ウメ星デンカ

ウメ星デンカ』(ウメぼしデンカ)は、藤子・F・不二雄ギャグ漫画SF漫画作品、および同作を原作としたアニメ作品、また作品内の主人公の一人の名称。1968年から1970年まで雑誌連載、1969年テレビアニメ化され、1994年劇場アニメ化された。

ウメ星デンカ
漫画
作者 藤子不二雄[1]
出版社 小学館
掲載誌 小学一年生-小学四年生よいこ幼稚園
週刊少年サンデー
発表期間 1968年 - 1970年
アニメ
原作 藤子不二雄
音楽 林一
製作 東京ムービーAプロダクション
スタジオ・ゼロ
TBS[2]
放送局 TBS(キー局)
放送期間 1969年4月1日 - 9月23日
話数 全26話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

目次

概要編集

故郷のウメ星が爆発してしまったため地球に逃れてきたウメ星国の王室一家が地球の平凡な一家に居候するギャグ漫画。

前作『21エモン』が、非日常世界(未来)における日常物語というコンセプトで描いたものの、当時の読者の反応が今一つだったことから、再び「日常に非日常的なキャラクターがいる」というコンセプトに立ち戻って描いた作品。藤子・F・不二雄の原点に立ち戻った作品だが、特に際だった物語にならず人気も今ひとつで終了する。しかしデンカ一家が乗って来た、壷型宇宙船から色々な道具が出てくるという設定は、本作の次の連載となる『ドラえもん』の「四次元ポケット」のプロットになった。王室という素材をあつかい、しかも小市民宅の二階で祖国復興のために内職にいそしむという極端な設定を用いながらも、風刺よりはおおらかな笑いにつつまれ、この作者のものとしても一際のんびりした作品となっている。

本作に登場するロボットゴンスケは、『21エモン』のメイン・キャラクターを務めたが、本作でもまたメイン・キャラクターとして登場。藤子作品においては小池さん神成さんなど複数作品に登場したサブ・キャラクターは幾人かが見受けられるが、メイン・キャラクターが異なる作品にまたがってレギュラー登場した唯一の例である。ただし『21エモン』登場時に比べ、性格・能力がパワーアップされている。

漫画『ドラえもん』(32巻「なんでも空港」)や『チンプイ』に登場したことから、同一世界であることが窺える。

1968年から1970年まで小学館の学習雑誌『小学一年生』-『小学四年生』・『よいこ』・『幼稚園』に連載、1969年に『週刊少年サンデー』に連載。『月刊絵本』1969年2月号、6月号にも掲載。最後に連載が終わった『小学二年生』『小学三年生』では、最後の2回を藤子Fの代わりに、アシスタントしのだひでおが代筆。初期の単行本ではしのだ版最終回が使用されたが、2012年現在入手可能な小学館コロコロ文庫版では藤子Fの筆による最終回のみ収録、藤子・F・不二雄大全集版ではしのだ版と藤子F版両方の最終回が収録されている。

1969年にはTBS系でアニメ化、1994年には映画『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』の併映作として『宇宙の果てからパンパロパン!』が作られた。前年の1993年には再テレビアニメ化の話が持ち上がり、パイロットフィルムも制作され、同年12月31日放送の『大晦日だよ! ドラえもん』にもデンカがゲスト出演したが、『クレヨンしんちゃん』が高視聴率だったため、結局実現には至らなかった。

それから4年後の1998年10月11日、『ドラえもん』のTV放送20周年&映画20周年を記念した特番『秋だ一番! ドラえもん TV&映画20周年!! スーパースペシャル』で、歴代の藤子・F・不二雄アニメキャラと共に、デンカがゲスト出演した(ただし台詞無し)。

中国でも『酸梅星王子』というタイトルで漫画が発行された。

キャラクター編集

デンカ
主人公。ウメ星王国の王子。
中村太郎
東京都在住の小学生。成績は中ぐらい。常にウメ星一家に振り回される。
ウメ星国王
ウメ星の王様。温厚な性格。ウメ星国民のため祖国復興を願いつつ、中村家に居候している。セリフの語尾は「〜ぞよ」。すぐ他人に勲章を授ける癖がある。
ウメ星国王妃
ウメ星のお妃様。語尾は「〜まする」。
ベニショーガ
侍従。忠臣だが直情型ですぐカッとなり、国王やデンカへの諫言も辞さないが、失敗するとすぐ切腹しようとする。語尾は「〜でござる」。
ゴンスケ
ベニショーガが購入したお手伝いロボット。愛読書は電話帳。
ナラ子
ベニショーガの娘。ウメ星爆発後はプロキシマに逃れていたが父に会うため地球へ来る。ゴンスケに匹敵する乱暴者。
フグ田
太郎のクラスメート。ガキ大将。
サンカク
太郎のクラスメート。フグ田の子分。
みよちゃん
太郎のクラスメート。

