エリーズ・メルテンス

ベルギーの女性テニス選手 (1995 - )

エリーズ・メルテンスElise Mertens, 1995年11月17日 - )は、ベルギールーヴェン出身の女子プロテニス選手。2018年全豪オープン女子シングルスでベスト4に入った選手である。これまでにWTAツアーでシングルス10勝、ダブルス21勝を挙げている。身長179cm、体重67kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。WTAランキング最高位はシングルス12位、ダブルス1位。

エリーズ・メルテンス
Elise Mertens
エリーズ・メルテンス
基本情報
国籍 ベルギーの旗 ベルギー
出身地 同・ルーヴェン
居住地 同・ハモント=アフェル
生年月日 (1995-11-17) 1995年11月17日(29歳)
身長 179cm
体重 67kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2013年
ツアー通算 31勝
シングルス 10勝
ダブルス 21勝
生涯獲得賞金 16,584,426 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 ベスト4(2018)
全仏 4回戦(2018)
ウィンブルドン 4回戦(2019)
全米 ベスト8(2019・2020)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 優勝(2021・2024)
全仏 ベスト4(2019)
ウィンブルドン 優勝(2021)
全米 優勝(2019)
優勝回数 4(豪2・米1・英1)
国別対抗戦最高成績
BJK杯 ベスト8(2018, 2019)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 12位(2018年11月26日)
ダブルス 1位(2021年5月10日)
2021年11月17日現在

来歴

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ベルギーの2強豪キム・クライシュテルスジュスティーヌ・エナンがテニス界を席巻するのを見て育ったメルテンスは、2015年よりクライシュテルスのテニス・アカデミーにてトレーニングを開始した[1]

4大大会では2016年全米オープンで予選を勝ち上がり初出場した。1回戦で第3シードのガルビネ・ムグルサに 6-4, 0-6, 3-6 で敗れた。

2017年1月のホバート大会の決勝でモニカ・ニクレスクを 6-3, 6-1 で破りWTAシングルスツアー初優勝を果たした。2017年全仏オープンでは1回戦で第24シードのダリア・ガブリロワを 7-6(4), 1-6, 6-4 で破り3回戦まで進出した。

2018年はホバート大会で連覇を達成した。2018年全豪オープンではノーシードから勝ち上がり準々決勝でエリナ・スビトリナを 6-4, 6-0 で破りベスト4に進出した。準決勝では優勝したキャロライン・ウォズニアッキに 3-6, 6-7(2) で敗れた。

2018年11月26日付のランキングで自己最高の12位を記録している。

ダブルスではアリーナ・サバレンカと組み2019年3月のBNPパリバ・オープンマイアミ・オープンで連続優勝した。9月の全米オープンでもビクトリア・アザレンカアシュリー・バーティ組を 7-5, 7-5 で破り初の4大大会タイトルを獲得した。

2021年2月の全豪オープンも引き続きサバレンカと組み第2シードとして出場、バルボラ・クレイチコバカテリナ・シニアコバ組を 6-2, 6-3 のストレートで下して優勝した。これによりメルテンスは、全豪オープンのダブルス種目において決勝進出および優勝を果たした初のベルギー人となった。その後、4月にベロニカ・クデルメトワと出場したイスタンブール・カップでも優勝を果たすと、5月10日付のダブルス世界ランキングで1位の座を獲得した。ベルギー勢としてはキム・クライシュテルスに次ぐ2人目の功績である[2]謝淑薇をパートナーとして第5シードで挑んだ7月のウィンブルドンでは、ロシアのベロニカ・クデルメトワエレーナ・ベスニナ組に2度のマッチポイントを握られながらも 3-6, 7-5, 9-7 で激闘を制し[3]、同年2個目となるグランドスラムタイトルを獲得した。更に10月のインディアンウェルズでもと優勝を果たすと、WTAファイナルズの出場権を獲得、準優勝した。

WTAツアー決勝進出結果

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シングルス: 16回 (10勝6敗)

