ウィキメディア財団

ウィキメディア・プロジェクトを運営している米国の非営利団体

{{基礎情報 非営利団体 | 名称 = ウィキメディア財団
Wikimedia Foundation, Inc. | ロゴ = Wikimedia Foundation RGB logo with text.svg | 団体種類 = 米国内国歳入法501条(c)(3)認定を受けた慈善団体 | 設立 = 2003年6月20日(米国フロリダ州セントピーターズバーグ) | 所在地 = アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ
北緯37度47分13秒 西経122度23分59秒 / 北緯37.78694度 西経122.39972度 / 37.78694; -122.39972座標: 北緯37度47分13秒 西経122度23分59秒 / 北緯37.78694度 西経122.39972度 / 37.78694; -122.39972

会員資格編集

ウィキメディア財団は会員資格を持たない。会員制度は2006年以前の定款に記述があるが、実現には到らなかった。この改定以前の定款で「会員よりの選出」とされた理事枠は、「コミュニティ」の投票による理事枠として残された。投票権者の詳細は理事会がこれを定める。2007年の選挙では、一定の編集回数と編集歴によるほか、システム管理者、職員で一定の活動歴をもつもの、および理事に投票権が与えられた。

ローカル・チャプター編集

ローカル・チャプターの設立状況(2017年時点)
着色のない地域は設立議論もされていない
  活動中
  承認済みだが未設立
  計画段階の支部
  議論中の支部

ウィキメディアを名乗る資格を財団から認められたユーザ団体を、ローカル・チャプター(local chapter) と呼ぶ。財団の下部組織ではなく、それぞれ独立した組織である。以前は「地方支部」と訳されていたが、下部組織と誤解を招きやすかったので「国別協会」あるいは「国別・地域別協会」と翻訳されるようになった。ローカル・チャプターと財団の法的関係は、必ずしも一様ではなく、個別に契約を締結する。ウィキメディア財団を現地で法的に代表する資格を持つものから、独立な法人格をもち非公式な協力関係にあるものまで、主に現地の法律上の理由にもとづきさまざまな関係が存在する。

ウェブサイト上のコミュニティでもある各プロジェクトと、ローカル・チャプターの間には法的には関係がない。ローカル・チャプターは企業・学校・他の社会団体と現地ユーザとの連携を図ると共に、また独自の資産をもち、財団の活動の支援を行う。ローカル・チャプターはそれぞれ独自の会計をもち、ローカル・チャプターへの寄付はウィキメディア財団の直接の収入とはならない。一方でローカル・チャプターが取得した財産がウィキメディア財団の活動の支援のために利用されることがある。代表的な例として、ドイツ・チャプターからのウィキマニア2005(後述)への寄付、ドイツ・チャプターの保有する計算機資源の提供 (toolserver) などがある。

2017年8月末現在、運営中であるローカル・チャプターは38箇所にも上るが、日本ではまだ設立はおろか、準備中ですらない。日本のローカル・チャプターの設立に関する議論は、Wikimedia Japanを参照されたい。

それぞれのチャプターの設立年次および法人格等についてはウィキメディア国別協会を参照されたい。

職員編集

 
ウィキメディア財団の現事務長 Katherine Maher , 2016

ウィキメディア財団はカリフォルニア州サン・フランシスコ(2008年1月まではフロリダ州セントピータースバーグ)に事務所をもっている。

職員が最初に雇用されたのは2005年で、この年、3人の職員が雇用された(ブライアン・ヴィバー、ダニー・ウール、サーバ担当の非常勤職員1名)。以後、業容の拡大に伴い、順次職員を採用している。2008年当時は約10名の常勤職員がこの事務所で働いおり、またサーバの管理等に数人の契約職員を雇用していた。国外にいる職員はフルタイム契約・パートタイム契約を問わず、すべて契約職員であった[1]。また2007年より、インターンが管理部門の業務を補助していた。現在の組織は Wikimedia Foundation departments を参照されたい。

