b c “今秋開業イオン客誘い込め 京都・南区、周辺既存店が対抗”. 京都新聞 (京都新聞社). (2014年6月6日)
  15. ^ イオンモール京都桂川公式ホームページ :: イオンモール京都桂川の取り組み 2015年1月16日閲覧
  16. ^ a b 「(仮称)イオンモール京都桂川」の開発計画について (PDF) - イオンモール株式会社 2013年5月23日
  17. ^ a b c d e “吹き抜けにぐるり220店 イオンモール京都桂川、17日開業”. 京都新聞 (京都新聞社). (2014年10月9日)
  18. ^ a b 安倉良二『日本の商業政策の転換による大型店の立地再編と中心市街地への影響に関する地理学的研究』 早稲田大学〈博士(学術) 乙第2375号〉、2013年。hdl:2065/40253NAID 500000574810https://id.ndl.go.jp/bib/024808172 
  19. ^ “中核施設へ期待 イオンモール京都桂川開業”. 京都新聞 (京都新聞社). (2014年10月18日)
  20. ^ イオンモール京都桂川線 91号系統の運行終了について”. 京阪京都交通 (2015年2月10日). 2015年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月13日閲覧。
  21. ^ 宝ホールディングス『宝ホールディングス90周年記念誌』2016年、11頁。 
  22. ^ a b 仲底まゆみ (2014年8月12日). “駅前をダイナミックに変える 駅/商/遊/職/学/住 複合の「京都桂川つむぎの街プロジェクト」”. HOME'S PRESS. 2015年2月22日閲覧。
  23. ^ “JR新駅「桂川駅」に 東海道線 10月18日開業”. 京都新聞 (京都新聞社). (2008年6月18日)
  24. ^ “今秋開業イオン客誘い込め 京都・南区、周辺既存店が対抗”. 朝日新聞(朝日新聞社). (2011年2月12日)
  25. ^ イオンモール京都桂川の10月10日プレオープンの模様”. 京都スマイルツウシン (2014年10月10日). 2015年2月22日閲覧。
  26. ^ “十字路 情報スクランブル 京都 最新設備で映画堪能を”. 中日新聞 (中日新聞社). (2014年10月19日)
  27. ^ a b “イオンモール桂川、半数が京都府内初出店”. 京都新聞 (京都新聞社). (2014年6月17日)
  28. ^ “オムロンヘルスケア キリン工場跡に地新本社ビル完成”. 京都新聞 (京都新聞社). (2011年10月5日)
  29. ^ “京都銀行、大規模な新研修施設”. ニッキン (日本金融通信社). (2014年4月18日)

関連項目 編集

外部リンク 編集