カラスザンショウ
カラスザンショウ(烏山椒、学名: Zanthoxylum ailanthoides var. ailanthoides または Zanthoxylum ailanthoides)はミカン科サンショウ属の落葉樹。
カラスザンショウ | |||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Zanthoxylum ailanthoides Siebold et Zucc. var. ailanthoides (1845)[1] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
カラスザンショウ(烏山椒) | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Japanese Prickly-ash |
サンショウと違ってアルカロイドを含むので、イヌザンショウとともにイヌザンショウ属(Fagara)に入れる場合がある。
中国名は「椿葉花椒」「食茱萸」[1]。学名の「ailanthoides」は、「シンジュ(Ailanthus)のような(-oides)」の意味。
特徴 編集
日本では本州、四国、九州、沖縄、小笠原諸島に分布する[3]。日本国外では、朝鮮半島南部、中国、台湾、フィリピンなどに分布する[3]。沿岸地や山野に普通に生える[3]。特に伐採跡などの裸地にいち早く伸び出して葉を広げる先駆植物である。
落葉広葉樹の高木で[3]、高さは6 - 8メートル (m) で、最大15 mになることもある。枝に鋭いトゲがあり、幹にはいぼ状のトゲの跡が残る[3]。葉は1回奇数羽状複葉。葉の形状はニワウルシ/シンジュ(神樹)に似る。小葉は広披針形で[3]、普通のサンショウに比べてはるかに大きな葉をつける。葉の裏は白っぽい[3]。サンショウ同様、葉には油点があり、特有の香りがある。
花期は7 - 8月[3]。雌雄異株[3]。花は小さく、枝の先に多数咲く[3]。紅紫色の球形をした実をつけて黒い種が露出し、特有の香りを持つ。実は辛味があるがサンショウほどではない[3]。
サンショウ属の他の種に比べ、葉がはるかに大きいため、類似種との区別ができる。また、他の大柄な羽状複葉をつける樹木とは、幹のトゲと葉のにおいで区別できる。
食草とするチョウ 編集
日本での利用 編集
普通食用にはしないが、若芽・若葉は天ぷらにすることがある。清涼感のある独特の風味の蜂蜜がとれるので、蜜源植物ともされる。また、葉を駆風、果実を健胃薬とし、枝はサンショウ同様すりこぎとしても使用されている。刺部の数が多い事からサンショウの物とは区別ができる。
脚注 編集
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Zanthoxylum ailanthoides Siebold et Zucc. var. ailanthoides カラスザンショウ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月13日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Fagara ailanthoides (Siebold et Zucc.) Engl. カラスザンショウ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 247.
参考文献 編集
- 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、247頁。ISBN 4-522-21557-6。
- 森上信夫・林将之 『昆虫の食草・食樹ハンドブック』 文一総合出版、2007年、ISBN 978-4-8299-0026-0。