エウテルペー

ギリシア神話に登場する文芸の神。ムーサイの1神。抒情詩を司る

エウテルペー古希: Εὐτέρπη, Euterpē)は、ギリシア神話女神で、9柱の文芸の女神ムーサたち(ムーサイ)の1柱である。抒情詩のムーサ。長母音を省略してエウテルペとも表記される。

ムーサであるエウテルペーとウーラニアー。ポンペオ・バトーニ(1708-1787)の『アポロンと二人のムーサ』より部分。

「喜ばしい女」の意で、ギリシア語Ευ (ふさわしい)と τέρπ-εω (喜ばす)から。

ゼウスムネーモシュネーの娘であり、カリオペークレイオーメルポメネーエラトーテルプシコラータレイアポリュムニアーウーラニアーと姉妹[1][2][3]。各ムーサイに役割が与えられた時に「快を与えるもの」として性格付けられ、後には抒情詩のムーサとされた。アウロスないしはフルートを持った姿で描かれる。

アウロスの発明者だとも言われているが、その点ではマルシュアースの方が有名である。アポロドーロスによると、エウテルペーはストリューモーン河によって身ごもり、男の子レーソスを生んだ[4]。レーソスはトラーキア人を統べることとなったが、トロイアディオメーデースによって殺害された[5][6][4][7]

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脚注 編集

  1. ^ ヘーシオドス、76行-79行。
  2. ^ ヘーシオドス、915行-917行。
  3. ^ アポロドーロス、1巻3・1。
  4. ^ a b アポロドーロス、1巻3・4。
  5. ^ 『イーリアス』第10巻。
  6. ^ エウリーピデース『レーソス』。
  7. ^ アポロドーロス、摘要(E)4・4。

参考文献 編集

関連項目 編集