イバン・マニュエル・ノバ・グアンスIván Manuel Nova Guance, 1987年1月12日 - )は、ドミニカ共和国サン・クリストバル州サン・クリストバル出身のプロ野球選手投手)。右投右打。愛称はスーパー・ノバ[1]

イバン・ノバ
Ivan Nova
ピッツバーグ・パイレーツ時代
(2018年7月14日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 サン・クリストバル州サン・クリストバル
生年月日 (1987-01-12) 1987年1月12日(37歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
225 lb =約102.1 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2004年 アマチュアFA
初出場 MLB/ 2010年5月13日
KBO / 2022年4月5日
年俸 $750,000(2022年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入りとヤンキース時代 編集

2004年7月15日にニューヨーク・ヤンキースと契約してプロ入り。

2006年は傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ヤンキースでプロデビュー。10試合(先発5試合)に登板して3勝0敗1セーブ、防御率2.72、36奪三振を記録した。

2007年はA級チャールストン・リバードッグスでプレーし、21試合に先発登板して6勝8敗、防御率4.98、54奪三振を記録した。

2008年はA+級タンパ・ヤンキースで26試合(先発24試合)に登板して8勝13敗、防御率4.36、109奪三振を記録した。オフの12月11日に行われたルール・ファイブ・ドラフトサンディエゴ・パドレスから指名を受けて移籍した[2]

2009年2月27日にパドレスと1年契約に合意[3]スプリングトレーニング中のプレシーズン・ゲームでは8試合に登板したが、防御率8.31と結果を残せず、スプリングトレーニング終了後にウェイバー公示されたため、ルール・ファイブ・ドラフトの規約で3月29日にヤンキースに戻ることとなった。この年はAA級トレントン・サンダーで12試合に登板後、6月にAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・ヤンキースへ昇格。AAA級スクラントン・ウィルクスバリでは12試合に先発登板して1勝4敗、防御率5.10、43奪三振を記録した。オフの11月20日にヤンキースとメジャー契約を結んだ[4]

2010年3月12日にヤンキースと1年契約に合意。3月15日にAAA級スクラントン・ウィルクスバリへ配属され、開幕を迎えた。5月10日にメジャーへ昇格し[5]、13日のデトロイト・タイガース戦でメジャーデビュー。6点ビハインドの7回裏から登板し、2回を2安打無失点1奪三振に抑えた。17日に朴賛浩故障者リストから復帰したため、AAA級スクラントン・ウィルクスバリへ降格。8月21日に再昇格した。再昇格後は先発としてプレーし、29日のシカゴ・ホワイトソックス戦では5.2イニングを5安打1失点に抑え、メジャー初勝利を挙げた。この年は10試合(先発7試合)に登板して1勝2敗、防御率4.50、26奪三振を記録した。

2011年は開幕ロースター入りし、先発ローテーションに定着。28試合に登板し、CC・サバシアに次ぐチーム2位の16勝(4敗)を記録した。新人王資格が残っていたため、ルーキー・オブ・ザ・イヤーにノミネートされたが、投票では4位だった[6]

2012年3月7日にヤンキースと1年契約に合意。8月23日に右肩の故障で15日間の故障者リスト入りした。9月8日に復帰。この年は故障で離脱したものの、28試合に先発登板して12勝8敗、防御率5.02、153奪三振を記録した。

 
ニューヨーク・ヤンキース時代
(2013年6月29日)

2013年4月27日に右の三頭筋を故障したため故障者リスト入りし、その後復帰したが5月30日にAAA級スクラントン・ウィルクスバリに降格。6月23日に再昇格した後は2完封を上げるなど好調で、規定投球回数には届かなかったものの、先発投手の中心として活躍した。

2014年1月17日にヤンキースと330万ドルの1年契約に合意し[7]、開幕ロースター入りした。4月20日に右肘内側側副靱帯の損傷で、15日間の故障者リスト入りした[8]トミー・ジョン手術を受けるため、4月24日に60日間の故障者リストへ異動した[9]。4月29日、手術は予定通り執り行われた[10]。この年は故障の影響で4試合に登板し、2勝2敗、防御率8.27だった。

2015年1月14日にヤンキースと330万ドルの1年契約に合意した[11]。6月24日のフィラデルフィア・フィリーズ戦で約14ヶ月ぶりにメジャー復帰し、6.2回を無失点に抑えて復活の白星を挙げた[12]。結局この年は17試合全てに先発投手としてマウンドに登り、6勝を挙げたものの負けがこみ(11敗)、防御率も5.00台に終わるなど、完全復活とはならなかった。

