カラー (アニメ制作会社)

日本の東京都杉並区にあるアニメ制作会社

株式会社カラー: khara, Inc.)は、日本アニメ制作会社日本動画協会正会員。

株式会社カラー
khara, Inc.
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
167-0054
東京都杉並区松庵三丁目35番18号
北緯35度42分12.7秒 東経139度35分51.9秒 / 北緯35.703528度 東経139.597750度 / 35.703528; 139.597750座標: 北緯35度42分12.7秒 東経139度35分51.9秒 / 北緯35.703528度 東経139.597750度 / 35.703528; 139.597750
設立 2006年5月
業種 情報・通信業
法人番号 2011301013919 ウィキデータを編集
事業内容 映像作品の企画・原作脚本・デザイン等の開発
映像作品の製作制作配給宣伝等、出版
作家の育成、マネージメント並びに権利保護
代表者 代表取締役社長 庵野秀明
関係する人物 関連人物参照
外部リンク www.khara.co.jp ウィキデータを編集
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概要編集

ガイナックス取締役だった庵野秀明が、同職を辞して2006年5月に設立。株式会社カラーの設立から4か月後の同年9月には、自社企画のアニメーションを制作するための制作スタジオであるスタジオカラーが設立された。代表取締役には庵野、取締役には川上量生鶴巻和哉安野モヨコ轟木一騎、緒方智幸、田中美津子、小林浩康らが名を連ねる[1][2]

自社制作の長編アニメーション映画制作を旨としているが、スタジオジブリなどの他社制作の長編アニメーション映画やTVアニメの制作協力も行っている。2017年からは、テレビアニメ・テレビ番組・特殊映像の製作会社「ピー・プロダクション」の著作権管理窓口業務も行っている。

また、制作費に余裕を持つため会社として不動産投資も行っている。購入した不動産のリフォーム時には取締役で庵野の妻である安野モヨコが内装を決めている[3]

社名は、安野モヨコが命名した。英語の「Color」ではなく、ギリシア語で「歓喜」を意味する「χαρά」に由来する[4]。また、同社の社名のロゴも安野モヨコが手がけている[1]

特徴編集

人材育成と労働環境の改善編集

代表取締役の庵野は「動画の人材育成をしないとスタジオの血が若返らない」と主張し、動画マンや新人の育成に注力する考えを表明している。庵野は「アニメーション業界全体を改善するのはかなり難しい」と指摘しつつ「せめて自分のできる範囲ぐらいは何とかしよう」と述べており、その具体策としては「安定した収入や保険など可能な限り環境をよくしたい」と語り、「賞与だけでなく社員旅行や福利厚生にも力を入れていく」としている。経営に関しては「社員の老後まで考えて、きちんとした会社を作っていく。社長として安定した経営を心がける」とし、「アニメーションや特撮といった文化を遺していく作業にも従事していきたい」と意気込みを述べている[1]

デジタル部編集

3DCGを内製化するためデジタル部門を有している。従来使用してきた3ds MaxからBlenderへの移行を進めている[5]。また、Blender財団への賛同と開発資金の提供を発表した[6][7]

現在の拠点に移転したことを機に日本ヒューレット・パッカードのITインフラを導入した[8]

ガイナックスとの関係編集

「概要」節にあるように、ガイナックスの初期から作品制作に参加し、その後取締役を務めていた庵野が独立して設立したスタジオである。彼は、当時のガイナックスの社内状況を鑑みて、構想していた新作を凍結、『新世紀エヴァンゲリオン』(以下『エヴァ』)のリメイクに踏み切るが、自身の意思を経営に反映して責任が取れる場所が必要であるという思いから、独立を決意したと記している[9]。独立に際して庵野が『エヴァ』の原作者であることはガイナックス側も了解し、彼が手がけた作品でガイナックスが収入を得た場合は、一定の比率でロイヤルティーをカラーに支払う契約を結ぶ一方、『エヴァ』の版権管理や商品化の窓口は引き続きガイナックスが持つ形としていた[10]

しかし、2012年頃からガイナックスからのロイヤルティー支払が滞るようになり、同社の経営陣から分割払の申し入れを受けた庵野は、これを了承した[10]。さらに、2年後には支払が進まない状況でガイナックスの経営維持を理由に1億円の融資を相談され、『エヴァ』の商品化窓口やロイヤルティーの分配業務の移譲を1年前倒しにすることと、計画通りの返済を条件に、無担保・無利子でそれに応じた[10]。『エヴァ』の版権は、2014年にカラーに移管された[11]

