カリギュラ効果(カリギュラこうか)、別名カリギュラ現象(カリギュラげんしょう)とは、他者から行為などを強く禁止されると、かえって欲求が高まる心理現象[1]心理学における心理的リアクタンスの一種)を指す日本固有の用語。1980年の映画カリギュラ』に由来する。

「カリギュラ効果」は学術的な用語ではないものの、その関心事の面白みからいくつかの実用書において紹介された事例がある[1][2][3]

背景 編集

1980年のイタリア・アメリカ合衆国合作映画『カリギュラ』は、暴君として知られるローマ皇帝カリグラを題材とした歴史映画で、過激な内容のためアメリカではボストンなどの一部地域[注釈 1]で公開禁止になったことから、かえって世間の話題を惹いた。このことが日本で報じられたことにちなんで生まれた語とされる[4][5]

用例 編集

この効果は、広告宣伝やテレビ番組でも利用されている。例えば、テレビ番組で、「ピー」などの効果音を付けて発言を聞こえなくしたり、モザイク処理をかけて映像の一部を見えなくする、Web広告で「○○が大事」といった言い回しを使うことが挙げられる。こうした心理的効果により、いっそう視聴者の興味をかき立てるなどである。

脚注 編集

  1. ^ a b 川島 (2008), p. 144.
  2. ^ 菊原 (2011).
  3. ^ 酒井 (2013).
  4. ^ 植木 (2008), p. 159.
  5. ^ 樺 (2003), p. 187.
注釈
  1. ^ なお、アメリカには過激な作品を形容する「ボストンでは禁止」という慣用句が存在する。

参考文献 編集

  • 樺, 旦純『怖いくらい人を動かせる心理トリック』三笠書房〈王様文庫〉、2003年3月。ASIN 4837961835ISBN 4837961835NCID BA62423197OCLC 167611474全国書誌番号:20375388 
  • 川島, 康平『お客をつかむウェブ心理学』同文館出版〈DO BOOKS〉、2008年7月17日。ASIN 4495580310ISBN 4495580310NCID BA86626814OCLC 675780791全国書誌番号:21463304 
  • 植木, 理恵『シロクマのことだけは考えるな!』マガジンハウス、2008年8月21日。ASIN 4838718977ISBN 4838718977NCID BA87022196OCLC 676238164全国書誌番号:21487209 
  • 菊原, 智明『トップ営業マンが使っている 買わせる営業心理術』明日香出版社〈アスカビジネス〉、2011年2月13日。ASIN 4756914373ISBN 4756914373NCID BB08784437OCLC 701704410全国書誌番号:21898587 
  • 酒井, 穣『ビジネスでいちばん大事な「心理学の教養」』中央公論新社中公新書ラクレ〉、2013年7月9日。ASIN 4121504623ISBN 4121504623NCID BB12890915OCLC 852779467全国書誌番号:22293481 

関連項目 編集

外部リンク 編集