オールド・ハリー・ロックス

オールド・ハリー・ロックス(Old Harry Rocks)とは、イングランド南部のドーセット州パーベック半島に位置するStudlandと言う町に存在する、チョークでできた2つの海食柱である。2本あることから、オールド・ハリーとその妻と呼ばれる場合もあるが、実は過去に1本だけになっていた時代もあって、2003年現在の妻は2代目に当る。これらの岩は、ドーセット州のサウス・ウェスト・コースト・パス英語版から見ることができる。

オールド・ハリー・ロックス
イングランドのドーセットにあるオールド・ハリー・ロックス
地図
オールド・ハリー・ロックスの位置(イングランド内)
オールド・ハリー・ロックス
オールド・ハリー・ロックス
オールド・ハリー・ロックスの位置(ドーセット内)
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reference
SZ0350382564
座標北緯50度38分32秒 西経1度55分25秒 / 北緯50.6423度 西経1.9236度 / 50.6423; -1.9236座標: 北緯50度38分32秒 西経1度55分25秒 / 北緯50.6423度 西経1.9236度 / 50.6423; -1.9236

地質 編集

 
オールド・ハリー・ロックスと彼の妻
 
沖から

オールド・ハリー・ロックスは、おおよそ北緯50度64分、西経01度92分に位置する。ここは、ジュラシック・コーストの一部である。ユネスコ世界遺産に登録されているジュラシック・コーストは、デヴォン州東部のエクスマス(Exmouth)近郊のOrcombe Pointから、ドーセット州東部のスワネイジSwanage)近郊にある、このオールド・ハリー・ロックスまで、およそ153キロメートルにわたってのびている[1]。 ジュラシック・コーストにある断崖は、西に行くほど古い時代に形成された岩石でできており、東に行くにつれて徐々に新しい岩石でできている。そして、このオールド・ハリー・ロックスは、ジュラシック・コーストの最も東の地点に位置する。すなわち、ジュラシック・コーストの中では、最も新しい岩石で形成されているわけである。このオールド・ハリー・ロックス周辺のチョークが形成されたのは、約6500万年前。そして、このチョークには、フリントの層が所々に含まれている。このチョークでできた岩盤に海の波が当り、柔らかい部分が徐々に侵食されることで、岬のような場所に小さな洞窟ができ、さらにそれが岬を貫通して天然のアーチを形成し、そのアーチが崩落して、アーチの支柱の部分だけが残ったことで、ここに海食柱が形成されたと考えられている。ここの岩盤は侵食され続けており、1896年にはここにあった1本の海食柱が崩れ去った。(このことを、オールド・ハリーの元々の妻が崩れたという喩えで表現する場合もある。)しかし、その後も侵食が続き、幅の狭い地峡から新たに1本の海食柱が形成された[2]。 こうして、ここには2003年現在も2本の海食柱が存在している。

伝説 編集

オールド・ハリー・ロックスには、次のような伝説が存在する。

  • この地方では、伝統的に「オールド・ハリー(Old Harry)」という言葉は、悪魔を遠回しに指す語として用いられてきた。そして伝説によれば、このオールド・ハリー・ロックスには、その悪魔が眠っていると言う。
  • この地方には、かつて悪名高き私掠船の乗組員(海賊)として、さらに、密造酒の作り手としても知られるハリー・ペイ(Harry Paye)という者がいた。この岩の名称は、彼の名前に由来しており、伝説によれば、彼はこの岩の近くに密売品を隠していたと言う。

参考文献 編集

  • "The Jurassic Coast Trust" (2003) A Walk Through Time, the Official Guide to the Jurassic Coast. Coastal Publishing. ISBN 978-0-9544845-0-7

脚注 編集

  1. ^ 出典: “Dorset and East Devon Coast”(ドーセットと東デヴォンの海岸) UNESCO World Heritage Centre (2001年). 2010年11月16日閲覧
  2. ^ 出典: "Geology of Harry Rock sand Ballard Point" Geology of the Wessex Coast of Southern England

外部リンク 編集