オオルリシジミ

シジミチョウの一種

オオルリシジミ(大瑠璃小灰蝶、 Shijimiaeoides divinus)は、チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科に属するチョウの一種。

オオルリシジミ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: 鱗翅目 Lepidoptera
上科 : アゲハチョウ上科 Papilionoidea
: シジミチョウ科 Lycaenidae
亜科 : ヒメシジミ亜科 Polyommatinae
: オオルリシジミ属 Shijimiaeoides
: オオルリシジミ S. divinus
学名
Shijimiaeoides divinus
(Fixsen)
和名
オオルリシジミ
(大瑠璃小灰蝶)
英名
The Large Shijimi Blue
亜種
  • S. d. barine(Leech)
    本州亜種
  • S. d. asonis(Matsumura)
    九州亜種

概要 編集

ルリシジミより一回り大きいシジミ。ゴマシジミオオゴマシジミと似る。翅裏は灰色地で大きい黒斑が外縁に沿って並び、後翅にはさらにオレンジ色の斑紋が加わる。尾状突起はない。翅表は青色で黒斑を散らすが、九州亜種ではこれが消えかかる。

田畑脇の草刈り場や休耕田を住みかとし、成虫は花によく集まる。幼虫の食草はクララ(Sophora flavescens、マメ科)で、花穂や新芽に卵を1つずつ産みつける。年1化で成虫は5月~7月初頭ごろまで見られる。越冬態は蛹。

分布 編集

本州亜種は長野県新潟県群馬県の山地。東北地方の個体群は青森県岩手県福島県に分布していたが既に絶滅した。

本州亜種が生息する長野県安曇野市では、地元住民や関係機関がクララの植栽、採集自粛の啓発、春先の火入れ、天敵の研究など保全や保護活動に取り組んでおり、地域の高い生物多様性を有する草地環境、それをとりまく里山の景観は高い価値のあるものとして2022年3月30日に安曇野市天然記念物に指定された。[1]

九州亜種は大半が絶滅し、現在では阿蘇九重周辺の高原のみに分布する。

国外では朝鮮半島など。

保全状況評価 編集

Shijimiaeoides divinus asonis

Shijimiaeoides divinus barine

関連項目 編集

参考文献 編集

  • 牧林功解説、青山潤三写真『日本の蝶』成美堂出版〈ポケット図鑑〉、1994年。ISBN 4-415-08045-6 
  • 日本環境動物昆虫学会編 編『チョウの調べ方』今井長兵衛・石井実監修、文教出版、1998年。ISBN 4938489112OCLC 170389984 

脚注 編集

  1. ^ オオルリシジミ保護回復事業計画