雑誌連載 編集

  • めばえ 1968年10月号 -  松下ちよし
  • よいこ 1968年10月号 - 1969年12月号 藤子不二雄 しのだひでお
  • 小学館の幼稚園 1968年9月号 - 1969年12月号 藤子不二雄
  • 小学一年生 1968年9月号 - 1970年2月号 藤子不二雄
  • 小学二年生 1968年9月号 - 1970年3月号 藤子不二雄 しのだひでお ​
  • 小学三年生 1968年9月号 - 1970年2月号 藤子不二雄
  • 小学四年生 1968年9月号 - 1969年12月号 藤子不二雄
  • 小学五年生「ウメ星デンカのサイエンス・ルーム」、「ウメ星デンカの発明室」などを連載
  • 小学六年生「ウメ星デンカの英語クラブ」を1968年10月号から1969年7月号に連載
  • 週刊少年サンデー 1969年7号 - 35号

コミックス編集

虫プロ商事・虫コミックス『ウメ星デンカ』(全3巻、絶版)
最初の単行本化だが傑作選となっている。大体は作品発表順の収録順。
小学館・てんとう虫コミックス『ウメ星デンカ』(全3巻、絶版)
小学館から再刊行された傑作選シリーズ。初期版では、前述のしのだひでおによる最終回「別れはつらいよ」が収録され、1994年に発行された後期の版では藤子Fの「ウメ星再建」が収録された。
中央公論社藤子不二雄ランド『ウメ星デンカ』(全5巻、絶版)
中央公論社の藤子不二雄全集での出版。発売期間が比較的短く、かつ収録作品は(2011年以前の段階で)最多という条件が重なっていることから、現在では入手がやや困難となっている。
小学館・小学館コロコロ文庫『ウメ星デンカ』(全2巻、絶版)
てんとう虫コミックス版をベースにしているが、差別描写があるエピソードが未収録となった。また、作者の没後に発行されたのにもかかわらず、作者以外の第三者の手によって書き換えられたコマがある。
小学館・ぴっかぴかコミックス『ウメ星デンカ』(全2巻)
『藤子・F・不二雄こどもまんが名作集』として2006年発行。一部カラー版で、単行本未収録作品を中心に収録。
小学館・藤子・F・不二雄大全集『ウメ星デンカ』(全4巻)
『藤子・F・不二雄大全集』として2011年から発行中。発表されたすべての作品を収録(「別れはつらいよ」を含むしのだ代筆分も収録されている)。

アニメ版編集

1969年4月1日から同年9月23日まで、TBS系列(ネットチェンジ前のため関西地区はABC)で毎週火曜18時 - 18時30分に放送された。15分2話、全26回(全52話)。

放送当時はテレビのカラー化が進んでいたにもかかわらず、予算の都合でモノクロ作品として制作された[3]。2016年1月6日にDVD-BOXが期間限定で発売(詳細は後述)。

TBS系列では、本作放送終了から20年後に1989年に『笑ゥせぇるすまん』(藤子不二雄Ⓐ作品)が開始されるまでの間、藤子不二雄アニメが放送されることはなかった。また、週刊少年サンデー連載作品は本作品から43年後(この間の関西地区ネットチェンジから37年後)の2012年に『マギ』(MBS制作)が始まるまでは放送されることはなかった。

2014年夏、杉並アニメーションミュージアムにて当時開催された「アニメ制作会社スタジオゼロ展」と関連して、第3話Aパート「デンカは強いぞの巻」が館内シアターで上映された。

スタッフ編集

声の出演編集

主題歌・挿入歌編集

これらの曲は、『昭和キッズTVシングルスVol.3』、『テレビまんが主題歌のあゆみ』等のCDに収録されている。また『ウメ星デンカの子守唄』、『ウメ星国歌』という曲も存在し、この2曲は学習誌『小学一年生』1969年6月号の付録ソノシートで発表されたのみでCD化されていない。

