オリーブ銅鉱(オリーブどうこう、: Olivenite)は、化学式Cu2(AsO4)(OH)ヒ酸塩鉱物英語版単斜晶系[1]である。

オリーブ銅鉱
分類 ヒ酸塩鉱物英語版
シュツルンツ分類 8.BB.30
Dana Classification 41.06.06.01
化学式 Cu2AsO4OH
結晶系 単斜晶
対称 P21/n
晶癖 繊維状、ブドウ房状、腎臓状、顆粒状、土状、塊状
双晶 {010}
へき開 {101} {110} 不明瞭
断口 貝殻状断口もしくは不規則
モース硬度 3
光沢 金剛光沢もしくはガラス光沢、繊維状の場合は真珠光沢もしくは絹糸光沢
オリーブ色から黄色、褐色、灰緑色、灰白色
条痕 オリーブ色から褐色
透明度 半透明もしくは不透明
比重 4.46
光学性 二軸性 (+/-)
屈折率 nα = 1.747 - 1.780 nβ = 1.788 - 1.820 nγ = 1.829 - 1.865
複屈折 δ = 0.082 - 0.085
多色性 薄緑色(: Weak green)[訳語疑問点]と黄色
光軸角 2V 測定値: 80° to 90° 計算値: 46° to 84°
分散 強く r > v または r < v
文献 [1][2][3][4]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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オリーブ銅鉱

概要 編集

多くの場合、針状晶癖英語版球状凝集体(: globular aggregates )[訳語疑問点]としてみられ、しばしば柔らかい光沢を持つ。またドーム状末端を持つ単純な柱状晶癖の小さな輝く結晶中にみられることもある。層構造や軟質な土状で産出することもある。

1786年マルティン・ハインリヒ・クラプロートにより化学組成から"arseniksaures kupfererz"と命名され、1789年アブラハム・ゴットロープ・ウェルナーオリーブ色が多いことにちなみ"Olivenerz"と改名。1820年ロバート・ジェイムソンが現在の名称に改めた[2]。しかし実際には、黒みがかった緑色から、細かい繊維状の集合体(木銅鉱、: woodcopper)でみられる白色まで幅がある。

オリーブ銅鉱はコーンウォールカーハラック英語版模式地であり、同じくセント・デイ英語版地区の銅山の奥地において、褐鉄鉱石英に混ざってある程度に見られた。またレッドラス英語版近郊やユタ州ティンティック鉱山地区英語版でも豊富に見られた。銅鉱石と硫砒鉄鉱酸化することで生成するため、このような銅山ではオリーブ銅鉱を副次的に産出した。

オリーブ銅鉱のヒ素リンにより部分的に置換される。完全にリンに置換すると燐銅鉱英語版Cu2PO4(OH))となる。燐銅鉱はスロバキアのリベテン(現在のバンスカー・ビストリツァ県Ľubietová)でオリーブ銅鉱に類似した結晶として発見され、コーンウォールでも少量産出する。他の近縁種としては、アダム鉱Mn2AsO4(OH))やイヴ鉱英語版Zn2AsO4(OH))が挙げられる。

オリーブ銅鉱グループ 編集

出典 編集

  1. ^ a b Handbook of Mineralogy”. Mineral Data Publishing, version 1. 2009年10月11日閲覧。
  2. ^ a b http://www.mindat.org/min-2981.html Mindat
  3. ^ http://webmineral.com/data/Olivenite.shtml Webmineral data