エールステ・ディヴィジ
エールステ・ディヴィジ(オランダ語: Eerste Divisie、オランダ語発音: [ˈeːrstə diˈvizi], 英語: First Division)は、オランダのプロサッカーリーグのディビジョンのひとつで、最上位であるエールディヴィジの一つ下のディヴィジョンである。 Eersteとはオランダ語で1番という意味であるが、実質2部である。
エールステ・ディヴィジ | |
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加盟国 |
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大陸連盟 | UEFA |
創立 | 1956 |
参加クラブ | 20 |
リーグレベル | 第2部 |
上位リーグ | エールディヴィジ |
下位リーグ | トゥヴェーデ・ディヴィジ |
国内大会 | KNVBカップ |
最新優勝クラブ | FCトゥウェンテ (1回目) (2018-19) |
最多優勝クラブ | フォレンダム (6回) |
公式サイト | https://keukenkampioendivisie.nl/ |
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現在スポンサーであるオランダの台所製造企業のブランド名を冠してケウケン・カンピウーン・ディヴィジ (Keuken Kampioen Divisie) の名称を持つ。以前はベルギーのビール醸造会社がスポンサーで、ジュピラーリーグ (Jupiler League) と、職業別電話帳の会社がスポンサーで、ハウデン・ヒッズ・ディヴィジ (Gouden Gids Divisie, [ˈɣʌu̯də(n) ˈɣɪdz diˈvizi])[1] と称していた。なお、ベルギーのサッカーリーグは現在もジュピラーがスポンサーであり、こちらの呼び名はジュピラー・プロ・リーグである。
概要編集
エールステ・ディヴィジは基本的には20クラブで構成されており、2回総当りのホーム・アンド・アウェー方式で行われる。優勝クラブは自動的に翌シーズンのエールディヴィジに昇格し、代わりにエールディヴィジの18位(最下位)クラブが自動的に降格してくる。その他のエールステ・ディヴィジ8クラブとエールディヴィジ16位・17位のクラブが入れ替え戦 (ジュピラーPO) に進出して翌シーズンのエールディヴィジの枠を争う(後述)。
エールステ・ディヴィジからの降格・下部リーグであるフーフトクラッセからの昇格は原則として認められていなかった。これはエールディヴィジとエールステ・ディヴィジのみがプロリーグであり、これより下のリーグはアマチュアリーグだったためである。しかし、2010-11シーズンから、アマチュアクラブにもプロリーグ挑戦の門戸を開放することを目指し、トップクラッセを設立。初回のシーズンはエールステの最下位(19位[2])・オスがトップクラッセに降格した(2010年10月放映「FIFAフットボール・ムンディアル」より)。
2012-13シーズンの2クラブの財政破綻を受け、KNVBは2013年夏にリーグ改革に着手。トップクラッセからアヒレス'29、エールディヴィジのリザーブからヨング・アヤックス、ヨング・PSV、ヨング・トゥエンテを加えた20チームでのリーグ戦に変更[3]。2015-2016シーズンはヨング・トゥエンテが財政難からジュピラー・リーグを撤退したために一時的に19クラブでのリーグ戦となった。
KNVBは2016-2017シーズンからオランダ・フットボールの新たなヒエラルキーの構成として『フットボール・ピラミッド』を導入。新設されるプロリーグとアマチュアリーグを繋ぐプロ3部リーグのトゥヴェーデ・ディヴィジ (18クラブ) とジュピラー・リーグの間での入れ替えが義務化される[4]。
リザーブチームの扱い編集