2016年、ヤンキースでは7勝6敗と勝ち星を先行させたが、防御率は4.90と内容は今一つだった。

パイレーツ時代 編集

2016年8月1日にトレード期限最終日に後日発表選手のマイナー2選手(8月30日にティト・ポロスティーブン・タープリーと発表された)との交換で、ピッツバーグ・パイレーツへ移籍した[13]。移籍後は投球内容が改善し、11試合・64.2イニングに登板して5勝2敗、防御率3.06、3完投で、四球はわずかに3つだった。オフにFAとなったが、パイレーツと3年2600万ドルで再契約した[14]

2017年はシーズン開幕前の2月8日に指名投手枠で第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ドミニカ共和国代表に選出された[15]。同年のレギュラーシーズンでは31試合に先発し、11勝14敗、防御率4.14という成績であった。

ホワイトソックス時代 編集

2018年12月11日にヨルディー・ロサリオとインターナショナル・ボーナス・プール(海外選手契約金枠)とのトレードで、ホワイトソックスへ移籍した[16]

2019年オフの10月31日にFAとなった[17]

タイガース時代 編集

2020年1月13日にタイガースと150万ドルの単年契約を結んだ[18]。オフの10月28日にFAとなった[19]

フィリーズ傘下時代 編集

2021年1月26日にフィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結んだ[20]。 2021年3月25日 フィリーズからリリースされた

ロッキーズ傘下時代 編集

2021年4月12日にコロラド・ロッキーズとマイナー契約を結んだ[21]

韓国・SSG時代 編集

2021年12月21日、韓国プロ野球SSGランダースと契約した[22]。しかしSSGでは3勝、防御率6.50の成績で、2022年7月12日にウェーバー公示され[23]、7月19日に自由契約選手となった。

選手としての特徴 編集

スリークォーターから、最速97.9mph(約157.6km/h[24]・平均93mph (約150km/h)の二種類の速球ツーシームフォーシーム)を中心に、決め球である平均80mph(約129km/h)のカーブ、その他に平均86mph(約138km/h)のチェンジアップ、平均87mph(約140km/h)のスライダーなどを使う[25]。2014年までは速球はフォーシームが主体であったが、2015年以降はツーシームが主体となっている。奪三振率はMLB通算6.8とあまり高くなく、主にツーシームなどで打ち取って取るピッチングスタイル[26]

詳細情報 編集

年度別投手成績 編集





















































W
H
I
P
2010 NYY 10 7 0 0 0 1 2 0 0 .333 185 42.0 44 4 17 2 1 26 2 0 22 21 4.50 1.45
2011 28 27 0 0 0 16 4 0 0 .800 704 165.1 163 13 57 3 6 98 11 0 74 68 3.70 1.33
2012 28 28 0 0 0 12 8 0 0 .600 748 170.1 194 28 56 3 10 153 6 2 100 95 5.02 1.47
2013 23 20 3 2 0 9 6 0 0 .600 586 139.1 135 9 44 3 14 116 3 0 49 48 3.10 1.28
2014 4 4 0 0 0 2 2 0 0 .500 96 20.2 32 6 6 0 2 12 1 0 19 19 8.27 1.84
2015 17 17 0 0 0 6 11 0 0 .353 413 94.0 99 13 33 0 7 63 5 0 54 53 5.07 1.40
2016 21 15 0 0 0 7 6 1 0 .538 421 97.1 107 19 25 1 6 75 7 0 54 53 4.90 1.36
PIT 11 11 3 0 2 5 2 0 0 .714 263 64.2 68 4 3 0 3 52 3 0 27 22 3.06 1.10
'16計 32 26 3 0 2 12 8 1 0 .600 684 162.0 175 23 28 1 9 127 10 0 81 75 4.17 1.25
2017 31 31 2 1 2 11 14 0 0 .440 785 187.0 203 29 36 2 7 131 8 0 96 86 4.14 1.28
2018 29 29 0 0 0 9 9 0 0 .500 683 161.0 171 26 35 4 4 114 9 1 82 75 4.19 1.28
2019 CWS 34 34 2 0 0 11 12 0 0 .478 806 187.0 225 30 47 1 9 114 7 0 107 98 4.72 1.45
2020 DET 4 4 0 0 0 1 1 0 0 .500 88 19.0 22 4 9 0 0 9 2 0 18 18 8.53 1.63
2022 SSG 12 12 0 0 0 3 4 0 0 .429 291 63.2 78 5 25 0 5 32 9 1 50 46 6.50 1.62
MLB:11年 240 227 10 3 4 90 77 1 0 .539 5778 1347.2 1463 185 368 19 69 963 64 3 702 656 4.38 1.36
  • 2020年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績 編集



