チェルニーヒウ (コルベット)

U205 ヴィーンヌィツャ(ウクライナ語:U205 Чернігівチェルニーヒウ)は、ウクライナコルベット(Корвет)である。艦名は同名の都市名に因む。

イズマイール
U205 チェルニーヒウ
艦歴
イズマイール
Измаил
起工 1978年1月12日 ゼレノドーリスク造船工場
進水 1980年6月22日
竣工 1980年12月28日
所属 ソ連国家保安委員会
ロシア海軍黒海艦隊
除籍 1992年11月26日
U205 チェルニーヒウ
U205 Чернігів
編入 1992年6月
所属 ウクライナ海軍
除籍 2004年4月7日
要目
艦種 コルベット
艦型 1124-P号計画「アリバトロース」型
工場番号 777
排水量 基準排水量 890 t
満載排水量 1010 t
全長 71.2 m
全幅 10.15 m
喫水 3.6 m
機関 ガスタービンM-813 2 基 18000 馬力
ディーゼルM-507A 2 基 20000 馬力
3 基
推進 2推進
電源 ディーゼル発電機DG-500 1 基
ディーゼル発電機DG-300 1 基
ディーゼル発電機DG-200 1 基
タービン発動機2 基 各1250 kWt
速力 最大速度 32 kn
ディーゼル機関1 基 7 kn
ディーゼル機関2 基 16 kn
ガスタービン機関 21 kn
航続距離 4000 /10 kn
2750 浬/14 kn(ディーゼル機関)
950 浬/27 kn
活動日数 9 日
燃料 130 t
10.5 t
27.2 t
乗員 士官 9 名
水兵 70 名
武装 57 mm連装両用AK-725 2 基(弾数各500 発)
533 mm2連装魚雷発射管DTA-53-1124 2 基(SET-65またはエノート2魚雷4 本)
12連装対潜ロケット弾発射機RBU-6000「スメールチ2」 2 基(RGB-60ロケット96 発)
爆雷投射器 2 基(爆雷20 個)
機雷 18 個まで
レーダー 対空・対水上捜索照準レーダーMR-302「ループカ」 1 基
航法レーダー「ヴァイガーチ」 1 基
射撃管制レーダー MR-103「バールス」(主砲用) 2 基
ソナー 垂下式「シェローニ」 1 基
キール固定式MG-322「アルグーニ」 1 基
電子戦装備 「ビザーニ-4B」 1 基
チャフ・フレア16連装発射機PK-16 2 基
諸装備 通信システム 1 式
敵味方識別装置 各種
搭載機 なし

概要 編集

ソ連時代 編集

ヴィーンヌィツャは、ソ連時代にソ連国家保安委員会(KGB)向けの国境警備艦として建造された。

1976年6月17日1124-P号計画によって建造される8番艦がKGBの海上国境局に登録された。1978年1月12日には、この艦は工場番号第777号艦としてタタール自治ソヴィエト社会主義共和国A・M・ゴーリキイ記念ゼレノドーリスク造船所で起工され、ウクライナの都市に因んでイズマイール(Измаилイズマイール)と命名された。

1980年6月22日には進水、すぐに艦はアゾフ海に面したバラクラーヴァの内水システムに引き渡された。イズマイールは、同地において海上公試を実施した。同年12月28日に試験が終了すると、国境局のバラクラーヴァ国境警備艦軍事管区西国境警備管区に配備された。

1981年から1989年の間、イズマイールはクリミア半島沿海の黒海における200浬排他的経済水域の警備を主たる任務とした。その間、イズマイールは5459 隻の船舶の検査を行い、296 隻を勾留した。その内、外国籍の船舶は14 隻であった。1986年2月と1989年2月にアメリカ海軍ミサイル巡洋艦ヨークタウン駆逐艦カロンがソ連の領海を侵犯する挑発行為を行った際、イズマイールはこれに対処するために出動した。なお、ヨークタウンはソ連海軍警備艦ベズザトヴェートヌイ(のちのウクライナ海軍フリゲートドニプロペトロウシク)に体当たりをされ損傷している。

ウクライナ時代 編集

ソビエト連邦の崩壊後、イズマイールはロシア海軍黒海艦隊に編入された。しかし、協議の結果イズマイールはウクライナに引き渡されることとなった。1992年6月、イズマイールはウクライナ海軍に編入されその名をチェルニーヒウと改めた。種別も、コルベットに変更された。同年11月26日には、ロシア海軍を正式に除籍された。なお、ウクライナ海軍への引渡しに伴い、艦首に彫刻されている「赤い星」は艦体色に塗り潰された。

チェルニーヒウは幾度か国際演習に参加したものの、ウクライナ海軍の資金難から艦の活動は制限されるのうになった。その後、新造艦の目途が立ったことから、2004年4月7日には海軍より除籍された。

外部リンク 編集