歴代の事務長

歴史編集

 
サン・フランシスコ事務所の一隅

ウィキペディアを初めとするプロジェクトは、当初ジミー・ウェールズの個人プロジェクトとして開始された。諸プロジェクトのサーバドメイン名およびデータは、ジミー・ウェールズが当時、最高経営責任者であったインターネット会社 Bomis によって所有されてきた。2003年6月にウェールズがウィキメディア財団の設立を発表すると同時に、これらの所有権は財団に寄付された。

財団設立後も、プロジェクトの消費電力ネットワーク費用は、Bomisの寄付によって賄われてきた。非営利団体の設立によって、寄付金や米国連邦政府からの研究資金などを獲得しやすくすることで、これらのプロジェクトの安定した発展が保証されるとの見方が大勢を占めた。財団設立後、2004年から2005年初頭には他の団体からの寄付や助成の申し出があり、2005年3月現在、Bomis の寄付は、プロジェクトの使用する全帯域の2/3に相当する。

当初、財団の定款では理事会の定員は5人とされ、うち2人がユーザ代表であるとされた(2019年現在では定員10名)。しかしほぼ1年間ユーザ代表理事は置かれず、その間、財団のガバナンスのあり方、理事会などについての詳細が関連プロジェクトのメンバーによって議論された。2004年6月、最初のユーザ代表理事が選ばれた。このときの任期は1年であったが、のち2005年にはユーザ代表理事の任期は2年に延長された。

財団の活動をより強化し、また財団運営へのユーザの参加を促すことがしばしば課題として指摘される。これに対し、地方支部理事の財団理事会へのオブザーバーとしての招聘、および各種テクノロジー法務広報などの分野にユーザから選ばれた委員をおくなどの措置が2005年に取られた。また2006年には、これら委員が個人で分掌していた仕事をさらに効率的にすすめるべく、ユーザーからなる委員会がいくつかの分野に設置された。

委員会はすべて理事会決議によって設置され、設置と同時に委員長を含む原初構成員が指名される。構成員には、議決権をもつメンバーと議決権をもたないアドバイザーの二種があり、理事、地方支部理事、一般ユーザ、外部のエキスパートなどが構成員となりうる。構成員は理事の指名または委員会メンバーからの推薦および承認によって決定される。

ただしこのような委員職や委員会の設置は、その職にない一般ユーザが自分の裁量で行動することをさまたげるものではない。ユーザの裁量による行動は、サイト上のコンテンツ制作にとどまらず、外部資金の獲得や、企業との提携などにも及んでいる。財団は法的な権利を保持しつつ、ユーザの自主的な活動を積極的に奨励している。したがって、ユーザーはアグレッシブに参加でき、その点においてユーザー主導の立体的な辞典の構築が可能である。ただ、この点については逆にデメリットであるという指摘もあることを見落とすべきではないだろう。

なお、2007年10月9日には、財団の本部をフロリダ州セントピーターズバーグからカリフォルニア州サンフランシスコテクノロジハブへ移転することが発表され、2008年1月末に移転を実施した。財団は、サンフランシスコへ移転する理由として、アメリカのハイテクの中心地であること、展開しているプロジェクトに関連した優秀な人材やサポートを確保できること、地理的にアジアでの事業パートナー候補との結び付きを深めることができること、などを挙げている[2]

交流の支援編集

ウィキメディア財団の事業のなかには、ユーザ同士の交流の促進も含まれる。ウィキメディア財団は、2005年以降、毎年国際会議・通称ウィキマニアを開催している。開催地は次の通り。

毎年350人から400人程度、国・地域別では50ヶ国前後から出席者がある。

2004年ごろから、ユーザ主体によるミーティングが主にヨーロッパで催される中、多言語プロジェクトゆえの国際的な交流の要望が高まり、ウィキメディア財団主催による国際的会議の構想につながった。

ウィキマニアはユーザの交流と同時にウィキメディア・プロジェクト全般に対する研究の促進を目標にしており、外部から優れた招待講演者を招くことにも力をいれている。これまでの招待講演者には、リチャード・ストールマンウォード・カニンガムローレンス・レッシグブリュースター・カール伊藤穣一などがいる。