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大会グレード
2020年以前 2021年以後
グランドスラム (0–0)
WTAファイナルズ (0–0)
プレミア・マンダトリー (0–0) WTA1000 (0–0)
プレミア5 (0–0)
WTAエリート・トロフィー (0–0)
プレミア (1–0) WTA500 (1–0)
インターナショナル (4–3) WTA250 (3–3)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 2017年1月14日   ホバート ハード   モニカ・ニクレスク 6-3, 6-1
準優勝 2. 2017年4月30日   イスタンブール クレー   エリナ・スビトリナ 2-6, 4-6
優勝 3. 2018年1月13日   ホバート ハード   ミハエラ・ブザルネスク 6-1, 4-6, 6-3
優勝 4. 2018年4月15日   ルガーノ クレー   アリーナ・サバレンカ 7-5, 6-2
優勝 5. 2018年5月5日   ラバト クレー   アイラ・トムリャノビッチ 6-2, 7-6 (7-4)
優勝 6. 2019年2月16日   ドーハ ハード   シモナ・ハレプ 3-6, 6-4, 6-3
準優勝 7. 2020年8月16日   プラハ クレー   シモナ・ハレプ 2-6, 5-7
準優勝 8. 2020年11月15日   リンツ ハード(インドア)   アリーナ・サバレンカ 5-7, 2-6
優勝 9. 2021年2月6日   メルボルン ハード   カイア・カネピ 6-4, 6-1
準優勝 10. 2021年4月25日   イスタンブール クレー   ソラナ・チルステア 1-6, 6-7 (3-7)
優勝 11. 2022年10月9日   モナスティル ハード   アリーゼ・コルネ 6–2, 6–0
優勝 12. 2023年10月22日   モナスティル ハード   ジャスミン・パオリーニ 6–3, 6–0
準優勝 13. 2024年1月13日   ホバート ハード   エマ・ナヴァッロ 1–6, 6–4, 5–7
準優勝 14. 2025年1月11日   ホバート ハード   マッカートニー・ケスラー 4–6, 6–3, 0–6
優勝 15. 2025年2月2日   シンガポール ハード   アン・リー 6–1, 6–4
優勝 16. 2025年6月15日   スヘルトーヘンボス   エレナ=ガブリエラ・ルース 6-3, 7-6 (7-4)

ダブルス: 35回 (21勝14敗)

