インディアン・スーパーリーグ
インディアン・スーパーリーグ(Indian Super League (ISL)、スポンサー名義でHero Indian Super League)は、インドのプロサッカーリーグ。Iリーグとは別組織。略称:ISL
インディアン・スーパーリーグ | |
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加盟国 |
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大陸連盟 | AFC |
創立 | 2013年10月21日[1] |
参加クラブ | 11 |
リーグレベル | 第1部 |
国内大会 | スーパーカップ |
国際大会 | AFCチャンピオンズリーグ, AFCカップ |
最新優勝クラブ | ムンバイ・シティ (1回目) (2020-21) |
最多優勝クラブ | ATK(3回) |
テレビ局 | スター・スポーツ |
公式サイト |
indiansuperleague |
概要編集
リライアンス・インダストリーズ社(石油やガス開発などの事業を手がける国内最大の企業)、 IMG社(世界でスポーツ事業を展開するアメリカの企業)、そしてスター・インディア社(インド最大のテレビ局)の3社と、AIFF(全インドサッカー連盟)によって2013年10月21日に創設された。最初のシーズンは2014年10月12日に開幕、12月20日に閉幕し、8チームが参加する[2]。後述するIリーグとの統合問題なども抱えながら、2017年シーズンには2チームが新たに参加し、10チームでの大会になり試合数も増加した。
インドではこれまでIリーグが存在した(スーパーリーグ発足後も引き続き存続)が、新リーグは2026 FIFAワールドカップにサッカーインド代表を出場させることを目標に、更なるサッカー文化改革の推進を目指して発足したものである。国際的なスポーツマン・芸能人のマネージメントを引き受けるIMGや、インド最大のエンターテインメント企業であるSTARとのタイアップを図ることで、国技であるクリケットに次ぐインド国民が熱狂するスポーツエンターテインメントの確立を目指している。そのため現地インド人の選手を育成するだけでなく、世界の主要リーグで活躍した選手を助っ人として参戦させることが構想されている。また参加クラブの本拠地もインドの全国主要8都市に置き「都市対抗」のスタイルを取り入れるとともに、地方に眠る若い才能の発掘にも力を入れている[要出典][3]。
Iリーグとの統合問題編集
FIFAは原則1国1リーグ制を定めており、インドに関しては先に発足しているIリーグが公認のリーグとされていた。そのため、ISLにはAFCチャンピオンズリーグなどの出場権は与えられることはなかった(後述)。だが、ISLが初年度から観客動員数などに於いて商業的に一定の成功を収めたため、Iリーグとの統合の議論がなされることになった[4]。しかし、統合後におおよそISLが1部リーグ、Iリーグが2部と言う扱いになることに対するIリーグ側からの反発や、資金力の圧倒的な差が埋まらないため、2017年時点でもまだ統合には至っていない。その中でも、2016-17シーズンまでIリーグに所属していたベンガルールFCは、スポンサーの力が大きいことやインドのスター選手、スニル・チェトリを抱えるなどの理由で翌シーズンよりISLに移籍することとなった。全体的な統合に向けてはまだ課題が山積している。
AFC主催大会の出場権編集
2014年の創設以降、アジアサッカー連盟(AFC)が主催するAFCチャンピオンズリーグ (ACL) やAFCカップなどの大会への出場権はISLでは得られなかった。しかし、ISLもこれらの大会への出場資格となるよう全インドサッカー連盟がAFCに提案、これをAFCが認可した為、ISLの優勝チームがAFCカップの予選に出場できることとなった(AFCカップ2019より。ISLのシーズンとしては2017-2018シーズンの成績)。2019年12月、ACLの出場枠が2021年大会から40チームに拡大されることに伴い、ISLのクラブにも自動出場枠が1枠振り当てられることとなった[5]。レギュラーシーズン1位のチームはACLのグループステージに、2位のチームはAFCカップのグループステージにそれぞれ進出する。なお、この変更により、Iリーグ優勝チームはACL予選プレーオフへの出場権を失い、代わりにAFCカップグループステージへの出場権が与えられることとなった[6]。
加盟クラブ編集
2020-21シーズン加盟クラブ編集
クラブ名 | ホームタウン | ホームスタジアム | 収容人数 | 加盟年 |
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オディシャFC | オリッサ州ブバネーシュワル | カリンガ・スタジアム | 15,000 | 2014 |
ケーララ・ブラスターズFC | ケーララ州コーチ | ジャワハルラール・ネルー・スタジアム | 60,500 | 2014 |
FCゴア | ゴア州マーガオ | ファトルダ・スタジアム | 19,000 | 2014 |
チェンナイインFC | タミル・ナードゥ州チェンナイ | ジャワハルラール・ネルー・スタジアム | 40,000 | 2014 |
ノースイースト・ユナイテッドFC | アッサム州グワーハーティー | インディラ・ガンディー陸上競技場 | 25,000 | 2014 |
ムンバイ・シティFC | マハーラーシュトラ州ムンバイ | ムンバイサッカー場 | 18,000 | 2014 |
ジャムシェードプルFC | ジャールカンド州ジャムシェードプル | JRD・タタ・スポーツコンプレックス | 40,000 | 2017 |
ベンガルールFC | カルナータカ州バンガロール | シュリー・カンティーラヴァ・スタジアム | 24,000 | 2017 |
ハイデラバードFC | テランガーナ州ハイデラバード | G.M.C. バラヨギ・アスレチック・スタジアム | 30,000 | 2019 |
ATKモフン・バガンFC | 西ベンガル州コルカタ | ソルトレイク・スタジアム | 85,000 | 2020 |
SCイースト・ベンガル | 西ベンガル州コルカタ | ソルトレイク・スタジアム | 85,000 | 2020 |
