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ウワバミソウ(蟒蛇草、Elatostema umbellatum)は、イラクサ科ウワバミソウ属に分類される多年性植物。別名、ミズナミズともよばれ、山菜としても珍重される。

ウワバミソウ
Elatostema umbellatum 2006.04.19 06.17.14-p4190208.jpg
Elatostema umbellatum
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: イラクサ目 Urticales
: イラクサ科 Urticaceae
: ウワバミソウ属 Elatostema
: ウワバミソウ
E. umbellatum
学名
Elatostema umbellatum var. majus Wedd.
和名
ウワバミソウ

特徴編集

日本では沖縄を除く各地の山間部の渓流わきや、水気の多い岩場などに群生する[1]。森の中など比較的日陰を好み、流れが殆ど視認できない水をたっぷり含んだ沢の近くの腐葉土層ほどよく成長する。好条件の場所であれば、草丈70センチメートル (cm)、茎の太さは成人男性の小指ほどの太さに成長するものもある。

名称の由来は、野生場所がウワバミ(大蛇)の住みそうな所に生えている草という意味から名付けられ、山菜の「ミズナ」としても有名である[1]。また、山菜名「ミズ」は方言で、水辺や湿地帯で自生していることに由来する。近縁種のヒメウワバミソウE. japonicum)も同様に食用とされる。

標準的な草丈は30 - 50 cmで、は多肉質で柔らかく、はゆがんだ長楕円形で茎に互い違いにつく(互生[1]雌雄異株で、春から初夏、4 - 6月にかけて緑白色の小さな花をつけ、雄株は4弁花、雌株は3弁花を球状に咲かせる[1]。秋になると、葉の根元が肥大してむかごとなる。冬には地表部分は枯れるが、根は生きており、春にはまた芽が出る多年草である。

外見はアオミズに似ており、相違点はアオミズのほうは葉が向き合っていることから容易に区別がつく[1]

ムカゴ編集

 
赤ミズの葉の付け根にできたムカゴ。(高解像度)

東北地方では根元まで青いものを青ミズ。根元が赤く葉の付け根に小豆色のムカゴができるものを赤ミズと呼んでいる。 大きな小豆色のムカゴができるものはこの赤ミズで、全草が枯れる前までにこのムカゴから芽が出る。見た目は小さいが姿は親同様。草丈10cm以上に伸びるものもあり、枯れて地面に倒れる前から根を伸ばし始める。雪が降るまでにはムカゴから出た地上部は枯れる。ウワバミソウは地下茎と、このムカゴによって群生を作りやすい。

利用編集

薬用編集

特別な効用を持った成分はないが、斜めに延びた赤紫色を帯びる茎と、短く紅色を帯びた根茎は、つぶすと粘液質を含む[1]。この粘液が皮膚面を保護する作用があり、皮膚の外傷回復を早める働きがある[1]。虫刺されや小さな切り傷、すり傷に生の茎や根をすりつぶした粘液を患部につけると、早期治癒に役立つとされている[1]

食用編集

4 - 5月頃の淡緑色の若葉は、癖がなくて味がよい山菜として食べられている[1]。茎は柔らかくて根元付近は粘り気があり、アクやクセが少ない。地上部の茎葉を根際から摘み取り、湯がいて食用にされ、おひたし和え物炒め物煮物汁物などにされる[1]。また、むかごも食用となる。鍋で塩ひとつまみ入れて沸騰させた湯に、茎葉を入れて茹ですぎないように1 - 2分ほどで茹で上げ、冷水に浸してから調理される[1]

6 - 7月頃のよく生育した茎葉は、表皮を除いて茎だけを軽く茹で、鮮やかな緑色になったら冷水に浸して、水切りしてから調理される[1]

もっとも一般的な食べられ方は水煮にした後、昆布、塩、一味で味付けされたもの。海の近くではこれに生のホヤが入っている地域がある。炒め物は油揚げと一緒に醤油、砂糖、酒か味醂などと一緒に炒めたもの。ウワバミソウがよく採れる地域では、家庭料理のほか、小料理屋でもお通しなどで出されることもある。

また、根や根元の赤い茎は粘りが強いことから、よく土や絡んだ腐葉土を取り除いた後に皮を剥き、生のまま、味噌と一緒に叩きにする調理方法もある。すりこぎなどで叩き、さらに包丁で細かく刻み、酢、味噌、砂糖を加えた甘酢味噌で調理すると、ミズトロロになる[1]。ほのかな土の香りがする酒の肴として、ごはんにのせて食べてもおいしい。

脚注編集

参考文献編集

  • 田中孝治『効きめと使い方がひと目でわかる 薬草健康法』講談社〈ベストライフ〉、1995年2月15日、69頁。ISBN 4-06-195372-9

外部リンク編集