エンディング映像には、DVD-BOX収録の映像とは別テイクのものが存在する。通常のエンディングではベニショーガが登場するが別テイクでは登場せず、また、エンディング終盤のデンカによるナレーション「じゃ、また来週「ウメ星デンカ」を見てね!パンパロパン!」が別テイクでは「じゃ、来週も見てね!パンパロパン!」となっている。LD・VHS『東京ムービーアニメ主題歌大全集 第1巻』およびDVD『トムス・エンタテインメントTV主題歌大全集 VOL.1』には、別テイクのものがノンテロップ版で収録されている。

放送当時、不二家から発売された本作とタイアップしたお菓子のCMソングには、主題歌とは異なり小林亜星がCM用に新たに作曲した曲が使われており、後に『小林亜星CMソングアンソロジー』に収録されている。

サブタイトル一覧編集

放送日 話数 サブタイトル 脚本 制作
1969年
4月1日
1 ウメ星デンカがこんにちわの巻 (不明) スタジオ・ゼロ
ウメ星きねん日の巻
4月8日 2 でんかのおるすばんの巻 若林一郎 東京ムービー
とびだすカメラの巻
4月15日 3 デンカくんは強いぞの巻 (不明) スタジオ・ゼロ
デンカもはたらくよの巻
4月22日 4 ハイキングはたのしいなの巻 松元力 東京ムービー
王さまガードマンの巻
4月29日 5 ベニショーガでござるの巻 (不明) スタジオ・ゼロ
ウメ星大せんそうの巻
5月6日 6 勉強はきらいの巻 若林一郎 東京ムービー
国を買っちゃうぞよの巻
5月13日 7 王さまのたんじょう日の巻 (不明) スタジオ・ゼロ
おせっかいなベニショーガの巻
5月20日 8 王さまがおこったよの巻 若林一郎 東京ムービー
犬とねこがしゃべったよの巻
5月27日 9 いたずらかがみの巻 (不明) スタジオ・ゼロ
お城をもらったぞよの巻
6月3日 10 くん章あげるぞよの巻 若林一郎 東京ムービー
王さまのひっこしの巻
6月10日 11 あるく時計の巻 (不明) スタジオ・ゼロ
おりがみゆうえんちの巻
6月17日 12 ウメ星よい国の巻 若林一郎 東京ムービー
まほうのつえの巻
6月24日 13 へんな女の子の巻 (不明) スタジオ・ゼロ
へそまがりナラ子ちゃんの巻
7月1日 14 お金のなる木の巻 若林一郎 東京ムービー
つぼごとぬすまれたの巻
7月8日 15 おへそをかくせの巻 (不明) スタジオ・ゼロ
ナラ子ちゃんのおみやげの巻
7月15日 16 ふしぎなキカイの巻 新沼孝夫 東京ムービー
5人でおるす番の巻 久貴于賀子
7月22日 17 無人島のひみつの巻 (不明) スタジオ・ゼロ
おらぁゴンスケだの巻
7月29日 18 火星人が来たぞの巻 若林一郎 東京ムービー
手品の先生の巻 久貴于賀子
8月5日 19 モーレツゴンスケの巻 (不明) スタジオ・ゼロ
デンカと海とゴンスケの巻
8月12日 20 プールでおせんたくの巻 若林一郎 東京ムービー
こわーいおばけの巻
8月19日 21 ゴンスケ部隊出動の巻 (不明) スタジオ・ゼロ
ゴンスケと花火の巻
8月26日 22 おみこしワッショイの巻 久貴于賀子 東京ムービー
しゅくだいはたいへんだの巻
9月2日 23 ゴンスケ ナラ子対決の巻 スタジオ・ゼロ
ゴンスケ・デンカ学校作戦の巻 若林一郎
9月9日 24 ふたりの王さまの巻 久貴于賀子 東京ムービー
スッパラ祭りの巻 中野健次
9月16日 25 ふたりの季節の巻 (不明) スタジオ・ゼロ
ゴンスケ改造の巻
9月23日 26 ケチンボ大臣の巻 田村多津夫 東京ムービー
ケチケチ大作戦の巻