2013-14シーズンから試験的に2年間、リザーブリーグからアヤックス、PSV、トゥエンテの各リザーブチーム (ヨング) がエールステ・ディヴィジに参加、2015-2016シーズンからはトゥエンテが撤退し、アヤックスとPSVの両ヨングチームが参加している。リザーブチームはあくまで経験を積む場としての参加であり、昇格は争わないため、入れ替えプレーオフ参加資格もない。[5] 現在の規定ではこれまでのリザーブチームのルールとは違い、同じ週にエールディヴィジとエールステ・ディヴィジの両方でプレーできる選手の数は (禁止規定が2015年夏に緩和されて) 2人まで。23歳以上でトップチームで10回以上スタメンまたは10回以上45分間以上プレーした選手はそれ以降ジュピラーリーグでの出場資格を失う。また、リザーブチームはこれまで同様にKNVB杯の出場資格は持たない[4]。
入れ替え戦編集
エールディヴィジとの入れ替え編集
オランダ独特の方式を採用している。
入れ替え戦参加資格は以下のように決定する。
- エールディヴィジ 16位と17位
- エールステ・ディヴィジのピリオド・チャンピオン[6] 6クラブ
- ピリオド・チャンピオン以外でレギュラーシーズンの順位 上位2クラブ
- 上記項目で判断したが、ピリオド・チャンピオンが該当なしであった場合や、ピリオド・チャンピオンが既にシーズン順位1位で自動昇格を得ている場合など、参加資格に空きがあるときはレギュラーシーズンの順位が上位であるクラブ(上記3で資格を得たクラブに続く順位のクラブ)に資格を与える。
- 決定したエールステ・ディヴィジからの8クラブにはシーズン順位を元に1~8位の順位付けがなされ、入れ替え戦の際にその順位が使用される。
エールディヴィジの2クラブを合わせた全10クラブがエールディヴィジ2枠を賭けて、3ラウンドで争う。 第1ラウンドはホーム・アンド・アウェー方式による2試合。第2ラウンドと第3ラウンドもホーム・アンド・アウェー方式だが、1勝1敗、あるいは2分けに終わった場合、延長戦を行わず、第3戦を行って決着をつける。
- 第1ラウンド
- A - エールステ・ディヴィジの8位 vs エールステ・ディヴィジの5位
- B - エールステ・ディヴィジの7位 vs エールス・ディヴィジテの6位
- 第2ラウンド
- C - Aの勝者 vs エールディヴィジの17位
- D - エールステ・ディヴィジの4位 vs エールステ・ディヴィジの1位
- E - エールステ・ディヴィジの3位 vs エールステ・ディヴィジの2位
- F - Bの勝者 vs エールディヴィジの16位
- 第3ラウンド
- G - Cの勝者 vs Dの勝者
- H - Eの勝者 vs Fの勝者
GとH、それぞれの勝者が来季エールディヴィジへ。
トップクラッセ→トゥヴェーデ・ディヴィジとの入れ替え編集
前述のとおり、オランダではプロとアマの棲み分けが完全になされた伝統から、2009-10シーズンまではエールステ・ディヴィジとアマチュア1部(実質3部)のフーフトクラッセとの入れ替えは認められていなかったが、アマチュアクラブにも将来的なプロリーグ参入を目指せる環境づくりを提供することを念頭に、トップクラッセという新ディビジョンを発足。2009-10シーズンはエールステ・ディヴィジ最下位(19位)のオスが降格したのみだったが、2010-11シーズンからはエールステ・ディヴィジの最下位チームとトップクラッセの総合優勝チーム(土曜日組・日曜日組の予選リーグそれぞれの優勝クラブでのプレーオフの勝利チーム)とが自動的に入れ替わる。ただしトップクラッセの優勝チームには昇格の拒否権があり、その場合はプレーオフで敗退したクラブが昇格する。そのクラブも拒否した場合、入れ替えは行われない。
2016‐17シーズンからは3部リーグの「トゥヴェーデ・ディヴィジ」が発足したのに伴い、エールステ・ディヴィジの下位数クラブと、トゥヴェーデ・ディヴィジの上位数クラブが自動入れ替え、または入れ替え戦を行う。4部に格下げとなるトップクラッセとの入れ替えはトゥヴェーデ・ディヴィジとの間が対象となる。
2017-18シーズン所属クラブ編集
クラブ | 都市 | 16-17 順位 |
エールステ 初参戦 |
エールステ 在籍年数 |
直近の 昇降格 |
昇降格以来の 在籍年数 |
エールステ 優勝回数 |
リーグ 優勝回数 |
直近の 優勝 |
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NECナイメヘン | ナイメーヘン | 1部17位 | 1964-65 | 14 | 2017-18 | 1 | 2 | 3 | 2015 |
ゴー・アヘッド・イーグルス | デーフェンテル | 1部18位 | 1959-60 | 28 | 2017-18 | 1 | 0 | 5 | - |
