オウエン・テューダー

サー・オウエン・テューダー(Sir Owen Tudor, ウェールズ語:Owain Tudur, 1400年頃 - 1461年2月2日)は、イングランドの騎士。イングランド王家となったテューダー家の祖。メレディス・アプ・テューダーの子でエドマンド・テューダージャスパー・テューダーの父、イングランド王ヘンリー7世の祖父。

オウエン・テューダー
Owen Tudor
Arms of Owen Tudor.svg
オウエン・テューダーの紋章

全名 Owen ap Maredudd ap Tudur
出生 1400年
ウェールズの旗 ウェールズアングルシー島
死去 1461年2月2日
埋葬 イングランド王国の旗 イングランド王国ヘレフォード、グレイフライヤーズ教会
配偶者 キャサリン・オブ・ヴァロワ
子女 エドマンド
ジャスパー
オウエン
マーガレット
家名 テューダー家
父親 メレディス・アプ・テューダー
母親 マーガレット・フェルチ・ダフィッド
テンプレートを表示

生涯編集

テューダー家は12世紀における南ウェールズデハイバース英語版国王リース・アプ・グリフィズ英語版と東ウェールズのポーイス王女グウェンシアンの末裔であるとされる。しかしオウエンの祖父の代で縁者のオワイン・グリンドゥールが起こした反乱に一族を挙げて加担したためテューダー家は没落、オウエンはロンドンへ移住した父メレディスの尽力で王宮への出仕を許された。初め宮廷の雑用係だったが、百年戦争における1415年アジャンクールの戦いに参加、戦功によりイングランド王ヘンリー5世から従騎士(騎士の従者)に任命され、ささやかながら出世を果たした[1][2]

1422年のヘンリー5世亡き後も王宮に留まり、未亡人でヘンリー6世の母后キャサリン・オブ・ヴァロワの納戸係秘書官として翌1423年頃から仕えていたが、1424年から事実上の婚姻関係を結んだとされ、1430年に誕生した長男エドマンドを始め2人の間に3子(または4子)が生まれた。若くして未亡人となったキャサリンは、枢密院の許可がない限り再婚が認められておらず、1437年に38歳で没するまで2人の結婚が正式な手続きに於いて認められることはなかった。キャサリンの死後オウエンの立場も危うくなり、密通の罪で投獄されたが、1439年から1440年の間に釈放された後は王室府官吏に取り立てられ、長男エドマンド及び次男ジャスパーの兄弟と、異父兄(ヘンリー5世の子、当時の正規の王統)であるヘンリー6世との仲は良く、世間の暗黙の了解の上での(事実上)公認の弟となり、1452年にそれぞれリッチモンド伯ペンブルック伯に叙爵された。こうしてテューダー家は一転して王室の庇護を受ける上級貴族にのし上がった[1][3]

薔薇戦争ではヘンリー5世やヘンリー6世の属するランカスター派の一員としてウェールズの軍勢を率いたが、1461年にモーティマーズ・クロスの戦いヨーク派のマーチ伯エドワード(後のエドワード4世)に敗れて捕らえられ、処刑された。共に参戦していたジャスパーはこの戦場を離脱することに成功した[1][4]

子孫編集

1455年にエドマンドはサマセット公ジョン・ボーフォートの娘のマーガレット・ボーフォートと結婚した。このマーガレットの血筋(ボーフォート家)につながることで、エドマンドとマーガレットの間の子であるリッチモンド伯ヘンリー・テューダーは王位継承権を持つこととなった。エドマンドはヘンリーの出生する3ヶ月前に戦場で捕えられて刑死しており、親子は生前に対面したことはない。その後は叔父のジャスパーが養育した[5]

薔薇戦争の混乱の中、ヘンリー自身も敗北して叔父ジャスパーと共にフランスに逃亡するなどし、一旦は敗勢となったランカスター派であったが、残党らの支持を集めたヘンリーは、王位継承権を主張したのち叔父らと共にヨーク朝の王リチャード3世ボズワースの戦いで戦死させ、ヘンリー7世として即位する。またエドワード4世の長女エリザベスとの結婚により、ランカスターとヨークの両王家を統合する[6]

キャサリンの墓には「ヘンリー5世の未亡人」であることしか書かれていなかったが、孫のヘンリー7世により、自身の出自を明確にする意図から「オウエン・テューダーと結婚」した旨が追記された。これ以降、キャサリンとオウエンの結婚は公認のものとなった。

子女編集

キャサリンとオウエンには3子、または4子(3男1女)があったとされる。

脚注編集

  1. ^ a b c 森、P282。
  2. ^ 尾野、P32、ロイル、P426、桜井、P7、P191 - P192。
  3. ^ 尾野、P32 - P33、ロイル、P160、桜井、P192 - P195。
  4. ^ 尾野、P124、ロイル、P254、桜井、P199 - P200。
  5. ^ 尾野、P33 - P34、ロイル、P209、桜井、P195 - P198。
  6. ^ 尾野、P34 - P35。

参考文献編集