この試みは他の同種の非営利団体からも好感がもたれており、Open Source Initiativeからは発展途上国からのウィキマニア参加希望者に3年連続で旅費の援助がなされている。

財務編集

2006年初には財団純資産(net assets)は 270,000ドルであった。2006年中に財団は総計1,510,00ドルに及ぶ資金援助および収益を得て、790,000ドルの支出があった。純資産は720,000ドル増え、総計100万ドルを超えた[10]。2007年、財団は拡大しつづけ、純資産が1,700,000ドルとなった[11]。2007年に収入も支出も、ほぼ2倍になった[11]。財団はen:Charity Navigatorによって三ツ星のレイティングを与えられた[12]

寄付編集

2008年3月25日ベンチャー投資家コースラ夫妻から50万ドルを寄付される[13]。2008年3月28日、財団はアルフレッド・P・スローン財団から3年で300万ドルの寄付を受けることを発表した[14][15]。2009年、財団は3つの贈与を受けた。ひとつはフランク・スタントンによるスタントン財団から890,000ドルで、初めて使用する人のために、ユーザインタフェースの研究と簡素化を支援することを目的としている[16]。ふたつめはフォード財団によるもので、ウィキメディアコモンズに対して、ウィキメディアのウェブサイト群のインタフェースとワークフローの改良のためのものである[17]。2009年8月、ウィキメディア財団はヒューレット財団から500,000ドルの贈与を受けた。2009年8月、en:Omidyar Networkはウィキメディア財団に対して200万ドルの提供を申し出た。2010年2月22日検索サイトを運営するGoogle社が200万ドルを財団に寄付した。

脚注編集

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出典編集

  1. ^ Staff and contractors”. Wikimedia Faundation. 2015年5月13日閲覧。
  2. ^ Press releases/Relocation”. Wikimedia Faundation. 2015年5月13日閲覧。
  3. ^ Wikimania 2011 main page. wikimedia.org.
  4. ^ Owen, James (2011年4月12日). “Wikimania 2012 Awarded to Washington, DC”. Mailing List Archive: Wikipedia: WikiMania. gossamer-threads.com. 2011年4月15日閲覧。 Official site
  5. ^ http://wikimania2013.wikimedia.org
  6. ^ http://wikimania2014.wikimedia.org
  7. ^ http://wikimania2015.wikimedia.org
  8. ^ http://wikimania2016.wikimedia.org
  9. ^ http://wikimania2017.wikimedia.org
  10. ^ Wikimedia Foundation, Inc. – Financial Statements — June 30, 2006, 2005, and 2004 (PDF)”. Wikimedia Foundation (2006年12月6日). 2006年12月6日閲覧。
  11. ^ a b Finance report 2007 (PDF)”. Wikimedia Foundation. 2015年5月13日閲覧。
  12. ^ Charity Navigator Rating - Wikimedia Foundation”. Charity Navigator. 2015年5月13日閲覧。
  13. ^ Daniel Terdiman (2008年3月28日). “ベンチャー投資家のコースラ夫妻、ウィキメディア財団に50万ドルの寄付を発表”. CNET Japan (朝日インタラクティブ). http://japan.cnet.com/news/biz/20370377/ 2008年12月21日閲覧。 
  14. ^ Sloan Foundation to Give Wikipedia $3M”. Associated Press. 2008年3月29日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年5月15日閲覧。
  15. ^ Daniel Terdiman (2008年3月26日). “スローン財団、ウィキメディア財団に300万ドルを資金提供へ”. CNET Japan (朝日インタラクティブ). http://japan.cnet.com/news/biz/20370130/ 2008年12月21日閲覧。 
  16. ^ Stanton Grant Q&A”. Wikimedia Foundation. 2015年5月13日閲覧。
  17. ^ ERIK MOELLER. “Ford Foundation Awards $300K Grant for Wikimedia Commons”. Automattic. 2015年5月13日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集

サイト
動画
  • Inside Wikimedia - 事務長のスー・ガードナーを中心に複数のスタッフがWikimedia財団の紹介を行っているビデオ(英語)