だが、2016年4月に支払や返済が再び滞り、カラー側からの問い合わせに対しても一切の返答がなかったことから、同年8月にガイナックスに対して債権仮差押えを申し立て(執行された)、9月に貸金の返還訴訟を起こす[12]。この裁判はカラー側が2017年に勝訴し、確定した[12]。一方でガイナックスが過去の制作作品の資料を売却していたことが判明し、カラーはそれらを入手して特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構」に管理を委託した[12]

2019年12月、当時のガイナックスの社長が不祥事で逮捕された際、『エヴァ』と同社を結びつける報道がなされたことに対し、カラーは「『エヴァ』は当社の作品で、現在のガイナックスとは無関係である」と抗議する声明を公式に発表している[13][14]。不祥事後にガイナックスの経営陣が刷新された際、カラーの版権管理会社「グラウンドワークス」の代表である神村靖宏が取締役社長に就任した[15]

その他編集

作品編集

テレビアニメ編集

劇場アニメ編集

ウェブアニメ編集

特撮・映画編集

アニメミュージックビデオ編集

ゲーム編集

その他編集

書籍編集

  • エヴァンゲリオン』シリーズ
    • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 アニメーション原画集 - 編集・発行(2011年)
    • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 アニメーション原画集 上巻・下巻 - 編集・発行(2011年)
    • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 全記録全集 - 編集・発売(2012年)
    • エヴァンゲリヲン新劇場版:破 全記録全集 - 編集・発売(2012年)
    • ヱヴァンゲリヲン新劇場版 : Q アニメーション原画集 上巻・下巻 - 編集・発行(2014年)
    • 新世紀エヴァンゲリオン TVアニメーション設定資料集 2015edition - 企画協力(2015年)
    • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 画コンテ集 - 発行(2017年)
    • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 画コンテ集 - 発行(2017年)
    • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 画コンテ集 - 発行(2017年)
    • エヴァンゲリオンイラスト集2007-2017(2018年) - 監修
  • カラーカレンダー2010 - 企画・編集・発行・発売(2009年)
  • スタジオカラーカレンダー2014/2015 - 発売(2013年)
  • ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ - 監修(2016年)
  • 日本アニメ(ーター)見本市資料集 - 企画・編集(2016年 - )
    • Vol.0「西荻窪駅徒歩20分2LDK敷礼2ヶ月ペット不可 のぱらぱら本」
    • Vol.1「西荻窪駅徒歩20分2LDK敷礼2ヶ月ペット不可 のいろいろ詰まった本」
    • Vol.2「旅のロボからの歩き方?」
    • Vol.3「カセットガール全記録全集」
    • Vol.4「ME!ME!ME!BOOK!BOOK!BOOK!」
  • 龍の歯医者
    • 体系的 龍の歯医者 録 - 企画・編集・発行(2018年)
    • 龍の歯医者設定資料集(仮) - 企画・編集・発行(2018年)

漫画原作編集

小説原作編集

制作協力等編集

テレビアニメ

劇場アニメ

ウェブアニメ

OVA

実写

ゲーム

その他

受賞編集

  • 2017年3月10日、「VFX-JAPANアワード2017」の、ショートフィルム部門 最優秀賞として、『機動警察パトレイバーREBOOT』が選ばれた。受賞者 株式会社カラー デジタル部 CGI作画監督 松井祐亮[16]

関連人物編集

作画部編集

  • 池田由美(所属アニメーター)
  • 大島塔也(所属アニメーター)
  • 谷田部透湖(所属アニメーター)
  • 小堀史絵(所属アニメーター)
  • 浅野元(所属アニメーター)

制作部編集

  • 安野モヨコ(取締役)
  • 緒方智幸(代表取締役副社長・所属プロデューサー)
  • 轟木一騎(取締役・企画部長)
  • 川上量生(取締役)
  • 田中美津子(取締役)
  • 岡島隆敏(制作部長)
  • 島居理恵(海外展開戦略担当・音楽渉外担当プロデューサー)[18]

デジタル部編集

  • 小林浩康(取締役・デジタル部長・所属CGI監督)
  • 鬼塚大輔(所属CGI監督)
  • 鈴木貴志(所属3Dアニメーター)
  • 松井祐亮(所属3Dアニメーター)
  • 宮城健(所属3Dアニメーター)
  • 増田朋子(所属2D WORKS)
  • 浦林和紀(所属撮影、コンポジット)
  • 岩里昌則(所属3Dアニメーター)
  • 仲眞良一(所属3Dアニメーター)
  • 釣井省吾(所属3Dアニメーター)
  • 山田豊徳(撮影監督)

