オペレーター (生物学)
遺伝子の構成要素。オペロンの一部。
→詳細は「転写調節」を参照
オペレーター(operator)とは、構造遺伝子に隣接し、構造遺伝子のmRNA合成を制御する塩基配列のことである。オペレーターにリプレッサーが結合したり脱離することにより転写が調節される。

概要
編集オペレーターは転写調節領域に分類される塩基配列で、構造遺伝子のmRNA合成を制御する。原核生物でのみみられる塩基配列であると考えられてきたが、真核生物でも見つかっている。調節遺伝子の一種とすることもある。プロモーターと構造遺伝子の間の塩基配列中に位置することが多いが、プロモーターと一部、またはすべてが重なり合って存在することもある。1つのオペレーターは1つのオペロンを制御している。オペレーターのほとんどはシグナル依存型の転写調節を行う。主にリプレッサーがオペレーターに結合または脱離することで、RNAポリメラーゼのDNA上の動きを調節し、間接的にオペロンの遺伝子発現の調節を行う。原核生物はポリシストロン型のmRNAであることがほとんどであるがために、原核生物のオペレーターは往々にしてタンパク質及び生体反応全体を調節することになる。ただし、真核生物のオペロンからはモノシストロンのmRNAが形成される。なお、オペレーターの働きは1961年にフランソワ・ジャコブとジャック・モノーによって提唱された。彼らは後に、アンドレ・ルヴォフと共に1965年、ノーベル生理学・医学賞を受けた。
参考文献
編集- 吉里勝利ほか 『新課程版 スクエア 最新図説生物』 第一学習社 2022年 92~94頁
関連項目
編集外部リンク
編集- Mycobacterium tuberculosis H37Rv Operon Correlation Browser
- OBD - Operon database (a bit awkward to use though)