エレクトロ・ポップ

エレクトロ・ポップ
様式的起源 ディスコ
ニュー・ウェイヴ
電子音楽
ポップ・ミュージック
ポスト・パンク
グラム・ロック
クラウト・ロック
文化的起源 1978年 - 1981年
ドイツの旗 ドイツ
イギリスの旗 イギリス
使用楽器 シンセサイザードラムマシンベース・ギタードラムシーケンサーキーボードヴォコーダーサンプラーヴォーカル
派生ジャンル ハウストランスエレクトロクラッシュ, エレクトロニカチップチューン
融合ジャンル
テクノ
関連項目
シンセポップ

エレクトロ・ポップ: Electropop)は、1978年から1981年にかけて最初に流行したエレクトロニック・ミュージックの一形式。エレクトロ・ポップは、チャート指向のシンセポップが開拓した大量市場を基盤として生まれた。多くのバンドは、1990年代2000年代もエレクトロ・ポップの伝統を守り続けた。

エレクトロ・ポップは、冷たくロボット的で、電子音を強調するのが特徴であり、これによってシンセポップと区別される。それは、当時の初期アナログシンセサイザーの制約によるところが大きい。また、近未来SFに縁取られた、異星人的で無表情な歌詞も特徴とする。

大部分のエレクトロ・ポップは、シンプルで覚えやすいフックとダンスビートのポップ・ミュージックである。ただし、そのダンスビートはエレクトロ・ポップがインスパイアを与えた、のちのエレクトロニック・ダンス・ミュージック(テクノハウスエレクトロクラッシュなど)の超シンプルなダンサビリティとは異なる。

目次

歴史編集

多くの初期エレクトロ・ポップ・アーティストは英国人であり、デヴィッド・ボウイの〈ベルリン時代〉のアルバム、『ヒーローズ』と『ロウ』の影響を受けた。ほかの大きな影響源は、ドイツのバンド、クラフトワークと日本のバンド、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)である。また、いくつかのグループはニューヨークのシンセ・パンク・グループ、スーサイドや、クラウト・ロックのバンド、ノイ!クラスターカンからもインスピレーションを受けた。

北ヨーロッパには実験的で前衛的な電子音楽の長い歴史があるが、エレクトロ・ポップにはほとんど影響をおよぼしていない。だが、その前衛的な電子音楽の伝統は、「BBCラジオ・音響ワークショップ」や「ロンドン電子音楽スタジオ」のような組織において10年以上にわたり技術的な専門知識を蓄積した。それらの組織は、シンセ・ロックの先駆者たち─ブライアン・イーノロキシー・ミュージックタンジェリン・ドリームピンク・フロイドの仕事を後援した。

エレクトロ・ポップは1970年代終わりから1980年代はじめの英国音楽プレスにおいて、「アドルフ・ヒトラー記念室の警備員」(ミック・ファレン)と呼ばれ、ひどく軽蔑された。

エレクトロ・ポップは、そのシンセ・サウンドが1980年代初頭の英国ニュー・ロマンティクス・ムーブメントとも密接に関わり合っている。また、初期エレクトロ・ポップは、サンプラー使用と後のレイヴ要素をもった、ニュー・オーダーの記念すべき1983年のシングル「ブルーマンデー」によって大きく変わった。その後エレクトロ・ポップは10年にわたる〈冬の時代〉を迎える。その「ブリップ音とビープ音」は近代性という意味をはぎ取られ、レイヴ・カルチャーにとっては新ロマン主義的な懐古の対象となった。

エレクトロ・ポップは、人種差別とファシズム思想が一部から疑われていたにも関わらず、デトロイトを中心に米国の黒人文化の中で流行した。ア・ナンバー・オブ・ネイムスサイバートロンのようなミュージシャンは、R&Bファンクをもとに独特のスタイルのエレクトロ・ポップを追究し、デトロイト・テクノ・シーンを創り上げた。また、ニューヨークのアフリカ・バンバータもクラフトワークをサンプリングすることによって、ヒップホップのエレクトロ・スタイルを発明した。

エレクトロ・ポップは2000年代初めにエレクトロクラッシュ・ムーブメントとしてリバイバルした。それはフェリックス・ダ・ハウスキャットルーク・スレーターのようなアーティストと、ロンドンのNag Nag NagKashpointElectrogogoのようなナイトクラブによって、ダンスシーンを背景に爆発した。

ロンドン、ニューヨーク、ベルリン、そしてアナーバーのエレクトロ・クラッシュ・シーンから多くのエレクトロ・ポップ・ミュージシャンが登場し、2002年から現在にいたるまで人気アルバムを作り続けている。以下はその例である。フィッシャースプーナーレディトロンメルニクテンポシャークピーチズゴンザレスザ・ウィップドラゴネット (バンド)英語版マシュー・ディアーT・ロームシュマイアーエレン・エイリアンミス・キトゥンザ・ナイフホット・チップデンジャラス・ミューズレディー・ガガタフ・アライアンストリブリックスザ・プリセッツMGMTマイクロフィルムアルマミーダズ・イット・オフェンド・ユー、ヤー?エリック・アンド・ザ・エリックスなど。

2008年から2009年にかけ、ブリトニー・スピアーズの「ウーマナイザー」、「スリー」、レディー・ガガの「ジャスト・ダンス」、「ポーカー・フェイス」などのエレクトロポップ調の楽曲がBillboard Hot 100において1位を獲得し、ヒップホップの人気低下も相まって、エレクトロポップは米国のポピュラー・ミュージックの主要ジャンルにのし上がったように見える。

アーティスト編集

参考文献編集

  • Depeche Mode & The Story of Electro-Pop, Q/Mojo magazine collaboration, 2005.
  • Electronic Music: The Instruments, the Music & The Musicians by Andy Mackay, of Roxy Music (Harrow House, 1981)

関連項目編集