ヨング・アヤックス | アムステルダム | 2位 | 2013-14 | 5 | 2013-14 | 5 | 1 | 1 | 2018 |
SCカンブール・レーワルデン | レーワルデン | 3位 | 1965-66 | 46 | 2016-17 | 2 | 2 | 0 | - |
ヨングPSV | アイントホーフェン | 4位 | 2013-14 | 5 | 2013-14 | 5 | 0 | 0 | - |
FCフォレンダム | フォレンダム | 6位 | 1956-57 | 37 | 2009-10 | 9 | 6 | 0 | - |
MVVマーストリヒト | マーストリヒト | 7位 | 1976-77 | 26 | 2000-01 | 18 | 2 | 0 | - |
アルメレ・シティFC | アルメレ | 8位 | 2005-06 | 13 | 2005-06 | 13 | 0 | 0 | - |
FCエメン | エメン | 9位 | 1985-86 | 33 | 1985-86 | 33 | 0 | 0 | - |
RKCヴァールヴァイク | ヴァールヴァイク | 10位 | 1984-85 | 11 | 2014-15 | 4 | 2 | 0 | - |
FCアイントホーフェン | アイントホーフェン | 11位 | 1957-58 | 57 | 1977-78 | 41 | 0 | 1 | 1954 |
デ・フラーフスハップ | ドゥーティンヘム | 12位 | 1956-57 | 34 | 2016-17 | 2 | 3 | 0 | - |
ヘルモント・スポルト | ヘルモント | 13位 | 1956-57 | 48 | 1984-85 | 34 | 1 | 0 | - |
FCデン・ボス | スヘルトーヘンボス | 14位 | 1958-59 | 37 | 2005-06 | 13 | 4 | 1 | 1948 |
FCオス | オス | 15位 | 1992-93 | 26 | 2011-12 | 7 | 0 | 0 | - |
SCテルスター | フェルセン | 16位 | 1956-57 | 41 | 1978-79 | 40 | 0 | 0 | - |
フォルトゥナ・シッタート | シッタート | 17位 | 1956-57 | 31 | 2002-03 | 16 | 4 | 0 | - |
ヨング・ユトレヒト | ユトレヒト | 18位 | 2016-17 | 2 | 2016-17 | 2 | 0 | 0 | - |
FCドルトレヒト | ドルトレヒト | 19位 | 1956-57 | 40 | 2015-16 | 3 | 2 | 0 | - |
ヨングAZ | アルクマール | 3部1位 | 2017-18 | 1 | 2017-18 | 1 | 0 | 1 | - |
歴代優勝クラブ編集
関連項目編集
脚注編集
- ^ Gids in isolation: [ˈɣɪts].
- ^ 当初20チームだったが、ハールレムがシーズン途中で経営破たんし、参加辞退。それとの試合も無効扱いとなったため19チームでの開催となった
- ^ 負のスパイラル脱却を狙うオランダ2部 成否分ける再編成後の新フォーマット 中田徹 - スポーツナビ(2013年6月8日)
- ^ a b http://home.knvb.nl/nieuws/nieuwe-competitiestructuur-krijgt-vorm/
- ^ 日本のJ3リーグとほぼ同じモデルである
- ^ ピリオド・チャンピオンとはレギュラーシーズンの8節ごとにチャンピオンを決めるものである。 既に前のピリオドでチャンピオンになっているクラブが、同シーズンに再びピリオド1位になった場合はそのピリオド2位のクラブがピリオド・チャンピオンとなる。2位のクラブも既にピリオド・チャンピオンになっている場合は該当なしとなる。
外部リンク編集
- KeukenKampioenDivisie.nl – エールステ・ディヴィジ公式サイト (オランダ語)
- KNVB.nl – KNVB公式サイト (オランダ語) / (英語)
- League321.com – Dutch football league tables, records & statistics database (英語)