退社・物故編集

  • 鈴木俊二(元所属アニメーター)
  • 瓶子修一(元デジタル部長・CGIプロデューサー)
  • 小野承國(元所属アニメーター)
  • 吉井勝也(元所属アニメーター)
  • 中村颯(元所属アニメーター)
  • 布施侑記(元所属アニメーター)
  • 増尾昭一(所属アニメーション監督。2017年7月24日永眠)

その他編集

関連企業編集

脚注編集

  1. ^ a b c 氷川竜介「スタジオカラーがめざすもの」『月刊ニュータイプ』2011年6月号(27巻10号)、角川書店、2011年5月10日
  2. ^ 会社概要 スタジオカラー
  3. ^ Brutus No. 922 p.47
  4. ^ ヱヴァンゲリヲン新劇場版制作日誌、2007年2月12日(インターネットアーカイブ参照)
  5. ^ 西田, 宗千佳 (2019年8月14日). “「やっと3Dツールが紙とペンのような存在になる」エヴァ制作のカラーがBlenderへの移行を進める理由とは?(西田宗千佳)”. Engadget 日本版. 2019年8月15日閲覧。
  6. ^ Blender開発基金への賛同について”. 株式会社カラー (2019年7月30日). 2019年8月15日閲覧。
  7. ^ Blender [@blender_org] (24 July 2019). "The Japanese Anime studios Khara and its child company Project Studio Q sign up as Corporate Silver and Bronze members of Development Fund. They're working on the Evangelion feature animation movie. www.khara.co.jp studio-q.co.jp #b3d" (ツイート). Twitterより2019年8月15日閲覧
  8. ^ https://jp.ext.hp.com/content/dam/jp-ext-hp-com/jp/ja/ec/lib/products/workstations/personal_ws/case_studies/jirei_studio_khara.pdf
  9. ^ 庵野秀明 (2019年12月30日). “【庵野監督・特別寄稿】『エヴァ』の名を悪用したガイナックスと報道に強く憤る理由 (4ページ目)”. ダイヤモンド・オンライン. 2020年6月2日閲覧。
  10. ^ a b c 庵野秀明 (2019年12月30日). “【庵野監督・特別寄稿】『エヴァ』の名を悪用したガイナックスと報道に強く憤る理由 (5ページ目)”. ダイヤモンド・オンライン. 2020年6月2日閲覧。
  11. ^ 庵野秀明 (2016年11月16日). “庵野秀明監督が初めて語る経営者としての10年(下)”. ダイヤモンド・オンライン. 2020年6月4日閲覧。
  12. ^ a b c 庵野秀明 (2019年12月30日). “【庵野監督・特別寄稿】『エヴァ』の名を悪用したガイナックスと報道に強く憤る理由 (7ページ目)”. ダイヤモンド・オンライン. 2020年6月2日閲覧。
  13. ^ “「エヴァと関係ない」ガイナックス社長逮捕の報道に庵野秀明氏率いるカラーが抗議”. HUFFPOST日本版. (2019年12月6日). https://www.huffingtonpost.jp/entry/khara_jp_5de9d861e4b00149f73e4186?ncid=other_trending_qeesnbnu0l8&utm_campaign=trending 2020年6月2日閲覧。 
  14. ^ “アニメ会社カラー、準強制わいせつ巻被告と関係ない”. 日刊スポーツ. (2019年12月5日). https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201912050000841.html 2020年6月2日閲覧。 
  15. ^ “ガイナックス、不祥事を受けて役員を総入れ替え 新取締役に「エヴァ」やトリガー関係者らが就任”. ねとらぼ. (2020年2月22日). https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2002/22/news022.html 2020年6月2日閲覧。 
  16. ^ VFX-JAPANアワード2017 公式サイト 2017年3月12日閲覧。
  17. ^ https://twitter.com/khara_inc/status/908220620504162304
  18. ^ 渋谷カルカルにてエヴァ公式トークショー2月4日開催!「エヴァンゲリオンシリーズ映像商品全部解説します〜わかりづらくて誠に申し訳ございません2020〜」 « エヴァ・インフォメーション” (日本語). エヴァ・インフォメーション. 2020年1月10日閲覧。

外部リンク編集