オスミリジウム (Osmiridium) とはオスミウムイリジウムの天然合金である。他の白金族元素を微量に含む。天然での産出もしくは合成によって得られる。オスミリジウムはイリジウムを50%含んでおり、その中でもイリドスミウム (Iridosmium) もしくはイリドスミン (Iridosmine) と呼ばれるものはイリジウムを70%含んでいる[1]

オスミリジウムはそれぞれの単独の元素よりも硬度が高く、その硬度を生かして万年筆のペン先に用いられる。

産出 編集

オスミリジウムは非常に珍しい合金であるが、他の白金族元素の鉱山から発見される。オスミリジウムを非常に多く産出する鉱山の一つはオーストラリアタスマニア州ティエンナの近くにあるペダー湖にあり、第二次世界大戦の間メイディナからの鉄道を使って鉱石を船に積み込み輸送していた。現在では鉱山の敷地は元の藪に戻っている。それはこの珍しい合金の主要な産地の一つであり、オスミリジウムは浅い沖積層から発見され回収された[2]

日本では主に北海道鷹泊の雨竜川で砂白金として産出されていた。

単離 編集

オスミリジウムは王水に溶解しないため、王水を加えて他の白金族元素を溶解させることでオスミリジウムを単離することができる。小さく、非常に硬く、平らな六方晶系結晶構造を有する金属粒子である。

出典 編集

  1. ^ Greenwood, N. N.; Earnshaw, A. (1997). Chemistry of the Elements (2nd Ed. ed.). Oxford: Butterworth-Heinemann. ISBN 0080379419 
  2. ^ Bottrill, R. S.; 1989, Economic Geology Appendix A; Tasmanian Geol. Surv. Explanatory Rept. 73 (Huntley.) Cited at Adamsfield, Tasmania, Australia. Mindat.org. Accessed 2010-12-1.

外部リンク 編集