ウシ科(ウシか、Bovidae)は、哺乳綱鯨偶蹄目ウシ亜目(反芻亜目)に属するである。

ウシ科
Bovidae
生息年代: 中新世前期-現世
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 鯨偶蹄目 Cetartiodactyla
亜目 : ウシ亜目 Ruminantia
下目 : 真反芻下目 Pecora
: ウシ科 Bovidae
学名
Bovidae Gray1821
亜科[1]

形態

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ウシ科に共通の特徴として、その角は洞角であり、角質の鞘と骨質の芯をもつ。シカ科枝角のように骨質部が生えかわったり、プロングホーンのように鞘が抜け替わったりすることはない。

側方の指は常に不完全で、ふつうは副蹄しかなく、この副蹄ももたないものもある。

系統

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真反芻下目
ウシ科
Aegodontia
ブラックバック族

ブラックバック亜族 Antilopina

オリビ亜族 Ourebina

ボック亜族 Raphicerina

チベットガゼル亜族 Procaprina

クリップスプリンガー族 Oreotragini

ダイカー亜科 Cephalophinae

リーボック亜科 Peleinae

ブルーバック亜科

ハーテビースト族 Alcelaphini

ブルーバック族 Hippotragini

ヤギ亜科 Caprinae

インパラ亜科 Aepycerotinae

ローヤルアンテロープ族 Neotragini

Boodontia
ウシ亜科

ニルガイ族 Boselaphini

ブッシュバック族 Tragelaphini

ウシ族 Bovini

ジャコウジカ科 Moschidae

シカ科 Cervidae

キリン科 Giraffidae

プロングホーン科 Antilocapridae

[2][3]

ウシ科は Boodontia(直訳: 牛歯類)と Aegedontia(直訳: エーゲ歯類)に分かれる[4]Boodontiaアジアで、Aegedontiaアフリカで進化した。

より詳細には12族に分類され[4][5][2]Boodontia にはウシ亜科の3族が属す。Aegedontia には残りの9族が属す。しかし、その亜科分類は一定せず、現在では1亜科[5][2]〜8亜科[3]に分類されるが、ここでは6亜科(ウシ科全体で7亜科)に分けることとする[1]。ただし、この分類でのブラックバック亜科(ブラックバック族 + クリップスプリンガー族 + ローヤルアンテロープ族)は、多系統である[4][5][2][3]

ウシ科の中ではまずウシ亜科が分岐し、次に (インパラ亜科 + ローヤルアンテロープ族) が分岐した[2][3]。その後の分岐は不確実である。

ウシ科の正確な姉妹群は不確実だが、ウシ科など5科からなる真反芻下目 Pecora は単系統である[2]

分類

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ウシ科はウシ亜科とそれ以外に分岐したため、ウシ亜科以外をブラックバック亜科にまとめる分類もある[5][2]。この場合、レイヨウ亜科と訳すこともある。

 
ブラックバック
Antilope cervicapra
 
トムソンガゼル
Gazella thomsonii
 
キルクディクディク
Madoqua kirkii
 
アフリカスイギュウ
Syncerus caffer
 
ニホンカモシカ
Capricornis crispus
 
ビッグホーン
Ovis canadensis
 
オグロヌー
Connochaetes taurinus
 
ベイサオリックス
Oryx beisa

ウシ亜科 Bovinae

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ブラックバック亜科 Antilopinae

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ガゼル亜科とも。

ローヤルアンテロープ亜科 Neotraginae を分けることもある。

ヤギ亜科 Caprinae

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チルー亜科 Pantholopinae を分けることもある。

ブルーバック亜科 Hippotraginae

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ハーテビースト亜科 Alcelaphinae を分けることもある[3]

インパラ亜科 Aepycerotinae

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リーボック亜科 Peleinae

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リードバック亜科とも。

リードバック亜科 Reduncinae を分けることもある[3]

ダイカー亜科 Cephalophinae

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脚注

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参考文献

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  • 長谷川政美『新図説 動物の起源と進化 書き換えられた系統樹』八坂書房、2011年、72-74頁。ISBN 978-4-89694-971-1 

関連項目

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