エクストリーム・メタル

エクストリーム・メタル(Extreme Metal)とは、 1980年代以降に発達してきた一部のヘヴィメタルのサブジャンルを包括的に表現した言葉である。主にスラッシュメタルデスメタルブラックメタルドゥームメタル、またはそれらと関連の深い音楽性を持つグループにおいて定義される。

定義編集

以下の要素を備える音楽に対して用いられる。

特徴編集

一概には言えないが、主たる特徴としては以下のような傾向が挙げられる。

構成編集

元来ヘヴィメタルは、他のロックのジャンルに比べ、大音量で激しく攻撃的であるのが特徴だが、根底にあるハーモニーメロディリズムといった要素は、ポップ・ミュージックのそれと近いものがある。しかし、それがエクストリーム・メタルにおいてはごく限られていたり、完全に無視されることすらある。もちろんコード進行はエクストリーム・メタルにおいても重要なものだが、楽曲のメロディアスさが重視されることはまれである。

ボーカル編集

エクストリーム・メタルの最もわかりやすい特徴はボーカルである。その歌唱法は、がなりたてるもの、獣のような低音のうなり声を上げるもの[† 1]、 高音の金切り声で叫ぶもの[† 2]など様々。

テンポ編集

エクストリーム・メタルはその並外れたテンポによっても特色付けられる。スラッシュメタル、デスメタル、ブラックメタルでは、BPM300を超えるような楽曲が作られる事もしばしばである。このようなテンポに合わせてドラマーダブル・ベース・ドラムやツイン・ペダルを用いるが、シングル・ペダルにこだわる者もいる。逆にフューネラル・ドゥームやドローン・ドゥームでは、これでもかと言わんばかりに遅い曲が作られる。

ギター編集

歪みが激しくて音圧が厚い、またはをつんざくような刺激的なサウンドが好まれる。スラッシュメタルやブラックメタルではレギュラー・チューニングか半音下げ程度が一般的であるが、「重厚感」や「陰鬱」などを重視するデスメタルやドゥームメタルでは、それ以上のダウン・チューニングも頻繁に行われる。他のメタルのサブジャンルよりリフを重視し、ギターソロはそれほど重要なものとされない傾向もある。

ベース編集

強めのアタック音を押し出しているバンドも少なからずいるなど、細かい分野によって用法は異なるが、音圧稼ぎに使われることがほとんどで、あまり目立たないことが多い。調律はギターと同様、レギュラー・チューニングか半音下げ程度が一般的であるが、ダウン・チューニングを用いている場合もある。

歴史編集

1970年代編集

1970年代末以降、モーターヘッドや、NWOBHMの流れの中のアイアン・メイデンなど、パンク・ロックの激しいサウンドに直接または間接的に影響されたバンドは存在した。その中でも、速く攻撃的で悪魔的なイメージを持つバンドとして、当時のメタルシーンの中で際立っていたヴェノムがエクストリーム・メタルの源流となった。彼らが用いた悪魔的なステージネームは、その後のブラック・メタルバンドたちにも影響を与える事になる。

1980年代編集

1980年代前半からはアンダーグラウンドでハードコア・パンクの過激さから強く影響されたメタリカアンスラックススレイヤーなどによる、スラッシュメタルシーンが誕生。のちにそれらのバンド、そしてスラッシュメタル自体がオーバーグラウンドへと浮上し、エクストリーム・メタルの認知度が高まった。

80年代半ばからはシーンの細分化も進み、ブラストビートやダウンチューニングを特徴とするデスメタルバンドや、グラインドコアバンドが登場するようになる。

1990年代編集

1990年代初めには、ノルウェーのシーンを中心にブラックメタルが発展するが、放火や殺人といった犯罪行為で世間の注目を集めてしまう。しかしその後もエクストリーム・メタルは各ジャンルごと発展を続け、クロスオーバーしたものも生まれている[† 3]

属するジャンル編集

脚注編集

注釈編集

  1. ^ デスメタルに多い。
  2. ^ ブラックメタルにおいて顕著である。
  3. ^ マスコアブラッケンド・デスメタル、フューネラル・ブラック・ドゥームなど。

出典編集