インビジブル (2015年の映画)

インビジブル』(英題:Invisible / 原題:Imbisibol)は、2015年に公開されたフィリピンドラマ映画。撮影地は日本。マヌエル、リンダ、ベンジー、ロデルという出稼ぎ労働者として暮らす在日フィリピン人4人の苦難を描いたもので、不法滞在偽装結婚といった社会問題も扱っている[1]。題名は「不可視」を意味する[2]キャッチコピーは「このまま見えずに/LONGING TO REMAIN UNSEEN」。

インビジブル
Imbisibol
監督 ローレンス・ファハルド
脚本 ローレンス・ファハルド
ヘルリン・アレグレ
ジョン・ベディア
原案 ローレンス・ファハルド
ヘルリン・アレグレ
ジョン・ベディア
製作 ウイルソン・ティエン
クリスマ・マックラン・ファハルド
製作総指揮 ブリランテ・メンドーサ
出演者 アーレン・ディゾン
セス・ケサダ
ベルナルド・ベルナルド
JM・デ・グズマン
音楽 ジョビン・バルエステッロ
撮影 ボイ・イニィゲズ
編集 ローレンス・ファハルド
公開 2015年3月18日
上映時間 132分
製作国 フィリピンの旗フィリピン
日本の旗日本
言語 フィリピン語タガログ語
英語
日本語
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監督はローレンス・ファハルド。監督の妻であるクリスマ・マックラン・ファハルドがプロデューサーを務めた[1]。製作総指揮はブリランテ・メンドーサが担った[3]。出演者はアーレン・ディゾン英語版(マヌエル役)、セス・ケサダ英語版(リンダ役)、ベルナルド・ベルナルド英語版(ベンジー役)、JM・デ・グズマン英語版(ロデル役)、JC・サントス英語版など[4]。撮影は真冬の福岡市旭川市で行われ[1]大濠公園シーサイドももち海浜公園、福岡女学院大学などがロケ地となった[3][5]

フィリピンでは2015年3月18日にマニラで開催されたシナグ・マニラ映画祭において上映され、最優秀作品賞・監督賞など8部門中7部門を受賞した[6][7][8]。2016年6月22日の第39回ガワッド・ウリアン賞英語版にもノミネートされ、ベンジー役のベルナルドが助演男優賞を受賞した[9]。日本では2015年9月の「第25回アジアフォーカス・福岡国際映画祭2015」および同年10月の第28回東京国際映画祭において上映され、10月26日にはTOHOシネマズ六本木ヒルズでファハルド監督らを招いてのシンポジウムが行われた[10][11][12][13]。2015年9月の第40回トロント国際映画祭英語版、2016年11月の第4回ハノイ国際映画祭英語版や、2017年2月のアジア協会香港センター中国語版での「フィリピンシネマ2017」でも上映された[14][15][16]

この映画の原作は舞台劇であり、フィリピン文化センター英語版で2013年に開催された演劇祭「ヴァージン・ラブフェスト9」において演じられた[4][17][18][19]。舞台版は1992年東京を背景としている[17][19]。出演者はオニル・トーレス(マヌエル役)、ルイ・マナンサラ(リンダ役)、ルー・ヴェローソ英語版(ベンジー役)、アマンド・キンタナ・ジュニア(ロデル役)などであり、2014年の「ヴァージン・ラブフェスト10」における再演時にはマナンサラとヴェローソは登壇せず、後に映画版のキャストとなるケサダとベルナルドがそれぞれの役を引き継いだ[4]。また、トーレスは映画版にも出演している[4]。初演時では異性愛者だったベンジーが再演時ではゲイになっているなど設定も変更されており、再演版の方が映画の基礎となった[2]。脚本は映画化までに三度改稿されている[4]

出典 編集

  1. ^ a b c フィリピン映画「インビジブル」監督、母国のヒーローでありながら“見えない”存在に思い馳せる”. 映画.com (2015年10月26日). 2021年8月27日閲覧。
  2. ^ a b 日本で暮らすフィリピン人の現状を描いた「インビジブル」監督・俳優陣が語る”. 映画.com (2015年10月30日). 2021年8月27日閲覧。
  3. ^ a b インビジブル(フィリピン映画)”. 福岡フィルムコミッション. 2021年8月27日閲覧。
  4. ^ a b c d e ‘Imbisibol’–how the Virgin Labfest play became an award-winning movie”. Philippine Daily Inquirer (2015年4月25日). 2021年8月27日閲覧。
  5. ^ 言語芸術学科がフィリピン映画学内撮影を支援”. 福岡女学院大学 (2015年2月5日). 2021年8月27日閲覧。
  6. ^ ‘Imbisibol’ very visible at Sinag Maynila awards”. Philippine Daily Inquirer (2015年3月29日). 2021年8月27日閲覧。
  7. ^ インビジブル”. 第28回東京国際映画祭. 2021年8月27日閲覧。
  8. ^ 言語芸術学科が撮影支援したフィリピン映画が映画祭で受賞”. 福岡女学院大学 (2015年3月23日). 2021年8月27日閲覧。
  9. ^ FULL LIST: Winners, Gawad Urian 2016”. Rappler (2016年6月22日). 2021年8月27日閲覧。
  10. ^ 第25回アジアフォーカス・福岡国際映画祭2015 (PDF) 福岡市
  11. ^ CROSSCUT ASIA #02 熱風!フィリピン”. 国際交流基金アジアセンター. 2021年8月27日閲覧。
  12. ^ フィリピン若手監督が語るシンポジウム “「第3期黄金時代」とは?”10/26(月)「CROSSCUT ASIA#02 熱風!フィリピン」『インビジブル』上映後に開催!”. 第28回東京国際映画祭 (2015年10月15日). 2021年8月27日閲覧。
  13. ^ 10/26 シンポジウム「『第3黄金期』とは何か?-フィリピンの若手監督が語る」”. ニコニコ動画 (2015年11月6日). 2021年8月27日閲覧。
  14. ^ Filipino Film "Imbisibol" Debuts At Toronto International Film Festival”. Filipina Women's Network (2015年9月17日). 2021年8月27日閲覧。
  15. ^ 5 PH films in Hanoi”. Philippine Daily Inquirer (2016年10月29日). 2021年8月27日閲覧。
  16. ^ Imbisibol”. Asia Society. 2021年8月27日閲覧。
  17. ^ a b Virgin Labfest 9: Synopsis and Write Ups (PDF) Cultural Center of the Philippines
  18. ^ Theater review: Virgin Labfest 9: The silenced and the disappeared in 'Imbisibol'”. GMAネットワーク (2013年7月3日). 2021年8月27日閲覧。
  19. ^ a b Asian Center Congratulates Its Alumna for ‘Imbisibol’: A One-Act Play and Indie Film”. Asian Center (2015年3月3日). 2021年8月27日閲覧。

外部リンク 編集