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エリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge、1984年11月5日 - )は、ケニアの陸上競技選手。オリンピックでは男子5000 m2004年アテネオリンピックで銅メダル、2008年北京オリンピックで銀メダルを獲得、2016年リオデジャネイロオリンピック男子マラソンで金メダルを獲得した。

エリウド・キプチョゲ Portal:陸上競技
Eliud Kipchoge.jpg
選手情報
フルネーム エリウド・キプチョゲ
ラテン文字 Eliud Kipchoge
国籍  ケニア
種目 長距離走マラソン
生年月日 (1984-11-05) 1984年11月5日(34歳)
身長 170cm
体重 57kg
 
獲得メダル
陸上競技
オリンピック
2016 リオデジャネイロ 男子マラソン
2008 北京 5000m
2004 アテネ 5000m
世界選手権
2003 パリ 5000m
2007 大阪 5000m
世界室内選手権
2006 モスクワ 3000m
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経歴編集

1984年11月5日ケニアナンディ地区カプシシイワにて生まれた。高校卒業後にパトリック・サングコーチに見出され、陸上競技を始めた。キプチョゲはサングコーチに師事し続け、現在も休日に自宅で妻や子供たちと過ごす以外はケニアグローバルスポーツトレーニングキャンプで多くの選手達と共同生活を続けている[1][2]

クロスカントリー・トラック競技編集

2003年3月、世界クロスカントリー選手権大会ジュニアレースで優勝し、注目を集めるようになった。2003年8月、世界陸上5000mモロッコヒシャム・エルゲルージを100分の4秒差の大会新で下し優勝を飾った[3]。2006年12月、10kmロードでエチオピアハイレ・ゲブレセラシェの世界記録を破り、26分54秒の世界新記録を樹立した。2008年、北京オリンピック5,000mで銀メダルを獲得した。2010年5月、IAAFダイヤモンドリーグカタールスーパーグランプリの5,000mで大会記録となる12分51秒21を記録した[4]

マラソン転向編集

2012年よりマラソン競技に転向、初マラソンとなる2013年ハンブルグマラソンで大会新記録となる2時間5分30秒で優勝すると、同年9月のベルリンマラソンではウィルソン・キプサング・キプロティチと終盤まで優勝争いを展開。結局当時の世界記録を出したキプサングに敗北し2位となったが、マラソン2度目にして2時間04分05秒、世界歴代4位(当時)と言う好タイムを叩き出した。翌14年にはロッテルダムマラソンシカゴマラソンの2レースを制し、ワールドマラソンメジャーズシリーズで初優勝レースを達成した。

2015年ロンドンマラソンに初出場。このレースでは、前述のキプサング、後述のキメットと言う前世界記録保持者と現世界記録保持者の対決に注目が集まっていたが、キプチョゲは淡々と先頭でレースを進め、終盤先頭から脱落したキメットに代わってキプサングとの一騎討ちを演じると、残り1キロを切った所でスパートし、キプサングを5秒差で振り切り初優勝を果たした。同じ年2大会ぶりにベルリンマラソンに出走。このレースでは序盤でインソールがシューズの外に飛び出すというトラブルに見舞われながらも2時間04分00秒と言う自己ベストを出して優勝し、話題になった[5]。以降もワールドマラソンメジャーズシリーズで連戦に連勝を重ね、2019年現在12戦11勝、10連勝と言う圧倒的な戦績を残している。

2016年のロンドンマラソンでは、デニス・キプルト・キメットの世界記録に8秒に迫る世界歴代2位(当時)のタイムを記録。

マラソン世界最速記録(非公式)編集

2017年5月6日、イタリアのモンツァ・サーキットにて行われた、スポーツ用品ナイキ企画の「ブレーキング2」にゼルセナイ・タデッセレリサ・デシサと共に参加[6][7][8]。キプチョゲは、当時の男子マラソン最高記録(2時間02分57秒)を上回る2時間00分25秒を記録し[9]、史上最速でマラソンを走った選手となった。しかしこの企画は特別な環境下で実施されたものであったため、記録は国際陸上競技連盟が認めたものではなく、非公式記録とされている[10]。この企画はナショナルジオグラフィックチャンネルのドキュメンタリー番組として放送された[11]

公認世界最高記録編集

2018年のベルリンマラソンにて従来の世界記録を1分強も縮める2時間01分39秒と言う驚異的な世界新記録を叩き出して2連覇を達成した。これにより、初めて2時間1分台に突入した選手となった[12]。このことなどからマラソン2時間切りに最も近い選手の一人である。

キプチョゲの非公認マラソン世界最高記録編集

5 km 10 km 15 km 20 km ハーフ 25 km 30 km 35 km 40 km ゴール
タイム 14:14 28:21 42:34 56:49 59:57 1:11:03 1:25:20 1:39:37 1:54:04 2:00:25
スプリット 14:14 14:07 14:13 14:15 14:14 14:17 14:17 14:27 6:21

キプチョゲのマラソン世界最高記録編集

5km 10km 15km 20km ハーフ 25km 30km 35km 40km ゴール
タイム 14:24 29:01 43:38 57:56 1:01:06 1:12:24 1:26:45 1:41:01 1:55:32 2:01:39
スプリット 14:24 14:37 14:37 14:18 14:28 14:21 14:16 14:31 06:07

