カラフトヒョウモン(樺太豹紋、Clossiana iphigenia)は、チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科ヒョウモンチョウ族に分類されるチョウの一種。日本では北海道だけに分布する小型のチョウである。

カラフトヒョウモン
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera
上科 : アゲハチョウ上科 Papilionoidea
: タテハチョウ科 Nymphalidae
亜科 : ドクチョウ亜科 Heliconiinae
: ヒョウモンチョウ族 Argynnini
: カラフトヒョウモン属 Clossiana
: カラフトヒョウモン C. iphigenia
学名
Clossiana iphigenia (Graeser, 1888)
和名
カラフトヒョウモン
英名
The Iphigenia Fritillary
亜種
  • C. i. sachalinensis (Matsumura)

特徴 編集

アサヒヒョウモンホソバヒョウモンとともに、日本では北海道に3種のみ生息する、寒冷地型の小型ヒョウモンである。翅は表裏ともに黄褐色で、とくに後翅裏は黄色が濃くなる。翅表の翅脈は黒色でいわゆる豹紋柄。

とくにホソバヒョウモンとよく似ており、しばしば混生する。いずれも黄色地の後翅裏に銀白色や橙色の模様が現れるが、それらが明瞭な境界をもつのが本種、ぼやけるのがホソバ。

年1化性で、成虫は低地では5月下旬、高地では7月ごろから発生を始める。ゆるやかに飛翔し、訪花、吸水などする。

食草はスミレ科ミヤマスミレケタチツボスミレ。越冬態は4齢幼虫。

分布 編集

北海道石狩地方以東。

国外ではロシア極東部およびサハリン

保全状況評価 編集

カラフトヒョウモンClossiana iphigenia sachalinensis

環境省レッドリスト、2012年版)[1]

脚注・出典 編集

  1. ^ カラフトヒョウモン”. 日本のレッドデータ検索システム. 野生動物調査協会・Envision環境保全事務所. 2021年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月7日閲覧。

参考文献 編集

  • 牧林功解説、青山潤三写真『日本の蝶』成美堂出版〈ポケット図鑑〉、1994年。ISBN 4-415-08045-6 
  • 日本環境動物昆虫学会編 編『チョウの調べ方』今井長兵衛・石井実監修、文教出版、1998年。ISBN 4938489112OCLC 170389984 

関連項目 編集