投手(P)












2010 NYY 10 5 5 1 0 .909
2011 28 16 21 0 0 1.000
2012 28 9 9 1 2 .947
2013 23 8 18 0 1 1.000
2014 4 1 1 0 0 1.000
2015 17 4 8 2 2 .857
2016 21 4 6 1 1 .909
PIT 11 6 6 1 1 .923
'16計 32 10 12 2 2 .917
2017 31 18 34 1 1 .981
2018 29 8 11 5 0 .792
2019 CWS 34 9 18 1 3 .964
2020 DET 4 2 5 0 0 1.000
2022 SSG 12 6 2 1 1 .889
MLB 240 90 142 13 11 .947
  • 2020年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰 編集

背番号 編集

  • 41(2010年 - 同年途中)
  • 47(2010年途中 - 2016年途中)
  • 46(2016年途中 - 2019年)
  • 43(2020年)
  • 33(2022年)

脚注 編集

  1. ^ Pirates Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月25日) 2017年9月27日閲覧
  2. ^ Padres select infielder Everth Cabrera and right-handed pitcher Ivan Nova in Rule 5 Draft”. MLB.com Padres Press Release (2008年12月11日). 2014年12月13日閲覧。
  3. ^ Padres agree to terms with 29 players on 2009 contracts”. MLB.com Padres Press Release (2009年2月27日). 2014年12月13日閲覧。
  4. ^ Yankees Add RHPs Hector Noesi, Ivan Nova and Romulo Sanchez; INFs Reegie Corona, Eduardo Nunez and Kevin Russo; and OF Austin Jackson to Roster”. MLB.com Yankees Press Release (2009年11月20日). 2014年12月13日閲覧。
  5. ^ Nova adds fresh arm to Yanks' bullpen”. MLB.com (2010年5月11日). 2014年12月13日閲覧。
  6. ^ Yankees right-hander Ivan Nova falls short of American League Rookie of the Year Award MLB.com
  7. ^ Bryan Hoch (2014年1月17日). “Gardner, Kelley, Nova, Robertson avoid arbitration”. MLB.com. 2014年1月18日閲覧。
  8. ^ Bryan Hoch (2014年4月20日). “Yankees juggle pitching staff”. MLB.com. 2014年4月21日閲覧。
  9. ^ Bryan Hoch (2014年4月24日). “Billings, Greene called up to provide bullpen depth”. MLB.com. 2014年4月25日閲覧。
  10. ^ Bryan Hoch (2014年4月30日). “Nova's elbow surgery performed as planned”. MLB.com. 2014年10月10日閲覧。
  11. ^ Nova, Yankees agree to $3.3 million, 1-year contract”. ESPN MLB (2015年1月14日). 2015年1月15日閲覧。
  12. ^ Ivan Nova sparkles in return, leads Yankees over Phillies 10-2
  13. ^ https://twitter.com/MLBRosterMoves/status/760217154960502784
  14. ^ Pirates, Ivan Nova agree to three-year contract” (英語). ESPN (2016年12月23日). 2017年1月4日閲覧。
  15. ^ DR aims to defend title as WBC '17 roster set MLB.com (英語) (2017年2月15日) 2017年3月4日閲覧
  16. ^ Ivan Nova Stats” (英語). Baseball Reference.com. 2018年12月16日閲覧。
  17. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
  18. ^ Jason Beck (2020年1月13日). “1-year deal with Nova bolsters Tigers' rotation” (英語). MLB.com. 2020年1月14日閲覧。
  19. ^ Manny Randhawa and Paul Casella (2020年11月11日). “2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月16日閲覧。
  20. ^ Scott Lauber (2021年1月26日). “Phillies sign veteran pitcher Ivan Nova to minor-league contract”. The Philadelphia Inquirer. 2021年2月10日閲覧。
  21. ^ MLB公式プロフィール参照。2021年12月22日閲覧。
  22. ^ SSG 새 외인 이반 노바, "내 몸 상태? 나는 한계가 없다"”. 朝鮮日報 (2022年1月26日). 2022年4月6日閲覧。(朝鮮語)
  23. ^ http://www.ssglanders.com/media/news/detail?idx=19355
  24. ^ 2015年シーズン計測。
  25. ^ Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Player Card: Iván Nova 2017年2月9日閲覧。
  26. ^ FanGraphs 2017年2月9日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集