カワサキ・ニンジャZX-10R

ニンジャZX-10R(ニンジャ ゼットエックス-テンアール)は、川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニーが製造している、輸出市場向け4ストローク998 cc大型自動二輪オートバイ)である。

モデル一覧編集

2004年編集

カワサキ・ニンジャZX-10R
2004年仕様[1]
 
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
エンジン 998 cm3 4ストローク
内径×行程 / 圧縮比 76.0 mm × 55.0 mm / 12.7:1
最高出力
  • 128 kW (175 PS) / 11,700 rpm
  • (加圧 135.3 kW 184 PS / 11,700 rpm)
最大トルク 115 N·m (11.7 kgf·m) / 9,500 rpm
乾燥重量 170 kg
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2004年に、それまでのカワサキの1000 ccクラスのスーパースポーツモデルであったZX-9Rの後継として発表された。

一般市販車として初めてパワーウェイトレシオが1 kg/PSを切るよう車体とエンジンを組み合わせ(170 kg / 175 PS、日本に多く輸入されたマレーシア仕様は排ガス規制や騒音規制で若干パワーダウンし、164 PS)、ハードブレーキング時に対応するためにMotoGP参戦マシンZX-RR譲りのバックトルクリミッターも装備している。2004年型ヤマハYZF-R1や同年にデビューしたホンダCBR1000RRはいずれもセンターアップマフラーを採用したのに対し、ZX-10Rはオーソドックスなタイプのマフラーであった。

2006年編集

カワサキ・ニンジャZX-10R
2006年仕様[2]
 
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
エンジン 998 cm3 4ストローク
内径×行程 / 圧縮比 76.0 mm × 55.0 mm / 12.7:1
乾燥重量 175 kg
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2006年にはフルモデルチェンジされたが、前モデルの反省からか全体的なバランスが考慮されており、

  • エンジンの見直し(倍速ジェネレーター廃止、クランクマス40 %増加)
  • シャシーの全面的な改良(フレーム剛性バランスの見直し、キャスター角見直し、それに伴うスイングアーム短縮、結果1395 mmと言うリッターSSらしくないほどのショートホイールベースとなる)
  • 新形状のブレーキマスターシリンダーの採用(既存の横型からラジアルポンプに変更)
  • プロジェクターヘッドライトの採用
  • 左右センターアップマフラーの採用

などが主に変更された。

2008年編集

カワサキ・ニンジャZX-10R
2008年仕様[3]
 
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
エンジン 998 cm3 4ストローク
内径×行程 / 圧縮比 76.0 mm × 55.0 mm / 12.9:1
最高出力
  • 138.3 kW 188 PS / 12,500 rpm(EUR/AUS)
  • (加圧 147.1 kW 200 PS / 12,500 rpm)
最大トルク 113 N·m (11.5 kgf·m) / 8,700 rpm
乾燥重量 179 kg
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2008年にさらにモデルチェンジがなされエンジンは188馬力(ラムエアインテークによる加圧で200馬力)となり外観も大幅に変更され[3]

  • センターアップマフラーの廃止[3]
  • フロントミラーステー部分にウインカー装備[3]
  • ホイールベースの延長(1395 mm→1415 mm)
  • 左右のステアリングスイッチ部分にストップウォッチ機能を装備(右がスタート、ストップボタン。左がラップタイムボタン)そのためハザードランプスイッチは装備されない。

などの変更がなされた

2011年編集

カワサキ・ニンジャZX-10R
2012年仕様[4][5]
 
Paris - Salon de la moto 2011
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
エンジン 998 cm3 4ストローク
内径×行程 / 圧縮比 76.0 mm × 55.0 mm / 13:1
最高出力
  • 147.1 kW (200.1 PS) / 13,000 rpm
  • (加圧 154.4 kW 209 PS / 13,000 rpm)
最大トルク 112 N·m (11.4 kgf·m) / 11,500 rpm
車両重量 198 kg
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2011年型では同車両では初となる完全新設計によるフルモデルチェンジが行われた。通常、モデルチェンジは2年周期で行われており、2010年に行われる予定だったが、不況の影響、レースで勝てるマシンにすること(歴代ZX-10Rはスーパーバイク世界選手権では苦戦を強いられてきた)を目的に開発期間を延長し、1年遅れのモデルチェンジとなった。エンジン・車体共に刷新され、歴代車種とは大きく変化している。

  • オーソドックスなツインチューブフレームへの変更
  • 軸配置を見直し、マスを集中化した新エンジン(リッターSS初の200馬力オーバーを発生)
  • ホリゾンタルバックリンクリアサスペンションの採用
  • 加速力を最大限に引き出す予測型トラクションコントロールシステム・S-KTRCの採用
  • LEDを使った弧形のバータイプのタコメーターの採用
  • プロジェクターヘッドライトの廃止
  • カセットトランスミッションの採用
  • 先代モデルに引き続きストップウォッチ機能を装備。ハザードランプスイッチは未装備。
  • 10 kg以上の軽量化
  • フロントミラー埋め込み式のウインカー採用
  • KIBS機構を搭載しているABS仕様の追加

