インド英語(インドえいご、英語: Indian English)とは、インドパキスタンバングラデシュなど南アジアの旧イギリス領インド帝国で使われる英語方言のこと。「国別英語話者数ランキング」によると、アメリカ英語の次に話す人口が多い。

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概要編集

発音や綴り編集

イギリス英語を基調としているものの、Rを強く発音するため、母音が後続しないRも日本人の耳には「ル」のように聞こえる(park → パルク)。現代の英米では発音されない音も含めて、綴り字通りに読む(Wednesday → ウェドネスデイ)[1]

本来二重母音三重母音として発音されていたものが母音連続になることを避けるため、間にYやWを挿入することがある(IndiaインディアIndiyaインディヤなど。インド航空の尾翼にも、デーヴァナーガリー文字でएअर इंडियाエアル・インディヤと書かれている)。 ヒンディーなどインドの諸言語からの借用語を多く使い[1]、また英語本来の単語でも、イギリス古典文学に登場するような古めかしいものを用いる場合がある(shop の代わりに shoppe を用いるなど。)[2]という特徴もある。

文法編集

ヒンドゥー語の影響から進行形を非常に多用し、インド英語では英語の動詞の70%近くが進行形の時世で堂々とまかり通る[1]。アメリカ英語やイギリス英語では通常進行形にしない単語も普通に進行形で表現する[1]

  • 例: I am Understanding it.「分かったよ。」[1]
  • 例: He is having two books.「彼は本を二冊持っている。」[1]
  • 例: He was knowing it.「彼はそれを知っていた。」[1]

付加疑問は、 no,または correct をよく付加する[1]

  • 例: Heis a student, no?「彼は学生じゃない?」[1]
  • 例:You are from Japan, correct?「君は確か日本人だよね」[1]

ヒングリッシュ編集

ヒンディー訛りの英語はヒンドゥー・イングリッシュ、略してヒングリッシュ英語版と呼ばれることもある。なお、インドでは憲法によって英語は公用語の地位にあり、パキスタンでも国語であるウルドゥー語に次ぐ公用語、スリランカでもシンハラ語タミル語に次いで憲法に指定された「連結語」、バングラデシュでも国語であるベンガル語ネパールでも公用語であるネパール語にそれぞれ事実上は次ぐ地位にあるなど、南アジアの諸国では旧イギリス領インド時代の影響が色濃く残り、総じて英語が広く通用する。しかしそれが、この項目に記述されるような英語であることに留意する必要がある。

出典編集

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  1. ^ a b c d e f g h i j 末延岑生『ニホン英語は世界で通じる』〈平凡社新書〉 2010年 ISBN 9784582855357 p147-151
  2. ^ 本名信行編『アジア英語辞典』三省堂、P.26-27。ISBN 4-385-11028-X

関連項目編集

外部リンク編集