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クロタミトン(Crotamiton)は、外用医薬品で鎮痒薬英語版(痒み止め)と疥癬治療薬剤として用いられる[2]。オイラックスのほか様々な消炎鎮痛外用薬に配合されている[3][4]

クロタミトン
Crotamiton Structure V.svg
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com monograph
胎児危険度分類
識別
CAS番号
483-63-6 チェック
ATCvetコード QP53AX04 (WHO)
PubChem CID: 688020
DrugBank DB00265 チェック
ChemSpider 599515 チェック
UNII D6S4O4XD0H チェック
KEGG D01381  チェック
ChEMBL CHEMBL1200709 ×
化学的データ
化学式 C13H17NO
分子量 203.28 g/mol
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ガイギー社により合成され、1948年スペインで外用薬が発売された。疥癬治療薬として開発されたが痒み止め効果が認められ鎮痒薬としても用いられるようになった[5][6]。疥癬の病原寄生虫であるヒゼンダニ英語版に対して弱い毒性を示す[7]

1957年に日本国内で市販開始[8]

洗い流された成分が下水処理場で検出される。また、下水処理場で検出される濃度は河川よりも高濃度であると報告されている[9]

目次

効能・効果編集

湿疹蕁麻疹、皮膚炎、皮膚瘙痒(そうよう)症[10]小児ストロフルス[11]

  • 疥癬治療薬としては、毎日全身の皮膚に塗布し、約24時間後に洗い流すことを数日反復する[12]
  • 日本では疥癬には保険適応はないが、皮膚瘙痒の症状軽減に用いられることがある。現在は疥癬に対しては、フェノトリンローションやイベルメクチン内服薬が用いられる。海外ではより即効性の高い殺虫剤ペルメトリンの使用が多くなっている。
  • クロタミトンを虫刺され等による瘙痒感の治療に用いる場合には、痒みを感じる部位にのみ塗布し、4〜8時間毎に繰り返す。眼の近くや創傷のある部位には使用すべきでない。

作用機序編集

抗ヒスタミン作用、局所麻酔作用、抗炎症作用とは異なる機序で瘙痒感を抑制していると考えられている。適用時に軽い灼熱感(温感)があり、温覚に対するこの刺激が競合的に瘙痒感を消失させるといわれている。クロタミトンの鎮痒効果の作用機序として皮膚末梢神経などに発現するイオンチャネルであるTRPV4 (transient receptor potential vanilloid 4)を抑制することが報告されている[6][13]

薬物動態編集

局所に塗布した後、クロタミトンは吸収されて全身に回る。血中半減期は30.9時間で、4.8〜8.8%が尿中に排泄される[14]

副作用編集

副作用としては熱感、刺激感、接触性皮膚炎[15]が知られている[11]。過量投与によりメトヘモグロビン血症を起こすおそれがある[11]

出典編集

  1. ^ Crotamiton at alanwood.net
  2. ^ 疥癬とは 国立感染症研究所
  3. ^ 田中康之、「症例 ダマリンLクリーム中のクロタミトンによる接触皮膚炎症候群の1例」 皮膚科の臨床 56(6), 873-876, 2014-06, NAID 40020124167
  4. ^ 荻堂優子、山田徹太郎、消炎鎮痛外用剤中に含まれるクロタミトンによる接触皮膚炎の3例 皮膚 1998年 40巻 4号 p.345-350, doi:10.11340/skinresearch1959.40.345
  5. ^ Couperus, M., The use of N–ethyl–o–crotonotoluidide in the treatment of scabies and various pruritic dermatoses, J. Invest. Dermatol., 13 (1949) 35–42.
  6. ^ a b 橘高裕貴、山野井遊、富永真琴、【原著】鎮痒剤クロタミトンの標的分子の同定および作用メカニズムの解明 PAIN RESEARCH., 2018年 33巻 1号 p.47-57, doi:10.11154/pain.33.47
  7. ^ Medscape drug information - mechanism of action
  8. ^ オイラックスクリーム 10% インタビューフォーム 日新製薬 (PDF)
  9. ^ 阿部晃文、石井重光、多摩川流域における外用医薬品の実態調査と塩素処理性の評価 水環境学会誌 2010年 33巻 10号 p.151-157, doi:10.2965/jswe.33.151
  10. ^ 皮膚瘙痒症 ガイドライン外来診療2009”. 日経メディカル. 2016年5月20日閲覧。
  11. ^ a b c オイラックスクリーム10% 添付文書” (2016年6月). 2016年7月4日閲覧。
  12. ^ crotamiton (Rx)Eurax”. Medscape. 2016年5月5日閲覧。
  13. ^ Kittaka H, Yamanoi Y, Tominaga M. (2017). “Transient receptor potential vanilloid 4 (TRPV4) channel as a target of crotamiton and its bimodal effects.”. Pflugers Arch. 469(10): 1313-1323. 
  14. ^ Medscape drug information - pharmacokinetics
  15. ^ 東禹彦、松村雅示、永木公美、プロピレングリコールとクロタミトンによる接触皮膚炎 皮膚 1985年 27巻 4号 p.781-786, doi:10.11340/skinresearch1959.27.781