2004年型以来の伝統であり車体構成上の特徴だった、エンジンの上を跨ぐように取り回わされたバックボーンフレーム、クラッチ軸を低く配置したエンジンは改められた。フレームはエンジン側面を囲うオーソドックスなツインチューブフレームに変更され、エンジンのクラッチ軸も他社の競合車両同様、高い位置に改められた。車体構成の独自性は薄れたが、開発目的の一つである「レースで勝つ」ことを優先しての変更である。

エンジンの特性は従来よりも高回転型となり、アクセルをより開けやすくするため中低回転域の余剰なトルクはカットされ、直線的なトルクカーブになっている。最高出力は同クラス車両初となるラムエア過給なしで200馬力以上(200.1 PS)。

2012年モデルはカラーデザインの変更とカウルのサイドのロゴが“Ninja”から“ZX-10R”に変更となった。

2013年モデルのマイナーチェンジではステアリングダンパーを電子制御式に変更している。

レース活動においては2013年、スーパーバイク世界選手権においてトム・サイクスがカワサキのライダーとして20年ぶりにタイトルを獲得、2015年にはジョナサン・レイがライダータイトルを獲得し、初のマニュファクチャラータイトルも獲得している。

2016年編集

2015年10月8日に2度目のモデルチェンジとなる2016年型が発表された[6]。エンジンは欧州のEURO4排出ガス規制移行に合わせて刷新され、車体も先代のデザインを維持しつつ手直しされており、フロントサスペンションにはショーワ製の『バランスフリーフロントフォーク』を装備している[7]

同年12月には、日本国内向けの競技向け車両として「レース専用モデル」が発売された。車体は日本国外向け仕様とほぼ同一だが、ABSと保安部品は装着されていない。

2017年編集

2016年9月1日にマイナーチェンジが発表された。日本国内の騒音規制基準変更により、日本国内へ逆輸入により導入されていたアジア(マレーシア)仕様の排気系が欧州仕様と共通化され、はじめてカワサキ正規代理店から200 PSフルパワー仕様が発売されることとなった。また、軽量ホイールや専用エンジンを搭載しサーキット走行に特化した「ZX-10RR」を追加発表した。

翌2018年には、前年にZX-10RRに採用されていたアップ・ダウン両対応のクイックシフターを全車種に標準装備とし、また、ボディーカラーを刷新する年次改良を行い、電子制御サスペンションを装備した「ZX-10R SE」が追加発表された。

2019年編集

2018年10月1日から新型「ZX-10R」、ABS装備の「ZX-10R ABS」、チタンコンロッドを採用したスーパーバイクホモロゲーションモデル「ZX-10RR」、電子制御サスペンションを装備した「ZX-10R SE」を発売した。新エンジンはフィンガーフォロワーロッカーアームを採用。エンジン出力は203 PS(ZX-10RRは204 PS)となった。

前年モデルまでは一貫して逆輸入によって日本国内へ導入されてきたが、2019年モデルからは日本国内向けモデルとして発売された。日本国内向けモデルも諸外国向けモデルと同様、車速299 km/hで速度リミッターが作動する。

2021年編集

2020年11月23日に2021年モデルが発表された。外装が一新されており、2011〜2019年型とは大きく異なるイメージの外観となった。新しいカウリングはエアロダイナミクスに注力したもので、旧型比ダウンフォースは17%増加、ドラッグは7%減少するとされている。外観は大幅に異なるもののエンジン・車体の変更は小規模であり、エンジンは従来型をベースにユーロ5の排ガス規制に対応、最高出力は従来型と同一ながら最高出力発生回転数は13,200rpmと低回転寄りとなった。車体はスーパーバイク世界選手権からのフィードバックを受けてディメンションの小変更がなされている。メーターパネルはカラー液晶化された

500台限定生産のスーパーバイクホモロゲーションモデル「ZX-10RR」は従来のチタンコンロッドに加え軽量ピストン、低摩擦ピストンピン、専用カムシャフト、専用バルブスプリングを採用、最高出力は従来型と同一ながら発生回転数は14,000rpmと高回転化、レースベース車としてのポテンシャルが高められている。

画像編集

脚注編集

  1. ^ 『KAWASAKI ZX-10R』ニューズ出版〈ハイパーバイク Vol.11〉、東京都、2005年8月8日、182頁。ISBN 4-89107-338-1
  2. ^ 「バイカーズステーション」第21巻第12号、モーターマガジン社、2007年12月号。
  3. ^ a b c d e f g 「バイカーズステーション」第22巻第3号、モーターマガジン社、2008年3月号。
  4. ^ [1][リンク切れ]
  5. ^ 「バイカーズステーション」第26巻第7号、モーターマガジン社、2012年7月号。
  6. ^ スーパースポーツモデル「Ninja ZX-10R」を海外市場で新発売 - 川崎重工業
  7. ^ [Ninja ZX-10R ABS]約5年ぶりの大規模アップデートを受けた2016年モデル!! - カワサキイチバン(クレタ)・2015年10月9日

関連項目編集

外部リンク編集