ビデオソフト化編集

  • 1999年6月25日ビームエンタテインメント発売されたLD・VHS『東京ムービーアニメ主題歌大全集』第1巻に、歴代東京ムービー作品と共に本作のオープニングとエンディング(エンディングは別テイク・ノンテロップ版)が収録された。
  • 2015年3月13日東映ビデオから発売されたDVD『トムス・エンタテインメントTV主題歌大全集』VOL.1に本作のオープニングとエンディング(映像は『東京ムービーアニメ主題歌大全集』収録のものと同じもの)が収録された。
  • 2016年1月6日に東映ビデオから全話を収録したDVD-BOXが発売。第5回Aパート「ベニショーガでござるの巻」は音声未収録となっており、一部話数ではエンディングが未収録となっている。

映画版編集

  • ウメ星デンカ 宇宙の果てからパンパロパン!
1994年3月12日公開。『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』と同時上映。
1993年に本作のリメイク企画が持ち上がり、そのパイロット版を兼ねて制作された映画版。現在(2017年4月時点)まで唯一のカラーアニメ版である。キャラクターのデザインや性格描写を現代風にアレンジし、現代の子供に向けて親しみやすさをアピールしたが、結局この後テレビシリーズの実現には至らず[4]、本作のリメイク企画は(結果的に)この作品のみで終了する格好となってしまった。
本企画のキャンセルで、シンエイ動画の藤子アニメはドラえもんのみとなった。

スタッフ編集

  • 原作:藤子・F・不二雄
  • 監督:やすみ哲夫
  • 脚本:田中浩司
  • レイアウト:木上益治
  • 作画監督:岡田幸子
  • 美術監督:宮野隆
  • 撮影監督:熊谷正弘
  • 録音監督:浦上靖夫
  • 音楽:荒川敏行
  • 演出:善聡一郎
  • 動画チェック:佐々木郁子
  • 色指定:照屋美和子
  • 原画:上宇都辰夫、日下岳史、奥野隆弘、北之原孝将、森岡京、岩田昭宏、糸井美帆、松田洋子、石原立也、本城貴史、寺田和人、端由美子、笹井昌治、高橋博行
  • 動画:三宅春彦、東野伊佐子、木田通夫、渡邊岳泰、川村恵美、上岡秀都、吉川かおり、橋詰理佳、村林千春、武本康弘
  • 仕上:伊藤幸子、西原直美、今泉ひとみ、藤本さおり、松田利恵、辻本和代、西畑孝子、高木理恵
  • 仕上検査:石田奈央美
  • 特殊効果:土井通明
  • 背景:鈴木朗、天水勝、土師勝弘、竹内恵、袖山卓也
  • 撮影:角原幸枝、山田廣明、倉田佳美、木次美則、鈴木浩司、金子仁
  • 編集:岡安肇、中葉由美子、小島俊彦、村井秀明、川崎晃洋、三宅圭貴
  • 効果:横山正和
  • 録音スタジオ:APUスタジオ
  • 整音:大城久典、内山敬章、大谷陽一
  • 録音制作:オーディオプランニングユー
  • 制作アシスタント:降旗洋子
  • 制作デスク:小澤恵
  • ドルビーステレオコンサンタルト:森幹生
  • タイトル:道川昭
  • 現像:東京現像所
  • 制作進行:八田陽子
  • 制作デスク:齋藤敦
  • プロデューサー:別紙壮一、増子相二郎、小泉美明
  • 制作協力:藤子プロASATSU
  • 制作:シンエイ動画小学館テレビ朝日

声の出演編集

主題歌編集

脚注編集

  1. ^ 藤子不二雄とのコンビ解消後は藤子・F・不二雄名義。
  2. ^ 当時の正式な社名は東京放送だが、TBSとしてクレジット表記。
  3. ^ 1971年に放送された『珍豪ムチャ兵衛』が最後のモノクロセルアニメ本放送だが、実際の制作年は1968年である。ただし、事実上最後に制作されたモノクロセルアニメは、本作より3日遅れてスタートし、1970年9月までモノクロであった『もーれつア太郎』(1969年版)である。2015年にはデジタル制作によるモノクロアニメ『暗闇三太』が放送されている(詳細は当該項目先を参照)。
  4. ^ (カラーでの)テレビアニメ化が見送られた理由については不明

関連項目編集