主な実績編集

大会 場所 種目 結果 記録
2003 世界陸上選手権 パリフランス 5000m 12:52.79(大会記録)
IAAFワールドアスレチックファイナル モンテカルロモナコ 5000m 1位 13:23.34
2004 オリンピック アテネギリシャ 5000m 13:15.10
IAAFワールドアスレチックファイナル モンテカルロ(モナコ) 3000m 1位 7:38.67
2005 世界陸上選手権 ヘルシンキフィンランド 5000m 4位 13:33.04
IAAFワールドアスレチックファイナル モンテカルロ(モナコ) 3000m 2位 7:38.95
2006 世界室内陸上選手権 モスクワロシア 3000m 7:42.58
IAAFワールドアスレチックファイナル シュトゥットガルトドイツ 3000m 7位 7:41.46
2007 世界陸上選手権 大阪日本 5000m 13:46.00
IAAFワールドアスレチックファイナル シュトゥットガルト(ドイツ) 3000m 6位 7:50.93
5000m 5位 13:40.49
2008 オリンピック 北京中国 5000m 13:02.80
IAAFワールドアスレチックファイナル シュトゥットガルト(ドイツ) 5000m 5位 13:24.13
2009 世界陸上選手権 ベルリン(ドイツ) 5000m 5位 13:18.95
IAAFワールドアスレチックファイナル テッサロニキ(ギリシャ) 3000m 9位 8:07.26
2011 世界陸上選手権 大邱韓国 5000m 7位 13:27.27

マラソン成績編集

年月 大会名 タイム 順位 備考
2013.05 ハンブルクマラソン 2:05:30 優勝
2013.09 ベルリンマラソン 2:04:05 2位 世界歴代4位(当時)
2014.04 ロッテルダムマラソン 2:05:00 優勝
2014.10 シカゴマラソン 2:04:11 優勝
2015.04 ロンドンマラソン 2:04:42 優勝
2015.09 ベルリンマラソン 2:04:00 優勝 世界歴代6位(当時)
2016.04 ロンドンマラソン 2:03:05 優勝 世界歴代2位(当時)
2016.08 リオデジャネイロオリンピック 2:08:44 優勝
2017.09 ベルリンマラソン 2:03:32 優勝
2018.04 ロンドンマラソン 2:04:17 優勝
2018.09 ベルリンマラソン 2:01:39 優勝 世界記録
2019.04 ロンドンマラソン 2:02:37 優勝

自己ベスト編集

種目 タイム 年月日 場所 備考
1,500 m 3:33.20 2004/5/31 ヘンゲロー
1マイル 3:50.40 2004/7/30 ロンドン
3,000 m 7:27.66 2011/5/6 ドーハ
5,000 m 12:46.53 2004/7/2 ローマ 世界歴代6位
10,000 m 26:49.02 2007/5/26 ヘンゲロー
ハーフマラソン 59:25 2012/9/1 リール
マラソン 2:01:39 2018/9/16 ベルリン 世界歴代1位

注釈編集

  1. ^ ドキュメンタリーとして観る”フルマラソン2時間切り”への挑戦【ナショジオ×ナイキ】”. Runtrip. 2018年3月1日閲覧。
  2. ^ Breaking2 Documentary Special”. National Geographic. 2018年3月1日閲覧。
  3. ^ 2003 World Championships, “Unheralded Kipchoge salvages Kenyan pride”. IAAF. (2003年9月1日). http://www.iaaf.org/news/news/unheralded-kipchoge-salvages-kenyan-pride 2016年4月27日閲覧。 
  4. ^ Ramsak, Bob (2010年5月14日). “Rudisha and Powell impress as IAAF Diamond League kicks off in Doha – Report”. IAAF. http://www.iaaf.org/news/report/rudisha-and-powell-impress-as-iaaf-diamond-le 2016年4月27日閲覧。 
  5. ^ Kenyan Marathoner Falls Short of Record After Nike Shoes Fail”. ウォール・ストリート・ジャーナル (2015年9月27日). 2018年3月1日閲覧。
  6. ^ breaking2”. nike. 2018年3月1日閲覧。
  7. ^ NIKE(ナイキ)がマラソンでの2時間切りに挑戦。プロジェクトを発表”. i bought. 2018年3月1日閲覧。
  8. ^ Nikeのマラソン2時間切りへの挑戦「Breaking2」”. sportie.com. 2018年3月1日閲覧。
  9. ^ So Close to Breaking the Unbreakable Record”. Cameron Poetzscher's Sports Blog. 2017年5月29日閲覧。
  10. ^ 【Breaking2】2時間00分25秒のキプチョゲ、「サブ2」達成を阻んだ35kmの壁”. runtrip. 2018年3月1日閲覧。
  11. ^ BREAKING2 IN PARTNERSHIP WITH NIKE”. National Geographic Channel. 2018年3月1日閲覧。
  12. ^ “キプチョゲが人類初の2時間1分台の世界記録樹立”. ニッカンスポーツ・コム. 日刊スポーツ新聞社. (2018年9月16日). https://www.nikkansports.com/sports/athletics/news/201809160000865.html 2018年9月16日閲覧。 

外部リンク編集

記録
先代:
  デニス・キプルト・キメット
男子マラソン世界記録保持者
2018/9/16 –
次代:
-