過去に加盟していたクラブ編集
クラブ名 | ホームタウン | ホームスタジアム | 収容人数 | 加盟期間 |
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ATK | 西ベンガル州コルカタ | ソルトレイク・スタジアム | 85,000 | 2014-2020 |
FCプネー・シティ | マハーラーシュトラ州プネー | ベルエワディ・スタジアム | 9,110 | 2014-2019 |
開催方式編集
2014年の創設以降のインディアン・スーパーリーグは「1ステージ制」である。
開催日時編集
インディアン・スーパーリーグはシーズンの開催期間を10月頃開幕・翌年3月頃閉幕の「秋シーズン制」を採用している。
基本的に1日1試合というレギュレーションで開催される。
試合方式編集
- 11チームによる2回戦総当りのホーム&アウェイ方式による1シーズン(通年制 20試合)の成績で順位を決定する。
- 勝ち点は勝ち3点、引き分けは双方に1点、負け0点。最終的に勝ち点の多いチーム順に順位を決定する。その後シーズンを4位以内で終えた上位4チームによる、トーナメント形式のファイナルシリーズが行われ、グランドファイナルで優勝を決定する。
結果編集
シーズン | 開催日 | 優勝 | スコア | 準優勝 |
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2014 | 12月20日 | アトレティコ・デ・コルカタ | 1-0 | ケーララ・ブラスターズ |
2015 | 12月20日 | チェンナイイン | 3-2 | ゴア |
2016 | 12月18日 | アトレティコ・デ・コルカタ | 1-1 (4-3 pen) | ケーララ・ブラスターズ |
2017-18 | 3月17日 | チェンナイイン | 3-2 | ベンガルール |
2018-19 | 3月17日 | ベンガルール | 1-0 (a.e.t) | ゴア |
2019-20 | 3月14日 | ATK | 3-1 | チェンナイイン |
2020-21 | 3月13日 | ムンバイ・シティ | 2-1 | ATKモフン・バガン |
統計編集
クラブ別優勝回数編集
クラブ | 優勝回数 | 準優勝回数 | 優勝年 |
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ATK | 3 | 0 | 2014, 2016, 2019-20 |
チェンナイイン | 2 | 1 | 2015, 2017-18 |
ムンバイ・シティ | 1 | 0 | 2020-21 |
ベンガルール | 1 | 1 | 2018-19 |
ケーララ・ブラスターズ | 0 | 2 | - |
ゴア | 0 | 2 | - |
ATKモフン・バガン | 0 | 1 | - |
個人表彰編集
ゴールデンボール賞(リーグ年間最優秀選手賞)編集
シーズン | 選手名 | 当時所属クラブ | 国籍 |
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2014 | イアン・ヒューム | ケーララ・ブラスターズ | カナダ |
2015 | スティベン・メンドーサ | チェンナイイン | コロンビア |
2016 | フローラン・マルダ | デリー・ディナモス | フランス |
2017-18 | スニル・チェトリ | ベンガルール | インド |
2018-19 | フェラン・コロミナス | ゴア | スペイン |
2019-20 | ウーゴ・ブムー | ゴア | フランス |
2020-21 | ロイ・クリシュナ | ATKモフン・バガン | フィジー |
ゴールデンブーツ賞(リーグ得点王)編集
シーズン | 選手名 | 当時所属クラブ | 国籍 | 得点 |
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2014 | エラーノ・ブルメル | チェンナイイン | ブラジル | 8 |
2015 | スティベン・メンドーサ | チェンナイイン | オランダ | 13 |
2016 | マルセリーニョ・レイチ | デリー・ディナモス | ブラジル | 10 |
2017-18 | フェラン・コロミナス | ゴア | スペイン | 18 |
2018-19 | 16 | |||
2019-20 | ネリウス・ヴァルスキス | チェンナイイン | リトアニア | 15 |
2020-21 | イゴール・アングロ | ゴア | スペイン | 14 |
脚注編集
- ^ “Reliance, IMG Worldwide, and STAR India, launch 'Indian Super League' for football”. IMG. 2016年6月25日閲覧。
- ^ “Tendulkar Buys Team as Cricket-Mad India Tests Soccer League”. Bloomberg. 2014年7月21日閲覧。
- ^ 「インドスーパーリーグ」が発足(IMG日本語版 2013年11月1日のリリース 2014年9月27日閲覧)
- ^ 全インドサッカー連盟、IリーグとISL(インドスーパーリーグ)の数年以内の統合を発表
- ^ “ISL league toppers to play in 2021 Asian Champions League ” (英語). The Hindustan Times. (2019年12月10日) 2021年3月15日閲覧。
- ^ “ISL league-stage winners to get direct entry to AFC Champions League, second-placed team to be handed AFC Cup slot ” (英語). Goal.com. (2019年12月16日) 2021年3月15日閲覧。
関連項目編集
外部リンク編集
- 公式ウェブサイト(英語)
- ISL - Indian Super League (IndianSuperLeague) - Facebook
- Indian Super League (@IndSuperLeague) - Twitter