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結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
優勝 1. 2016年1月9日   オークランド ハード   アン=ソフィー・メスタフ   ダンカ・コビニッチ
  バルボラ・ストリコバ
2-6, 6-3, [10-5]
準優勝 2. 2017年4月30日   イスタンブール クレー   ニコール・メリチャー   ダリラ・ヤクポビッチ
  ナディヤ・キチェノク
6-7 (6-8) , 2-6
準優勝 3. 2017年7月23日   ブカレスト クレー   デミ・シュールス   イリーナ=カメリア・ベグ
  ラルカ・オラル
3-6, 3-6
優勝 4. 2017年9月23日   広州 ハード   デミ・シュールス   モニク・アダムチャック
  ストーム・サンダース
6-2, 6-3
優勝 5. 2018年1月13日   ホバート ハード   デミ・シュールス   リュドミラ・キチェノク
  二宮真琴
6-2, 6-2
優勝 6. 2018年4月15日   ルガーノ クレー   キルステン・フリプケンス   ベラ・ラプコ
  アリーナ・サバレンカ
6-1, 6-3
優勝 7. 2018年6月16日   スヘルトーヘンボス   デミ・シュールス   キキ・ベルテンス
  キルステン・フリプケンス
3-3, 途中棄権
準優勝 8. 2018年6月24日   バーミンガム   デミ・シュールス   ティメア・バボシュ
  クリスティナ・ムラデノビッチ
6-4, 3-6, [8-10]
準優勝 9. 2018年8月19日   シンシナティ ハード   デミ・シュールス   ルーシー・ハラデツカ
  エカテリーナ・マカロワ
2-6, 5-7
優勝 10. 2018年9月29日   武漢 ハード   デミ・シュールス   アンドレア・セスティニ・フラバーチコバ
  バルボラ・ストリコバ
6-3, 6-3
優勝 11. 2019年3月16日   インディアンウェルズ ハード   アリーナ・サバレンカ   バルボラ・クレイチコバ
  カテリナ・シニアコバ
6-3, 6-2
優勝 12. 2019年3月31日   マイアミ ハード   アリーナ・サバレンカ   サマンサ・ストーサー
  張帥
7-6(7-5), 6-2
優勝 13. 2019年9月8日   全米オープン ハード   アリーナ・サバレンカ   ビクトリア・アザレンカ
  アシュリー・バーティ
7-5, 7-5
準優勝 14. 2019年9月28日   武漢 ハード   アリーナ・サバレンカ   段瑩瑩
  ベロニカ・クデルメトワ
6-7(3-7), 2-6
優勝 15. 2020年10月25日   オストラヴァ ハード(インドア)   アリーナ・サバレンカ   ガブリエラ・ダブロウスキー
  ルイーザ・ステファニー
6-1, 6-3
優勝 16. 2021年2月20日   全豪オープン ハード   アリーナ・サバレンカ   バーボラ・クレイチコバ
  カテリーナ・シニアコバ
6-2, 6-3
優勝 17. 2021年4月25日   イスタンブール クレー   ベロニカ・クデルメトワ   日比野菜緒
  二宮真琴
6-1, 6-1
優勝 18. 2021年7月10日   ウィンブルドン   謝淑薇   ベロニカ・クデルメトワ
  エレーナ・ベスニナ
3-6, 7-5, 9-7
優勝 19. 2021年10月16日   インディアンウェルズ ハード   謝淑薇   ベロニカ・クデルメトワ
  エレーナ・リバキナ
7-6(7-1), 6-3
準優勝 20. 2021年11月17日   グアダラハラ ハード   謝淑薇   バルボラ・クレイチコバ
  カテリナ・シニアコバ
3-6, 4-6
優勝 21. 2022年2月19日   ドバイ ハード   ベロニカ・クデルメトワ   リュドミラ・キチェノク
  エレナ・オスタペンコ
6–1, 6–3
準優勝 22. 2022年2月25日   ドーハ ハード   ベロニカ・クデルメトワ   コリ・ガウフ
  ジェシカ・ペグラ
6–3, 5–7, [5–10]
準優勝 23. 2022年4月3日   マイアミ ハード   ベロニカ・クデルメトワ   ラウラ・シグムント
  ベラ・ズボナレワ
6–7(3–7), 5–7
準優勝 24. 2022年6月11日   スヘルトーヘンボス   ベロニカ・クデルメトワ   エレン・ペレス
  タマラ・ジダンシェク
3–6, 7–5, [10–12]
準優勝 25. 2022年6月19日   バーミンガム   張帥   リュドミラ・キチェノク
  エレナ・オスタペンコ
棄権
準優勝 26. 2022年7月10日   ウィンブルドン   張帥   バルボラ・クレイチコバ
  カテリナ・シニアコバ
2–6, 4–6
優勝 27. 2022年11月7日   フォートワース ハード   ベロニカ・クデルメトワ   バルボラ・クレイチコバ
  カテリナ・シニアコバ
6–2, 4–6, [11–9]
優勝 28. 2023年5月20日   ローマ クレー   ストーム・ハンター   コリ・ガウフ
  ジェシカ・ペグラ
6–4, 6–4
準優勝 29. 2023年7月16日   ウィンブルドン   ストーム・ハンター   謝淑薇
  バルボラ・ストリコバ
5–7, 4–6
優勝 30. 2023年9月23日   グアダラハラ ハード   ストーム・ハンター   ガブリエラ・ダブロウスキー
  エリン・ラウトリフ
3–6, 6–2, [10–4]
優勝 31. 2024年1月28日   全豪オープン ハード   謝淑薇   リュドミラ・キチェノク
  エレナ・オスタペンコ
6–1, 7–5
優勝 32. 2024年3月16日   インディアンウェルズ ハード   謝淑薇   ストーム・ハンター
  カテリナ・シニアコバ
6–3, 6–4
優勝 33. 2024年6月23日   バーミンガム   謝淑薇   加藤未唯
  張帥
6–1, 6–3
準優勝 34. 2025年5月4日   マドリード クレー   ベロニカ・クデルメトワ   ソラナ・チルステア
  アンナ・カリンスカヤ
7–6(12–10), 2–6, [10–12]
準優勝 35. 2025年5月18日   ローマ クレー   ベロニカ・クデルメトワ   サラ・エラニ
  ジャスミン・パオリーニ
4–6, 5–7

4大大会優勝

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4大大会シングルス成績

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略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 通算成績
全豪オープン A LQ A SF 3R 4R 4R 13–4
全仏オープン A LQ 3R 4R 3R 3R 3R 11–5
ウィンブルドン LQ LQ 1R 3R 4R NH 3R 7–4
全米オープン LQ 1R 1R 4R QF QF 11–5

脚注

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  1. ^ ベルギーの次世代リーダー、メルテンス「私は普通の、静かな女の子」”. Tennis Magazine ONLINE. 2021年7月25日閲覧。
  2. ^ ELISE MERTENS ASCENDS TO WTA DOUBLES WORLD NO.1” (英語). WTA. 2021年7月25日閲覧。
  3. ^ 2度のMP凌ぎ逆転優勝”. 総合テニス専門サイト「テニス365」. 2021年7月25日閲覧。

外部リンク

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