メインメニューを開く

エルンスト・フォン・アイゼナッハ

エルンスト・フォン・アイゼナッハErnst von Eisenach)は、『銀河英雄伝説』の登場人物。

概要編集

ローエングラム陣営の主要提督の一人で、獅子の泉の七元帥の一人。非常に無口であることから「沈黙提督」の異名を持っている。作品中で明確に本人のものと確認出来る発言は「チェック・メイト」一言のみであり、その場にいたミッターマイヤー以外の上級大将達はかなり驚愕している。その語を発したのは新帝国暦3年5月18日16:00と正確に記録されており、それだけ驚くべきことであるのが伺える。また、物語中最後の大規模な戦闘となるシヴァ星域会戦の始まりを告げる台詞でもあり、ストーリー上も重要な意味を有している。その他に彼が喋ったとされる台詞も、ミッターマイヤーが聞いたとされるコーヒーをこぼした時の「しまった」と、ラインハルトに対してもこれだけしか発言しないという「御意(ヤー)」「否(ナイン)」のみである[1]。派手な軍功こそ無かったが、任務に忠実、かつ確実に成果を上げてきたため、周囲の信頼厚く上級大将まで登り詰めた。錆びた銅の色(緑青ではなく焦茶色に近い色)をした髪をしており、後ろの髪の毛がひと房だけ逆立っている。乗艦はヴィーザル。副官はグリース(アニメ版)。

略歴編集

時系列上の初登場は、OVA外伝「奪還者」第4話で描かれた、帝国暦484年1月の出来事。本人は映像では登場しないが「複数の同盟の艦から追撃されるラインハルトの艦に対して足の遅い補給艦で全速で航行しながら補給物資を放出、艦の外壁でクルーがそれを受け取る」という、地味だが絶妙な離れ業的作戦を行い、ラインハルトの知遇を得る。なお、この時ラインハルトの艦で副長を務めていたワーレン少佐は、補給艦の艦長がアイゼナッハ少佐で、「沈黙艦長」の異名を奉られている事をラインハルトに説明している。リップシュタット戦役後、レンネンカンプらと同時期に元帥府に登用されて提督の列に加わった。以降は、地味だが重要な役を何度も果たし、物語終了まで生き残った。

能力編集

ラインハルトがアイゼナッハを元帥府に登用すると決めた時、ラインハルトの人事にしばしば異を唱えるオーベルシュタインが、この人事は全面的に賛成したという逸話が残されている。

堅実な艦隊指揮を信条とし、作戦行動でも、見栄えより確実な戦果を優先して行動する。リップシュタット戦役までは主に敵の後方撹乱・敵の増援部隊阻止・陽動作戦・上陸支援といった地味ながら重要な任務を黙々とこなし、一度も失敗が無かった。ラグナロック作戦では、ロイエンタール率いるイゼルローン要塞攻撃部隊の後詰めを担当[2]第二次ラグナロック作戦では侵攻部隊の中盤を担当。作戦中のマル・アデッタ会戦では右翼から後方に回り込んで同盟軍をかく乱した。シヴァ星域の戦いではビッテンフェルト艦隊のサポートとして遠距離攻撃でイゼルローン軍の戦力を削ぐ事に専念している。ある程度の裁量を与えられた時は、必ず広角的な視野を以って行動を起こしており、後退しつつ敵の攻勢を誘い、逆撃を加える戦法を好む。

指揮に際しても口頭によらず手振りや指を鳴らして指示を出す事がしばしばであり、副官(グリース)が、その意図を読み取って具体的な号令を出す。

人柄編集

異名の通り寡黙な人柄であり、それゆえ周囲からは気難しい性格だと思われている。第2次ラグナロック作戦を実施中のエピソードとして、提督が指を1回鳴らしたらコーヒーを、2回鳴らしたらウイスキーを4分以内に出す様に指示された従卒の幼年学校生が、極度の緊張から取り違えて、ウイスキーを1杯出すべきところでコーヒーを2杯持ってきたところ、彼は恐る恐る差し出されたコーヒーを黙って2杯とも飲み、しばらくの間禁酒を余儀なくされたという。従卒の事を思いやる温かみのある性格か、あるいは従卒にすら叱責できないほど喋るのが苦手なのか、少なくとも気難しさとは対極的な性格であったようだ。この他にも彼が喋ったケースの逸話や、口論して激昂するビッテンフェルトとワーレンに鉱水を浴びせるなど、謹厳なキャラクターに反するエピソードが多々存在する。

家族編集

ローエングラム王朝成立後の帝国軍主要提督の中では唯一の妻子持ち[3]。いかにして妻を口説いたのかは同僚の間でも大きな謎とされている。また、ミッターマイヤーは自身が養子を持った際、アイゼナッハ家のにぎやかな様子を想像できないと、つぶやいている。

声優編集

アニメにおいて声を担当した声優津嘉山正種。OVA版本伝でのセリフも第4期終盤、106話の「チェックメイト」のただ一言である。

脚注編集

  1. ^ OVA版では「チェック・メイト」の他に一言副官に指示を出したと取れるシーンがあるが、音声は入っていない。
  2. ^ ただしこれはOVAでの設定であり、原作小説ではラグナロック作戦時には記述が無い。
  3. ^ ワーレンは息子がいるが妻とは死別している。ミッターマイヤーには実子がなく、フェリックスを養子に迎えており、ケンプは妻との間に2人の息子がいるがローエングラム王朝成立前に戦死している。

関連項目編集